【芭蕉翁献詠俳句】連句部門入選
実は去年、硯水翁との両吟、脇起半歌仙「こちら向け」の巻が、上記タイトルの入選を果たしましたが、今年も硯水翁のお誘いで、やはり両吟で巻きました「この秋は」の巻が、令和5年度(第77回)芭蕉翁献俳句の連句部門において入選いたしました。
応募規定による作品形式は、芭蕉の句を「発句」としての脇起であり、独吟は不可。「こちら向け」の巻は、こちら向け我もさびしき秋の暮 を、発句といたしました。今年は、この秋は何で年寄る雲に鳥 の芭蕉句が発句。以下に掲げます。
脇起半歌仙「この秋は」の巻 佐野典比古捌
この秋は何で年寄る雲に鳥 芭蕉翁
煉瓦の壁を攀じ登る蔦 佐野典比古
観月の宴の笛の届くらん 矢崎硯水
踊る所作する姿見の前 典比古
膝に乗る猫を撫でれば思い出し 硯水
誰かどこかで嚏一発 同
ウ 新調の外套を着る夕時雨 典比古
眴せしつつタラップを降り 同
誇らかに揺らす髑髏のイヤリング 硯水
阿呆陀羅経の元教祖とか 同
いなさ吹き舫を繋ぐ老漁師 典比古
味噌を肴に冷酒を注ぎ 同
河童忌の月は夜更けて黄に濁り 硯水
ロ軍ウ軍の止まぬ戦い 同
島山のさてこれよりは峠道 典比古
湯船でほぐす旅の疲れを 同
俳席を待つばかりなり花の宿 硯水
牡丹雪散りうごき出す鯉 執筆
令和五年七月五日起首
令和五年七月十六日満尾
次回はコラム912「脇起半歌仙「この秋は」の巻」評釈を記事にいたします。
※大山現代の美術館 企画展
2023年9月23日(土)~2024年1月21日
🔶詳しくは相原秀樹(俳号 秀)さんのfbをご覧ください。