ミケ猫の菌星探査機(きのこ日誌)

全力で飛んでく・きのこブログ

どこもかしこも駐車場♪

2015-05-23 23:52:17 | 日記



最初は伊吹に来るために多少は地図を持って回っていたのだけれど

最近は地図はお守りのみにして自分の目に飛び込んでくる情報をもとに

行き場所を決めていることが多い




山でキノコを探しているうちにあっという間に時間が過ぎ、

仕事時間が差し迫ってきてあと1時間で伊吹から出ないといけなくなったとき、

道を挟んで姉川の向こうの集落がふと気になった。

なんとか橋を見つけて向こうの集落にたどりついた

こりゃまた小さな集落だな、ラクダのシャツやモンペなどがたくさん干してあって

人の気配はするが10数軒しかない。

高齢者しかいないのは火を見るより明らかだ。







とある古い民家の軒先で、オレンジ色の箱にいっぱい入ったフキの軸だけが集められたものを

ひとにぎりずつビニール紐でくくっているおばあさんがいた。

さて、聞き取り開始。(このカッコの中は声に出してない私の心のつぶやき)

当然バイタケのことを聞いてみる、おばあさん知らないとのこと。

ではこのへんで山のキノコを利用されたりはなされないですか?と聞くと

シメジやのうてほら…松茸!

松茸採れますか?(松茸が採れるほど地面が貧栄養な場所はこのへんでは見当たらないんだけどな)

昔はよう採れた!そうですよね~昔は…ですよね。

昔は生活上の火を起こすのに松の枝やあの尖った葉にいたるまで

焚付用に奪い合ってみんなで持ち帰った。そんなつんつるてんの松林にしか松茸は生えない。

もうそんな山は日本に存在しないかもしれない、大げさではなくて。




そう言えば石を採掘してるところの下のほうの大久保あたりでなんやしらんけど

ぬるっとしたキノコを採って食べてるって聞いたことがあるなあ、とおばあさんが言い出した。

そーれー!それバイタケ、見たことあります?

ない。

…ですよね。

大久保は前回キノコを探して、さらにバイタケの聞き取りをした集落、

バイタケのことを知ってたおじいさんがいてた場所だ。いきなりぴったりきた。

おばあさんは聞き取りをしてる奥伊吹の甲賀というところで私と出会ったのだが

おばあさん自身はすぐ隣の集落からお嫁に来て甲賀に来て20年くらい(ぜったいうそや、もうちと…)

だと言っていた。大久保からはかなり離れている。




バイタケなあ…そういえばその裏の山(伊吹山)で石を採掘しとるところから

いこうない(細かい)石をたくさん拾てきて、こういう庭にばあっとまくやろ、

そしたらそのまいたところから足の踏み場もないくらいキノコが生えてくるんや、

とおばあさんが言い出した

なんですかそれ?石をまいたら生えてくるキノコなんて聞いたことがない。

そらもう、石(石灰岩)をまいたところから生えてくる不思議なキノコや、と念を押される。

傘のあるキノコですか?と聞くと傘はない、これもぬるっとしたなんや形のないキノコや、と言った。

!!!




こんなところからキノコ?おばあさんの庭。



それ、地衣類かも。地衣類は子嚢菌の仲間のキノコが極小の藍藻類の粒つぶを体に取り込んで、

藍藻類が作った栄養を取り込んで生きている共生体だ。

もしくはイシクラゲ、都会の石を撒いた駐車場からも生える。

見たことありません?水たまりの近くでどろっとしたワカメみたいなのが生えてるのを。

これは光合成はするが細胞に核を持たないラン藻類、植物より細菌類に近い。食べたツワモノもいるが…




おばあさんの話尽きず。

…続く。





おばあちゃん、ありがと










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