よく「お酒が飲めない人は人生の半分を損している」と言う人がいるけれどたしかに、と思う。
我が家は両親ともお酒が弱く、父方も母方の祖父母全員、晩酌文化に縁のない人々だった。
なので、損しているという意味がよくわからなかった。お酒もたばこと一緒で、ちょっと格好つけるためのもの、としか認識していなかった。
飲まない家族の特徴を記してみると、
●晩御飯時は、ごはん、みそ汁、漬物、サラダ、肉や魚など、いっぺんに全部食卓に出してほしい。なぜなら、(とりあえずビールと枝豆、次に地酒としゃけの塩焼きでも)という順番を必要としないから。ご飯を食べながら魚、きゅうりの漬物、甘い卵焼き、と順番に食べたいのだ。
●お酒を飲まないので、作り置きの麦茶をグラスに注いで自分の右手の横から近いところに置いてある。
●テレビを見ながら食べても、家族で談笑しながら食べても、45分もあれば食べ終えてしまう。親友の実家に泊めていただいたとき、夕食=晩酌という文化の家庭なので夕方5時から初めて10時半まで飲み食べをしていた。
●お酒を飲まない代わりに、食後に親戚から貰った豆大福やおはぎなんかを取り出してきて嬉しそうに食べたりする。(我が家の夏はあずきバーが定番)
●お酒を飲まないので、酔って家族に迷惑をかけることはない。トイレの占拠や、泣き上戸、怒りっぽくなるなど。
●外食しても酒代分が安く済む。
●外食したあと自分たちで車を運転して帰ることができる。
●お正月のお酒の楽しみがない。親戚の集まりで、飲める人と一緒にほろ酔いを楽しむことができず、困惑。暇になってしまう。
●いただきものの清酒やお土産の地酒は、料理酒に使う。(越乃寒梅でかぼちゃを煮たらおいしかった)
●家族旅行で温泉旅館に泊まって部屋食コースにすると、少しずつ出てくる小皿をすぐ食べ終えてしまうため暇を持て余す。そして早く寝る。
●旅行に行っても酒蔵見学には興味が沸かない。そのため地酒のおいしい県に行ってもありがたみがあまりわからない。
●何かのお返しなどで江戸切子のおちょこやバカラのシャンパングラスをいただいても永久に食器棚の中でオブジェとなってしまう。
●本来はおつまみとなり得る高級チーズや魚卵はどうやって食べてよいかよくわからない。
●ケンタッキーのCMにはぐっとくるけどビールのCMは無視。
家族代々下戸文化なので飲む文化の家庭からしたらとても淡泊で味気ないものなのかもしれない。
実際、大人になって少量だけれどもお酒を飲み、飲みの雰囲気が好きになった今では、実家に帰るとあまりのあっけない夕食時間に一抹の寂しさを感じる。でも、だからと言ってわたしの両親が人生の半分を損しているかというと、そんなことはないと思いたい。
肝臓機能を壊したり痛風の危険性はぐっと減るでしょうしね。
そんなかんじ。
Nina