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久遠の縁~八犬伝物語~第22話 新規決意

2011-05-22 20:24:50 | 久遠の縁~八犬伝シリーズ~
「玉・・・梓?」
孝が不思議がる。
「まさか・・・親玉の?」
「ついに出たか!!本体は・・・本体はどこにある?」
大輔先生が身構える。この先生はすべてを知っているのだから。
「ついに出たか!!火遁!!」
忠行は喧嘩っ早く熱いせいか、いきなり術を使う。
「ちょ・・・忠行さん?」
孝が向かおうとする。
「効かぬ。」
目の前で止められる。
「何?」
「破!」
十手を取り出す信。
「無駄だといってる!」
「わああ!!」
信が向かおうとすると、強い風が吹き、飛ばされてしまう。
「先輩!!」
「くっ・・」
「今のは挨拶だ。犬ども。私の力を知るといい。」
女生徒が両手を挙げる。
「まずい・・・」
大輔先生が生徒、犬士たちを守ろうとする。
「見せてやるよ。はああ!!」

竜巻のようなものが多目的ホールを動かす。
「止めろ!!」
智香が短剣を取り出す。
気のような、強い力で防ごうとする。
「野本さん!!危険だ!!」
孝も村雨を取り出す。
「おまえ・・・?」
君一人じゃ無理だって!!」
「俺も!!」
荘太も応戦する。
「俺だって力には自信があるっての!!」
文吾が体当たりの姿勢で身構える。
「あんまり、女の子は傷つけたくないけど!」
そのまま向かっていく。
「ええええいい!!」
「うわっ!」
玉梓がよろける。
同時に竜巻の力が弱まってきたのだ。
「今ですね!!よし、私も!!」
大が巻物を出す。
「これで・・・いけますかね?」
巻き物が竜巻を巻き込み、それは女生徒にも巻きついた。
「くっ・・何を。」
「あんまり好きじゃないですがね。このやり方は。」
大が巻き物を引っ張る。
「あああ!!・・お、おまえは・・・あの一角の?」
「え?」
大の動きが止まる。
「まあ・・・いい。破!」
「大先輩!!」
孝が受け止める。
「だ、大丈夫だよ。ありがとう・・・一角?それって・・・」
「そのうちわかるだろう。・・・今度は家来どもを倒してからだな・・」
ふわ、っと玉梓の怨霊が宙を舞い、消えてしまう。
「あっ・・・玉梓!!おまえはいったいどこに隠れているんだ!!」
大輔先生が聞く。
「・・・答えるまでも・・・ないさ!!」

ふっと消えてしまった。

「あいつ・・・いったいなんのために?」
「一角・・まさか玉梓が関わっている?」
大がつぶやく。

「野本さん・・?大丈夫?」
「許さない・・」
「え?」
「神聖な舞台を汚した!!もういい!お前らと協力してやる!!なんとしてでも玉梓?を倒してやる!!犬士になってやるよ!!」
ずい、と顔を孝に近づける。
「・・・え??一緒に戦ってくれるの?」
孝の表情が明るくなる。
「・・・ああ。」

「よかったー!!7人目!!」
孝が智香の肩を揺らす。
「ばか!!気安く触るな!!」

そのとき。
ふっ、と時間が戻る。
生徒たちがざわつく。
「え・・・?孝!なにしてるの!!!!」
路香も気づいたようだ。
「あ・・・いや・・・」
「もう、なんなの!!」
「路香!これは違う!!」
忠行が何故か制止する。普段はやらないのに・・
「うーん・・・なんという展開に。」
「そこの奴。聞こえている。」
智香が文吾を見る。
「え・・・ごめん。」
「ったく・・・わけわからん。あいつ。」
あいつとは、孝のことか?

「なんだ、意外にかわいいんだ・・・」
文吾が誰にも聞こえないようにつぶやく。


そのころ。
「・・・もう、あの手段しかない。礼門家の恨み・・・忘れちゃいないよ。」

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