あめつちの詩

「あめつち」に響く歌声の持ち主「にいや」こと「新屋まり」が奮闘の日々を綴る。

集中豪雨が一段落して。

2021-08-16 | 半径30メートルの事件

おとといから昨日にかけて

猛烈な雨だった。

広島県下全域で避難勧告が

発令された。

一昨日の朝は雨音で目覚めた。

ゴーゴーと水の流れる音が

至る所から聞こえていて

不気味だった。

エリアメールは何度も鳴る、

無線放送がウーーウーーと

避難勧告が出る度に

逃げろ命を守る行動をと訴えて

落ち着かなかった。

我が家の地域は河川の氾濫は

免れていた。

土砂崩れが近くの谷で

起きなくはない。

河川と違って見えないところから

ふいをついてくるのが

ちょっと不安ではある。

「北広島町に避難勧告」と

1日中全国ニュースに流れたので

全国の友人知人から安否の確認を

もらった。

その前日になる。

雨天で1日伸びた11日に

母校が甲子園で戦った。

この日も「北広島町」が全国ネットの

テレビで何度も登場。

私は家族をテレビ画面で見つけた。

初戦で強豪校の横浜。

甲子園19回出場校に対して

春夏合せてやっと3回めの母校が

挑む格好。

それでも今年の母校は高評価で

「屈指の好カード」と言われた。

花田君が本来の調子で好投だった。

2-0で迎えた9回。

勝てると母校関係者の誰もが思った。

が、まさかの「さよならホームラン」で

敗退。

あまりに悔しくて残念で、

高校野球の話題にしばらく

触れたくなかったくらい。

応援に行った妹は

「みんな良くやったから私は満足だ」

「安上りだったしね」と言う。

大雨が何日か続くと既に予報が

出ていた。

初戦に勝ったら次の試合がいったい

何日後になるか分からない。

「すんごいお金掛かるよ~~。」

という。

確かに!

大勢の選手が滞在するのだ。

毎日のようにチャリンチャリンと

お金が出ていくようになっている。

強い相手と良い勝負をして

更に何百万も儲けたと

ほめる妹なのだった。

翌日、冷たそうな雨の中で

試合をしている他校を

テレビで見かけたら

溜飲が下がる思いだった。

あんなに悔しかったのがウソのよう。

物事は見る視点でこんなにも違う。

お金問題を持ちだすなんて寂しい

と同級生が言うけれど、

大人の事情ってのもあります。

あちらこちらで大雨の被害が

出ている。

甲子園キブンは吹っ飛んだ。

雨が一段落したので散歩に出る。

水路という水路で増水しているが、

うっすら陽が刺してきた。

終戦記念日でもある。

天変地異も戦争もない日常が

当たり前ではない世界がある。

幸せであることはラッキーだ。

 

途中で近所の長老に出会った。

80代後半でも稗取りだ。

「新庄は惜しかったの~」と

声を掛けられた。

良い試合をして安上りで帰って来たから

良かったですとウケウリの返答をしたら

「あははは」と笑われた。

いつも地域全体のことを考えている人。

土地神さまの小さな祠のしめ縄が

毎年新しくなっている。

母いわく「〇〇さん(長老)しかおらん」

と言ってたっけ。

今回の豪雨でも無事だった。

この方のお蔭かもという思いが

過ぎったので

「前から思うてました。

しめ縄を替えてもらって、

ありがとうございます」

とお礼を言う。

「そが~な人間はなかなか

おらんけ~の(いないからな)」

と照れ笑いされた。

土地への感謝と畏敬、

命あることへの感謝とよろこび。

純粋な思いが息づく限り

この里山は守られると思う。

 

 

 


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