強犬堂

スタジオストロングドック・加藤慎隊長の頑固な小言

他に方法ないんか?

2006年03月14日 | 歴史

オレの会社内のポジションは「地方登録なら加藤」。
社内ではそんなに多くないはずの地方納車。
それなのに何故だかオレのところには地方納車が良く集まる。
12月は静岡、1月は山梨、2月に群馬に行って、今月は栃木。このままで行くと来月は茨城か?
いい加減にせえっちゅうんじゃ!何でオレばっか!
月末の車積載トラックでのドライブもさることながら
月半ばに発生する書類手続きで俺の休みは必ず一日は溶けてなくなる。
むくれてもしょうがねぇので、笑顔で出発。
書類を片せばあとはまあ自由だしな。これを機会にまたも歴史旅行としゃれ込める。
で、今回の目的地は栃木は宇都宮。そうだ、もう一回宇都宮城に行ってみよう。
栃木といえばオレの「キャノンボールワールドチャンピオン」を確定させた栄光の土地だ。
当然東北道の佐野付近では超減速の上、首をガッツリ直角に右に曲げた余所見運転の見本的走行。
あったよ、我等が聖地佐野タクティクス。

宇都宮陸運事務所で用事を済ませ、向かうは一路宇都宮城。
先述のキャノンボールを開催時にもチェックポイントとなったため、足を運ぶのは二回目。
前回は2004年11月に来てるのだが、その時は再現工事中。あれから足掛け1年半。
もういい加減出来上がってんだろ、だから見てみようってのが俺の考え。
ところがだ、やられたよ、まだ出来上がってもいねぇ。
前回とほぼ同じところに車を止めて呆然とたたずむオレ。
大分出来上がってきて、結構な大きさを想像させるんだが、
いかんせん「工事中立ち入り禁止」の文字がオレを阻む。
早く作りやがれってんだ!
今攻められたらどうすんじゃ!
何を一年半も工事中じゃ!
そもそも壊したバカはどこのどいつだ?

それは土方歳三です。
戊辰戦争真っ只中、戦場は関東から北に向かってる時点で、
さっさと官軍サイドについていた宇都宮藩の宇都宮城を攻めたのが原因。
ちなみにその時の宇都宮城サイドの指揮官は香川敬三。
近藤勇をふんじばって首をはねた男ですな。土方が静かに怒りを溜めてる姿が目に浮かぶ。
結局は宇都宮城に配備された香川敬三以下の官軍は
城を放棄して下総古河に逃げることになるんだが、その時の交戦で火が出て、
城下町もろともお城も炎上。
いらい今日まで宇都宮城は土塁が残ってただけ。

もっとも宇都宮城がその名を知られているのは、土方の宇都宮城攻めよりも「釣天井」。
時間をさらに戻して江戸時代の初期も初期。
オヤジに続いて幕府内で権勢を誇っていた高級官僚の本多正純が失脚。
土井利勝・酒井忠世・安藤重信の政治的クーデターが元だった。
それを恨みに思った本多正純が日光参詣の帰りの二代徳川秀忠を殺してしまおうと企画。
その手段が上から釣られた天井を落として圧殺しようとしたものだ。
秀忠の兄弟の亀姫の密告で事件発覚、
本多正純は佐竹家にお預けというオチにはなるものの、実際に宇都宮城を調査しても、
そんな下らない仕掛けはなかったというオマケもついてきた。
あれだ、本多正純への冤罪って事なんだが、
まあまて、それで片付けちゃなんね。
ここで特筆すべきはその方法。
「釣天井」ってなんだ「釣天井」って。他にもあるだろ殺害の方法。
ひょっとして音がいいだけなんちゃうんか?「つりてんじょう」って音が。
他にきかねえもん、そんな「トンデモ」心ゆさぶる名詞。
当然、再現される宇都宮城、
本多正純の無念を晴らすべく釣り天井は仕掛けられたんだろうな。
期待して、また来るぜ!