読書と映画そして四方山話

映画や読書を中心に日々の気になる話題を毎日お届けしてます。

インタープリター

2006年01月23日 | 気になる映画&TV
 インタープリター、通訳という映画は、ニコールキットマンとショーンペンという二人の特別に上手な俳優によって成功を収めた映画であろうと思うのですが、それ以上にシドニーポラック監督の腕のさえも脱帽物といったところでしょうか。

 シークレットサービスの担当官であるショーンペンがオフィスに戻ったところのシーンで、上司から彼の妻の事故について気を使った言葉をかけてもらうのですが、通常このような上司の役柄は目立つことなく、それとなく流して見てしまうものですが、なんだかこの上司の存在感は只者ではない。

 主演のショーンペンよりもしっかりとした演技をしてるなあ、などとストーリーに何の関係もないところで感心して、あとで俳優を調べてみたら、監督のシドニーポラック自身が演じていました。

 これだけの演技ができる監督が、オスカー男優のショーンペンを使って演出をしているのだから、上質の映画ができないはずはない。見ていると自然にストーリーに引き込まれる映画に仕上がっていました。

インタープリター

ミリオンダラーベビー

2006年01月19日 | 気になる映画&TV
 アビエーターを見たときに、何でこの作品がアカデミー賞を取れなかったんだろう、この作品を越えた「ミリオンダラーベービー」はどれほどすごい映画なんだろうか、と思ったことをおぼえています。

 それにしても助演男優賞、主演女優賞、監督賞、作品賞の4部門を獲得したミリオンダラーベビーをみたのは、ずいぶんとあとになってからです。理由は簡単。女性ボクサーが年老いたコーチと一緒になってチャンピオンになる、いわゆるロッキーの女性バージョンに興味がわかなかったからです。

 映画の冒頭からはじまるボクシングのシーン、年老いたクリントイーストウッドのコーチがボクサーに作戦を与えているシーンから、これはやっぱりロッキーだなとあきらめの気持ちで映画をながめることになりました。

 薄暗くて活気のない貧乏なボクシングジム。淡々と進む物語。ニヒルで孤独なボクシングジムのオーナーと年老いたコーチのやり取りは、今のアメリカの老人たちが持つ影の部分を意識して写しているかのようです。

 主人公の女性ボクサーがジムのオーナーの器具を借りて練習していると、オーナーは返せと強気で言い放つ。貧乏な女性ボクサーが悲しい顔を見せると、こんどは逆に使っていいと言い、「私は新しいのを3つ持っているから」などと言わなくともよい話をする。強気とやさしさとちょっと世間ずれした正確を併せ持つ老人。

 オーナーは23年間も毎朝欠かさずに教会へ通っているわりには、キリスト教の内容はよく理解していない。そして最後の最後には教会の教えだけでは解決することができない、命の問題に突き当たることになる。

 この映画には、現実のアメリカ社会が潜在的に抱えている社会問題が、映画の背景に流れているように感じられるのは、私だけでしょうか。
 ロッキーの女性バージョンなどと考えていた私は、良い意味ではずされて良かったと思える映画でした。アカデミー賞がこの映画を選んだ、質の高さを感じられます。

ミリオンダラーベビー

冬の鎌倉商店街

2006年01月17日 | 気になる話題日報
 用事で鎌倉の近所まで行ったついでに、鎌倉の駅前の小さい方の商店街を歩いてきました。何口というんでしょうか、鎌倉山のあるほうの出口から駅を出て、すぐ始まる2~300メートルくらいの小さな商店街です。

 この鎌倉のあたりは、ずいぶんと懐かしい風景がまだまだ残されていますが、この鎌倉商店街もその中のひとつだと思います。昔は八百屋さんや魚屋さんなど生活に密着したお店が並んでいましたが、今では鎌倉彫や中国から輸入した家具や、様々な雑貨、ブティックなどが並んでいて、とても面白い通りになっています。

 それでも時代でしょうか、ぽつぽつと空き家もできていて、商店街のお店の大変さを物語っておりました。大手のショッピングセンターやスーパーマーケットにはない、温かさや個性溢れる品揃えなど、この商店街には私たちを惹きつける要素が溢れていると思います。

 色々大変な時代だけれども、これからも色々アイデアを出しながら続けて行ってほしなあ、と考えながら商店街をあとにしました。

たこあげについて

2006年01月13日 | 気になる話題日報
 前の日曜日に、たまたま近くのホームセンターに出かけたところ、ちょうど良い具合にタコを売っていました。タコといっても食べるほうのではなく、空の上に上げるほうのタコです。

 もう何十年もタコなんて上げてなかったなあ、などと考えながら4歳になる娘と一緒に、半ばうきうきした気持ちで近所の公園へタコあげに出かけました。

 今のタコは、本当に簡単に揚げるようにできているんですね。ヒモを持って飛ばすと、いとも簡単に空の上にあがりました。私の子供ころのタコは、そう簡単にあがらなかった。タコの下にノリで長い紙の尻尾を取り付けたり、糸の調子や長さのバランスをとったりと、色々手間をかけてはじめて空にあがったものです。

 今のタコはコンピューターかなんかで計算して、タコを作ってるんでしょうか。タコ糸を指示された穴につなげただけで、あとは手で持って風に向かって走るだけで、もう空の上に上がっています。

 昔のように、四角い和紙に漢字が書かれていたり、ヤッコさんの形を模した面白い形のタコは、今ではなかなか見ることはできなくなりました。確かにあのタコは飛ばすのが難しいものなあ。
 逆にハングライダーの形をした現代のタコは、ポケモンのプリントがされていたりしてかっこいいし、飛ばしやすいものなあ。忙しい父親にとっても、便利な遊び道具といえるかもしれない。科学の進歩ばんざい…(笑

宇宙戦争

2006年01月07日 | 気になる映画&TV
 スティーブンスピルバーグの最初の映画は、たしかTV映画の「激突」だったと思います。国道を走る小さなセダンが、大型トレーラーに追いかけられると言うストーリーでした。今見ても手に汗を握るほどの緊迫感のある映画ですが、この手の映画を作らせると、スピルバーグは人間業とは思えないほどの上手さを持ってると思います。

 トムクルーズ主演の「宇宙戦争」も、この主人公が果てしなく追いかけられてゆくタイプの映画として、スピルバーグの経験と技のきれがなんとも形容できないくらいに活かされて、私たちを楽しませてくれます。

 そういう意味ではこの映画はSF映画ではなく、ジョーズのようなホラー映画ではないかと思うのです。主人公が可愛い娘と息子を連れてエイリアンから逃げる、只それだけのストーリーを、最後までどきどきしながら緊張感を持って映画を観てしまいました。

宇宙戦争公式ページ