夏喜のものろーぐのべる。

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久遠の縁~八犬伝物語~第41話最終活劇向敵

2013-05-09 09:28:24 | 久遠の縁~八犬伝シリーズ~
「どうしよう…」

孝はかなり混乱している。
路香に取りついた玉梓に手を出せない。

「なんとかして、追い払う方法はないのかよ!」
「やってみるしかないのか?」
「何を言っている!」

パン!

という何かが破裂した音。
既に塀が割れていた。

「どうするよ…」
「とりあえずは、みんなに連絡を」
「頼む!ここは俺が。」

「何をしている!」

バン!
さっきより大きな音。触れてもいないのに周りの塀は壊れていた。

「路香…お願いだから戻ってくれ…」
「無駄だ。心は既に私のものだ」

「そんな…」
「これで終わりだ!」

「させるかよ!」
十手を振りかざしたのは、信だった。

「信先輩!」
「間に合ったか!とりあえずは元に戻さないとな!」
「私もいますよ!破!」

大が経文を使い、路香を縛る。
「くっ…」
「今日は、自習でしたので」
「大先輩…」
「みんなすぐに追い付くよ!」
陰で電話していた荘太が出てきた。

「こうなれば、」

経文で縛られた路香、もとい玉梓は逃げられない。

「孝!」

いきなり声色が変わる。
「え?」
路香のいつもの声だ。

「痛いよ…孝」
「路香!」

孝は近寄る。

「破!」

強い風が孝に当たる。

「うっ!」
地面に叩きつけられた。
「孝!騙されるな!」
「そうですよ!今は玉梓が取りついているのですから!」

「路香…」

「しょうがないですね」

ぐっ、と首を絞めるような音がする。

「俺はあまり好まないぞ」

その声…

文太、親太朗だった。