8月9日3:00時、昨日からの雨が降ったり(時には強く)止んだりしていたので、「今日は停滞してテントの中で小説でも読むか?」と判断を迷っていた・・・。(今日の行程は楽だが、雨の中の設営は避けたかったので)
日の出直前にテントの外をのぞいたら、雨は上がっていたものの嫌な雲にテン場は包まれていた。
しかし、5:00時位だろうか?雲が何処かへ行って急に明るくなってきた。
今がチャンス!天気が良い内に南岳まで行こうと急いで胃にカロリーメイトを詰め込み雨に濡れたテントをザックに押し込んで、再び槍へと登り返す。
登っていると昨日槍ヶ岳山頂まで御一緒した男性と再会。
挨拶をして一言二言、言葉を交わした後お互いに「気を付けて」と別れた。
山の雨は、未だあまり好きになれない俺だけど・・・。
雨の後の草木はホント嬉々としていて、俺も山の雨すらも楽しめる男になりたいね。
数十分で槍ヶ岳山荘前まで登った所で「tomorrow・・・なんたら~」って話しかけてくる男性がいる。
?っと思いよく見れば昨日の韓国人男性。
どうやら今日の目的地は俺と同じ南岳小屋らしい。
先に大食岳へと向かう彼らを見送ってから、俺は景色を眺める。
双六岳・笠ヶ岳・燕岳方面等々を眺めて、雨が降る前に南岳を目指し出発。
本日の平均コースタイムは以下。
殺生ヒュッテ→40→槍ヶ岳小屋→40→大食岳→40→中岳→1:40→南岳→20→南岳小屋の楽な行程。
槍ヶ岳のテン場を抜け一度下って行き、稜線の飛騨側を登って行くと・・・。
大食岳3101m日本10位に到着。
風が強く少々寒かったが休憩しつつ、ここから南岳方面を眺める。
中央右手前の山が「中岳」。そこから左に下って行くのが、この日のルートで、そのルートの先、少し高くなっているのが「南岳」、そのスグ先の少し低くなっている所に「南岳小屋」がある。
その先、絶壁の様に見えるのが「北穂高岳」で、その頂のほんの少し左下にほんのり赤く見えるのが「北穂高小屋」。(ポップアップすると見えるかな?)
楽なルートなのでノンビリし過ぎな位ノンビリ歩く。
ソレでも辿り着けるのが山頂。
「中岳3084m」に至った。
ここから南岳まで雷鳥を探し、キョロキョロしながら歩いた。
すると、花々がより目に付く様に。
雷鳥を探していると「南岳山頂手前の雪渓辺りで雷鳥の家族を見た」と教えてくれる人が居たので急いでその雪渓に向かう。
そう言えばこの手前で白い大きな羽が落ちているのを見つけていた。
あれは雷鳥の羽だった訳だ(羽は夏でも白い)・・・拾っておけば良かったと後悔した。
雷鳥を中々見付けられなかったが、しばらくすると・・・。
何処からかブッ!ブブッ!っと鳴き声が聞こえる。
そして・・・・。
雛は母鳥の周りを(結構離れて)岩に飛び乗ったりピョンピョン飛び跳ねてるし、俺から20~30センチ手前の岩の上をピョコピョコ歩いたり・・・反則的な可愛さだった。
その後、ガスの中に消えて行く雷鳥を見送り南岳山頂へ。
南岳3033m山頂に到着。そしてこの頃には、天候が崩れ始めてきたが・・・。
ここでまた雷鳥の母子に出会った。
南岳山頂をテリトリーにしている雷鳥が居るのをすっかり忘れてた・・・。(今後、南岳に行かれる方はここで探すと良いですよ)
南岳山頂を越えて12:10南岳小屋に到着。
設営両(500円)を払って水を買い(1? 200円)テントを設営してお馴染みの昼食、棒ラーメン(今回は豚骨味)を食べる。
この頃から雨が降り出したので、持ってきた小説(ここまで余り読めなかった)山本周五郎の「一人ならじ」をテントの中でたっぷりと読んだ。
18時過ぎ、雨が上がり空も晴れてきたので明日のルートで最大の難所「大キレット」を眺めに行く。
右下から左上の北穂へと伸びる痩せた尾根が「大キレット」。
キレットを眺めたり足元のガケ下を眺めている人達が「よくこんな所を行ける」、「見るだけで恐い・足が竦む」と言っているが、この時俺は逆にワクワクしてきていた。
夕日に照らされるキレットと北穂は神々しく幻想的だった。
北穂の山頂をズームして撮影すると・・・。
北穂高小屋と北穂のピークに立つ人々が写っていた。
この人達もこの景色を眼にして感動していたのだろう。
19時過ぎにテントに帰り、明日に備え一番高カロリーの食事を今夜の夕食とした。
美味いパスタを食べ20時に就寝も、明日の大キレットへの興奮か難度も眼が覚める。
山小屋をのぞくと数人の山男達が国籍を問わず酒を酌み交わし、楽しそうに山の話をしていた。
テント専門の俺もこの光景には素直に羨ましいと思う。
22時頃、トイレに行こうとテントを出ると、空は雲一つ無い満天の星空と天の川・・・・。
星が多すぎて星座も見分け難い程の星空だった・・・。
何か星の瞬きの音が聞こえて来そうな程の星々。
ずっと、眺めて居たかったが明日は大キレット。
テントに帰り寝袋の中へ
つづく
槍ヶ岳と山荘[E:shine] 燕岳と槍ヶ岳[E:shine] かわいいお花たちに可愛い雷鳥[E:chick] など・・
本当にいい写真がいっぱいです。
alrightさん、大キレットから北穂高へ向かうなんてすごいですねプロだわ[E:foot][E:foot]
北穂高の頂上すごい[E:shine] あんなに険しい所に人・人・人
・・私も・・・登ってみたい!感動したい!
北アルプスの自然が素晴らしいからですよ[E:sign01]
その眼で御覧頂けば、この何十倍の美しさでしょう。
北穂は涸沢から登れば、さして危険な場所も無く(最近、滑落死された方がおられる様ですので、油断は出来ませんが・・・)安全に登れると思います。
機会があったら、北穂高山荘のテラスからキレット越しの槍ヶ岳を眺めに行かれるのも良いかもですよ[E:sign01]