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獣医のぎりぎりワーホリ in Canada→Miami

2006年春からvancouverでの1年間のワーホリ生活と、Miamiでの実習の記録です♪

最終日

2006-10-06 08:13:48 | 実習日記
今日は、スペシャリストホスピタル実習の最終日でした。
なのに、朝から画像専門医の先生が倒れて救急車で運ばれるという事態がおこり、騒然としていました。
もともと、今は外科学会で、外科専門医の先生も、1人残して全て学会に行ってしまっているし、画像専門医の先生も1人バケーションを取っていて、2人交代で回している状態だったんです。
ということで、一時、画像専門医なしの病院になってしまいました。
外部からの超音波の依頼とか、沢山予約が入っていたので大変です。
午後からもう1人の先生が出てきてくれたけれど、大変だ。

どうやら、倒れた先生は、もともと体調も良くなかったみたいですが、ストレスがありすぎなのでは。とのうわさも・・・
たしかに、スペシャリストホスピタルに来るオーナーさんの中には、ちょっと変わった人がいるし、(そもそも数十万円単位のお金がかかる治療を自分の犬や猫にするという人自体、一般的には変わっているのかも。お金持ちということもあると思うけど、どうなのかな。)
専門医の発言は、やはり、普通の獣医よりも影響力が高い。
さらに、紹介元のDrとのやり取りや、報告書の作成、セミナーの講師をしたり、執筆、発表、レジデントの教育などなどとstressfullだろうなぁと思う。
見ていると、1日中、診察か処置、報告書の作成の他は、ずっとオーナーや紹介元、他の施設などなどとの電話対応に追われているという感じ。

レジデントのH先生も倒れないでね!とAHTさんに言われてました。

さてさて、最終日ということでお別れの挨拶をすると、AHTさんたちから「また来るんでしょ!」とか、「どこにも行かないよね。」といううれしい言葉が。
今月は、友達がたくさん日本から来るので、またいろいろ旅行に行ったりするのですが、来月からは???
何しようかな・・・

SRMA

2006-10-04 13:56:26 | 実習日記
ここのところ3件もステロイド反応性髄膜、血管炎?を見てしまった。
はやり?なのか。
Steroid Responsive Meningitis-Arteritis(SRMA)という。
私は、まったく知らなかった病気だ。

最初、SRMAと言われても、なんのことかさっぱり分からず、(メチシリン耐性ブドウ球菌MRSAとちょっと勘違いした。似てない?)
資料をコピーしてもらって読んで、初めてそんな病気があるんだーという状態。

その名の通り、ステロイドに反応する髄膜炎で、原因は不明。
ビーグルに多いらしく、8ヶ月から18ヶ月くらいの若い犬で起こるらしい。
症状は、首を痛がる、微妙に発熱、食欲不振、動きたがらない。という感じ。
微妙だ。
見逃してしまいそう。
そもそも、そんな病気自体知らなかったので、もし来ても分からなかっただろうなぁ。
もっとも、普通の動物病院にいたら、そうそう見ることもないとは思うけれど。


実習に来てから、線維軟骨塞栓症(FCE)とか、肉芽腫性髄膜脳炎(GME)、変性性脊髄症?(Degenerative Myelopathy)などなど、世の中には知らない病気がいっぱいあるんだなぁ。と思う今日この頃。
特に、FCEはもしかしたら、椎間板と思って見逃していたかも。
気をつけようっと。

レジデント

2006-10-03 16:32:33 | 実習日記
オペ後の縫合中、獣医学部志望ボランティアのJ君が、レジデントのH先生に専門医になるには?って質問をしていた。
彼は、3年generalistの病院で働いた後、1年大学で神経のインターン。
その後、この病院にレジデントとして来て、まだ1ヶ月目。
ちなみに32才、来年結婚予定のフィアンセがいます。(どうでもいいか。)
3年間レジデントとして働き、さらに試験を受けて専門医となるわけなのだが、このレジデントになるのが大変らしい。

どうやってこの病院のレジデントになったかというと、まず、友達とか知り合いとかに、N先生を知っているか?と電話をかけまくり、N先生が大学で働いていた時の教え子だったという人に紹介してもらって、まず1週間visiting。
その後も、何度も1週間くらいずつ来ては、レジデントの推薦状を書いてくれと頼み、最終的にN先生から「うちに来ないか?」という話になったらしい。
ちなみにN先生が、この病院でレジデントを取るのは初めてらしい。
なるほど。大変なのね。
私は、バンクーバーに行くから、誰でもいいから紹介してくれ。といろんな人に声をかけ、ここに来れた訳だが、そんなに偉い先生だったとは。
ラッキーだった。

でも、彼がvisitingに来た時は、もっと余裕があり、こんなに忙しいと思わなかった。とちょっとぼやいてました。
確かに、最近忙しくて夜遅くなることもあるし、ほんとは週休2日なはずだけど、休みの日でも、なんだかんだ呼び出しとか、入院の子をみにきたりしているみたい。
日本の代診と変わらないかな?
そのかわり?専門医の先生は、なんと1ヶ月offでイタリア旅行とか、うらやましい限りだ。
まだ、あと3年あるけど、がんばれー

産休

2006-10-02 14:36:12 | 実習日記
今日は、内科の専門医の女の先生が産休に入るというので、ちょっとしたお祝い?があって、
病院のキッチンに大きなケーキが届いてました。
みんな忙しいので、お昼に集まれる人だけ集まって、ちょっと一緒にケーキを食べるっていうくらいだけど。
ちなみに2人目のご出産。

うーん、産休・・・
日本の獣医(小動物)には、あるんだろうか?
無いだろうなぁ。
小さなところがほとんどだし。
逆に、「3年間結婚しないこと」とか、「妊娠しないこと」って契約書にかかれてたっていう話は聞いたことあるけれど。
冷静に考えると、これってセクハラ?になるような気がする。
実際、ハードな仕事だし、子育てとの両立は難しいと思うけど。

日本の出生率の低下の原因は、こんなところにもあるのかもしれない。

what is this!!

2006-09-29 14:32:07 | 実習日記
今日は、神経科の専門医であるN先生は体調が悪く、お休み。
専門医の先生がお休みのときは、レジデント(専門医になるための修行中の先生。ちなみに獣医師免許は持っているし、generalistの臨床経験3年、インターン1年を終えている)のH先生が、飼い主さんの了解を得られれば診ています。
だいたいは問題ないのですが、
今日来たのは、いつもにもまして不思議な症例でした。
発作?のように、変な歩き方ををする猫(5歳)。
普段はちょっと腰を落として歩いているというくらいなのですが、発作?になると4本足が全て棒になったようなふらふらな歩き方になる。
神経検査では、微妙な瞳孔の左右不対称とメナスの低下が少しあったけれど、他は異常なし。
ちょうど診察室で発作状態になってくれたので、観察することが出来たのですが、呼べばくるし、意識はある。歩き方はどう見てもおかしい。
私は、小脳の異常かな?と思ったんですが、レジデントの先生は首の異常じゃないかという。うーん。

そして、クッシングの治療中(ミトタン)で心臓も悪くて、腎臓あまりよくなく、17歳!のシーズの斜頚と眼震。
普段より診察の数は少ないものの、こんなときに限って難しい症例が来るんだなぁ。

さらに、今日はテンカンの子の、脳のMRIの予定が入っていて、見に行ったものの、これまた読影が難しい。
レジデントの先生が、MRIの画像をN先生の家にメールで送って意見を聞くことに。そのメールの最後の言葉が「What is this !!」
彼の心の叫びが伝わってくる。
その気持ち、すごい分かるよ。


まとまらないけど

2006-09-27 12:08:17 | 実習日記
朝、入院している動物たちの見回りに行くと、昨日までICUに入院していた19歳のおばあさん猫がいなくなっている。
この子は、もともとテンカンで来院した子で、MRIで脳内にMASSが確認されて、腫瘍か、FIPか、トキソプラズマかというような診断になっていた。
抗テンカン薬で、テンカンはコントロールできていたけれど、歩くことが出来ず入院になっていた。
ごはんは食べれるようになっていたし、もう退院で自宅療養かな。というところだったので、
「家に帰ったの?」と聞くと
「昨日の夜、安楽死になった。」とショッキングな答え・・・
え???
たしかに、19歳だし、脳腫瘍の可能性が一番高いとは思うけれど、ごはん自分で食べてたし、歩けないとはいえ、ほとんど寝ている感じで、特別苦しんでいるとか、そういう状態ではなかった。
どうやら、飼い主さんの意向で、治療費が1300ドルを超えてもだめなら、安楽死という考えがもともとあったらしい。

確かに、specialist hospitalの料金は高い。
初診料だけで230ドル!(専門医が1件1時間かけて診るけど)
小型犬サイズで、入院1日100ドル(24時間看護、獣医も緊急治療ICU専門医が24時間常駐)
ちなみにMRIは、麻酔とか、いろいろ入れて2000ドルくらい。(それをやったのに!?)
そのほか、点滴や、投薬、検査をやれば検査代などがかかってくる。

MRIの所見や、年齢からしても、腫瘍が一番疑われるし、完全な治癒は望めないとは思う。
この先、積極的な外科治療などやらないとしても、それなりにお金はかかってくる。

でも、19年も連れ添った?猫だったら、私だったら家に連れて帰って抗テンカン薬を飲ませながら様子をみると思う。
予後は悪いと思うけれど、少なくとも、ごはんを食べているうちは。テンカンがコントロールできているうちは。

動物に対する考え方の違いなのか、文化の違いなのか分からないけれど、日本では、安楽死を選択する人は少ないように思う。
私のいた病院では、年に3,4件、本当にシビアな状況でというイメージだった。
もちろんカナダでも、そう簡単に安楽死を薦めているわけではないし、しているわけではない。
けれど、安楽死というのがとても身近なんだと思う。

安楽死は英語でeuthanasiaという。発音すると、youth in asia ユースンエイジアと聞こえるが、アジアの若者ではない。
でも、一般的には、あまりに直接的過ぎるので、euthanasiaという言葉は使わず、「put him down」 とか 「put her down」という言い方をする。
楽にしてあげた。とか眠らせてあげた。みたいな感じかな。
最初それが分からず、麻酔のことを言っているのかと思ってしまった。
というのも、最初に、このフレーズを聞いたのが、ホームステイ先の子供からだったから。
小学5年生の女の子だったけれど、友達の家の馬が(家で馬を飼ってるっていうのも驚きだが)安楽死になったけれど、安楽死についてどう思う?という質問をされたのだった。
小学生でも、知っているし、身近に行われた例がある。
そういう環境が、考え方の違いになっているのかな。

何ていったらいいか分からないけれど、
この子の場合、もう少しで退院かなと思っていたのと
結構長い間入院してがんばっているのを見ていただけにショックでした。

おべんと

2006-09-25 16:22:28 | 実習日記
病院の近くには、何も無いため、お昼は、基本的にみんなお弁当を持ってきます。
あ、隣はマクドナルドだった。
でも、カナダの人は、ヘルシー志向なので、あんまりマックを食べている人は見かけない。
何を食べているかと言うと、定番はやっぱりサンドイッチかな。
あとは、昨日の残りのピザとか、パスタ。
だけど、タッパーいっぱいのカッテージチーズとフルーツ
とか、ボウルのような大きなタッパーいっぱいのフルーツヨーグルト。
ひたすらサラダのみ。(ダイエットしているようだが、太っている。原因は絶対おやつ!)
シリアル。
と、健康的なのか、どうなのか?というような、日本人からすると不思議なお弁当がいっぱい。
私は、タッパーいっぱいのカッテージチーズなんて食べれないよ。
コーンフレークだけって、手抜き?
フルーツヨーグルトって、いくらボウルいっぱい分でも、成人男子がそれで足りるのか?
ダイエット中の女子高生みたいだ。
寿司も人気で、近所に店があるらしく(車がないからよくわからないけど)
よく食べている人がいる。
量が半端ないんだけど。
ランチボックスの中に、日本の太巻き1本半くらい分入ってる。
よく食べるなぁ。
などと観察しつつ、私は、昨日の残りのパスタなんかを食べているのだった。

獣医学部志望

2006-09-25 07:15:16 | 実習日記
最近、毎週火曜日には、獣医学部に入りたいという、J君がボランティアに来ます。
彼は、UBCの学生さんで、おじさんが獣医さんで病院も持ってるとのこと。

カナダには、現在オンタリオ、サスカチュワン、プリンスエドワード島、モントリオール大の4校しか獣医学部のある大学がなく、それぞれ、どこの州から何人学生を取るというのが決まっているらしいです。
彼の行きたい大学は、B.C州から8人しか取らないそうで、成績はもちろん、動物病院での経験なども重視されるので、ボランティアを始めることにしたそうです。

ちなみに、カナダでは、獣医学部に高校卒業してから直接入ることはできません。
カレッジで、生物系のコースを終えてからapplyということになるのですが、彼は人間の理学療法学科を2年終えたものの、applyするには生物と数学の単位が足りないとのことで、今は大学3年目、足りない単位の分の授業だけ受けているらしい。
うまくいけば、来年獣医学部に入って、そこから4年のコースが始まるわけだが、だめだったらもう1年ということで、彼の場合、全部で7、8年とかかかることになる。
長い道のりだ。

日本では、獣医大学が確か16校。
それでも少ないなぁと受験するときに思ったものだけど、世界第2位の面積を誇る、この広いカナダでたった4校と思うと、日本でラッキーだったなー。高校から直で入れたし。と思う。

・・・と言ったら、
日本は人口1億3千万人、カナダは3000万人。
人口比率からいくと1/4なんだから、同じじゃない?と言われた。
なるほどー
そう、面積で計算しては、いけないのだ。
こっちでは、よく日本って人口何人?と聞かれる。
人口で、国の大きさや、都市の大きさを判断しているようだ。
ま、それでも日本の獣医学科の方が入りやすい気がするけれど。
どうなのかな。

ボランティアといっても、私と同じでほとんど見学しているだけなのだが、一緒にふらふらしているので、一応獣医だし。と、いろいろ質問される。
彼は、獣医学のことは、まるで知らないので、「この骨何っていうの?」とか聞かれて、
「ううっ・・・、”Kenkoukotsu” in Japanese。」と妙な会話が繰り広げられている。
知ってるけどね、英語がね・・・
いや、あとでちゃんと和英で引いて教えてあげたけどね。
こんなデコボココンビがくっついてまわるのが、最近の火曜日なのでした。


朝いちから・・・

2006-09-22 18:56:35 | 実習日記
朝、病院に行くと、ちょうど廊下でN先生とすれ違った。
「ward(一般入院室)に、ダックスフンドが来てるから、見てきてごらん」というので、あわてて着替えて見に行った。
行くと、どう見ても後駆麻痺のダックスがへたっている。
椎間板かなぁ。と思いつつ神経検査をしていくと、
ん?皮筋反射が首の辺りまで無くなっている。
何回やってみても、やっぱり無い。
カルテを見ると、昨日の夜来た急患で、昨日の夜の記録ではT12、13くらいまであると書いてあるのに。
ということは・・・
「myelomalacia(脊髄軟化症)?」と聞いてみると、「Yes。」
しかも、急速に進行している。
脊髄軟化症というのは、脊髄がだんだん壊死していく病気で、治療法はありません。
首のところにある、呼吸を管理する神経のところまで壊死が進むと、呼吸が出来なくなって死んでしまいます。
意識があるのに呼吸が出来なくなるというのは苦しいので、悲しいですが、そこまで進む前に安楽死をしてあげるというのが、獣医師として唯一のしてあげられること。
N先生が、飼い主さんに電話をかけて、朝一番から、安楽死というダークな1日でした。

セミナー

2006-09-21 15:15:25 | 実習日記
今日は、病院内セミナーがありました。
といっても、近隣のgeneralistの先生が対象らしく、specialist hospitalの先生は誰も来ていなかった。
内容はというと。
外科専門医の先生による、股関節形成不全の手術法について、どういう症例がどういうopeの適応になるかというような内容と、レントゲンをもちよって、画像専門医の先生が読影する。という感じでした。
近隣のgeneralistの先生たちが20人くらい来ていました。
セミナーの方は、スライドがあるから、ついていけるけれど、読影会のほうは、フリートークになってくるし、レントゲンの専門用語が入るので、難しかった。
でも、いろいろ聞けて面白かったです。
そして、いろんな人に話しかけてもらえたのもよかった。
中国系の獣医さんに名刺をもらったけれど、全部中国語で読めない。
バンクーバーは、中国からの移民がすごく多いので、中国語で商売できるんだろうなぁ。
なんと3軒も病院をもっているそうだ。
神経科にも、よく中国系のオーナーが紹介で来るし、お金持ちも多いのかな。
インド系っぽい顔の獣医さんも5人くらい来てたし、カナダは移民の国だなぁと思いました。