夏喜のものろーぐのべる。

清道夏喜が書く謎の小説置き場です。
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怪盗パール&ルビイ 中学生編 双子の災難 3話

2008-10-20 14:13:05 | 怪盗パール&ルビイ
波乱?の入学式から3日経過し。
友香にはほとんど会えない亜季だった。
が、新しい友人、莉羅と真奈と楽しんでいるようだった。

「へー、中学生で両思いなんてうらやましいよ。」
「いや・・・それは・・」
亜季は顔を真っ赤にしている。
「でもねー、ほんと二人はラブラブなんだよ。一緒によく帰ってるし、休みも遊んでるみたい。」
「真奈!!」
「そうなの??いやー、それはうらやましいわ。」
真奈、意外におしゃべりだった・・・

「でも!それより二人はどうなの?」
「「これから」」
はもった。

「そ、そっかああ・・・」
何もいえなくなってしまった。


そのころ。
「超能力?」
6組では、友香と、新しい友人の沙羅が話していた。
「うん・・・一応出来るみたい。これのおかげで。」
そういうと沙羅は、手のひらサイズの黒い水晶をかばんから出した。
「これは??」
「願いをかなえてくれる玉・・・というか、このおかげで超能力みたいなものが使えるみたい。小さいときから、ずっと。」
「じゃあ、昔から使えたってことなんだ??すごー。」
「ま、まあね。」
表情をほとんど変えない沙羅。
不思議な印象もあった。それが友香にとって少し気になったのかもしれない。
「力が使えるって、どんなときに?」
友香は気になって、座っていた席から身を乗り出した。
「そうねえ・・・これから、わかるかもしれない。」
「え?」

一方、4組では。
「ねー、みんなのとこ遊びに行こう。」
真奈が亜季に催促をする。
「みんなって?」
「めぐちゃんやー、友香ちゃんとか。」
めぐちゃんとは、恵のことである。怪盗では、散々な目に遭ったが・・・今では大丈夫みたいである。
「うん、わかった。」
莉羅は職員室に行ってるようなので、二人で行ってしまった・・・

「あ!亜季ちゃんに真奈ちゃん!久しぶり!!」
「友香ちゃん!」
亜季の顔が明るくなる。ぜんぜん会っていなかったので。
「どう・・・も・・・」
その後ろから沙羅が言う。
「誰?」
「あ、結城沙羅ちゃん。6組友達だよー。」
「よろしく・・・」
ぼそぼそと言う沙羅。
「よ、よろしくね!」
亜季は少し、体が引いてしまった。

何か、変なオーラを持っているみたいだったので。

「超!いい子なんでー。」
友香が言う。
「そうなんだー。よろしくです。」
真奈は感じてないのか?

「どうも・・・」
亜季は気になった。
この子には・・・何かありそうな予感がする。ということを。




「亜季!帰ろう。」
「うん!」
正門の近くで、博と待ち合わせをした亜季。

「どうした?なんか疲れているみたいだけど。」
「だ、大丈夫!!ぜんぜん。」
歩きながら亜季の顔をじっと見る博。
「本当か?入学式とか色々あって疲れてないか?まあ、俺もだけど。」
「そう?」
「うん、やっぱほかの小学校の人もいるし、緊張するって。」
「そうだよね・・・」
「やっぱ元気ないようだけど、大丈夫か?ほんと。」
「うん、平気!!」
「そうか・・・」

博にまで迷惑はかけられない。
この予感が、当たらなければいい。

あの沙羅って子、なんか怪しい。
そう思わずにはいられない亜季だった。

怪盗パール&ルビイ 中学生編 双子の災難 2話

2008-10-16 13:50:33 | 怪盗パール&ルビイ
昇降口には、たくさんの人であふれていた。
親と一緒に来ている人、友達と話している人・・・さまざまで。

「どこだろ・・・」

亜季は、自分のクラスを探した。
「あ!!」
4組。8組の中で・・・真ん中。
「友香ちゃんは・・・?」
亜季は必死で探す。
「ふ、ふざけんなー!」

少しだけ大きな声でつい、言ってしまった。
6組だった。
そんなに離れていないと、思ったけど・・・
4組は2階、6組は3階なのだった・・・
「そんなに会えないかもお・・・」
がっくりしているところで、声をかけてきたのは・・・」
「あ!!」
「亜季ちゃん!!」
真奈だった。一時期は怪盗関係で敵でもあったけど、本人はそんなに気にしていないようだった。
「一緒のクラスだよー!」
「え?」
よく、4組の紙を見ると・・・書いてあった。一緒のクラスだ。
なら、安心か。
「よかった!!知ってる子がいて真奈安心!」
「私も!!」
なんとか大丈夫ではないのか、なんて思ってしまった亜季だった。

「あのう・・・4組ですか?」
「え?」
後ろから声をかけてきた女の子がいた。
「私も4組です!橘莉羅っていいます。」

たちばな りら・・・?
聞いたことがない。
「どこの小学校?」
「あ、私中学からここなんだ。だから隣の市。」
「そっかそっか、私は黒丘亜季っていいます。」
「木之本真奈っていいますー。よろしく。」
「よろしくー。」
髪のながい、綺麗な顔立ちをした女の子だった。

そして、友香のほうはというと・・・
「ほー、6組か。」
「あなた・・」
「え?」
友香も後ろから声をかけられた。
「私も6組で、結城沙羅っていいます。よろしく・・・」
「よ、よろしく・・」
髪が青がかっている、不思議な女の子だった。
でも、笑顔はかわいい。なんて思った友香だった。

この二人が、波乱を起こす引き金だったのかもしれない。

「あ、そういえば・・・」
めでたく恋人になった博君は・・・3組だった。
「隣だ。」
「でもー、体育は一緒みたいだよ。たぶん。」
2組合同で体育を行うことは、事前に聞いていた。
「そっかー、よかった。」
亜季の顔が明るくなる。
「何?恋人とか?」
乱入して莉羅も話す。
「そうなんですよー。」
「真奈!!」
「いいじゃーん、教えて。」
軽いノリの莉羅。小学校時代にはいなかった子かもしれない。

「沙羅ちゃんって、どこの小学校?」
「北だけど・・・」
「そっかー、隣の。」
「うん・・・」

友香も、この新しい友人についていけるのだろうか・・・??

怪盗パール&ルビイ 中学生編 双子の災難 1話

2008-10-13 14:14:52 | 怪盗パール&ルビイ
幸せな日々があって。
もう、夢なんじゃないかって思った。

けど、私はここにいて。

まさか、怪盗をやっていたなんて思わなかった。でも、そのおかげで幸せになった。
友香ちゃんがいて、博君がいて。
まだまだ、幸せが続きますように。
そして・・・怪盗はどうなるのかなあ。


早く大人になりたい、なんて思わない。
まだ、時を刻んで生きたい。
一番中学生は成長する時期なんていうけど、子供のままでいたいです。なんて、わがままですか??

ゆっくり刻めばいい・・・
それでもいいですか??


4月。

入学式の朝。
チェックの赤いリボン、スカート。紺のブレザー。
この近辺でも制服がかわいい学校で有名だ。

「クラス・・・どうなるかなあ。」
亜季はそんな気分で、新しい学校へ向かう。新しい生活の幕開けである。

怪盗をやっていた自分なんて、想像もつかなかったけど。
あの後、博とは両思いになって、毎日幸せだったらしい。友香は、そんな二人を見るのが好きだった。

「はあ・・・」
が、8クラスもあるマンモス校。友香とまた一緒のクラスになるのは難しい。




「ここかあ・・・。会えるかな、あの子に。」

「・・・会いたくない。」

怪盗再び目覚めるのか??
また、悩みが増える生活になりそうなのだった。
そのころ友香は・・・


「はあ~。」
あくびなんぞしながら、のんきに中学校に向かっていた。

あとがき。。。

2008-10-10 16:54:49 | じこしょうかい。
ひっさびさにあとがき書きます。夏喜です☆

もうめちゃめちゃですよね小説・・・;;

昔書いていた漫画の焼き直しで「パール&ルビイ」書いて・・・これは、個人的にものすごく大切な作品ですので、ちょっと愛が強すぎますね・・・;;亜季に(え)
ですが、またものろーぐのべるも書きました!!これは実際あったらすごいなー、なんて思ったことをつらつら書いてみました。

そして、続編!!
姫乃が2年になって、先生が出てきて。無理に終わらせましたね。すみません;
先生を出したのは、自分が教育実習を経験したから、というよくわからない理由で出しました。あと、2代目の話がなかったので。初代は番外編で書きましたし。
田辺は相変わらず姫さん好きなんだなー、と感じて。茜は自由人で(笑)
4代目がついに登場しました!!モデルいます←
道化が男??という話ですが、まだまだ続きますよ。。。

紳士、という形で出す予定です。
菊名君の今後の活躍を書くのが、本人としても楽しみであり、田辺と姫乃はどうなるのか・・・とも考えたり。
あと、ほかの怪盗ものもありますし・・・どう書いていくかはまだ迷ってます;;

たぶん、「パール&ルビイ」の中1編を書いてから紳士シリーズを書きますかね;;
月4くらいしか更新できないと思いますが;;
限界まで、書きます!!是非是非。

それでは、つたなすぎる文章に付き合ってくださり、本当に感謝です。
ありがとうございました。

夏喜 拝

~白波道化~ 続編? 4代目は誰? 最終幕

2008-10-10 16:34:33 | ~白波道化~
追い詰めた場所は・・・体育館の通路。
暗い場所で、ほとんど人はいないマイナーな場所でもある。

「けっ・・なんなんだよ!!」
「なめてかかるなよ!」
そう言うと田辺は栗沢に向かって走る。

「何?」
がし、と腕をつかむ。
「おまえがやっていることは犯罪なんだよ!!おとなしく捕まって・・・」
「うるせえ!!イライラするんだよ!何が道化だ!!」

近くで姫乃、茜、先生が見ている。

「どうしよう・・・」
姫乃は体が動かない。茜は先生と一緒にいる。

「もう・・・」
動かないと。3代目。やらないと!!

「もう・・・やめて。人を困らせて何が楽しいの?」
「はあ?」
姫乃は栗沢に近づいた。

「いい加減にしな。犯罪ってことは、道化でも裁けないことがあるってことを・・・」
「学校単位で窃盗をもみけしていてもか?」
「知っている。」

この学校は、田辺の姉がいたころから治安は悪かった。
が、ネームバリューのある学校としても有名だったせいか、その人気を保つために事件を何度ももみ消している、ということは何人かの生徒は知っていたことだった。もちろん、それは入学してから知る話だが・・・

「けど・・・けどやったことは犯罪。それに理由が何?先生がむかつくからって。子供?」
「・・・ああ、そうだよ。大人には抵抗できない。だからこうして・・・」


「ざけんな。」
「はあ?」

「ふざけんじゃねえよ!」
姫乃が出したこともないような大声で怒鳴る。田辺は驚いた。
「あんたがやっていることは犯罪。それがわからないやつらがこの学校で大変なことをしているんだよ!!思い知りな!!」

「あ・・・あ・・・」
栗沢は驚いて、固まっている。
「うっそお・・・」
茜も驚いて、姫乃を見ている。
「舞・・・咲さん?」

「先生・・・いたのかよ!!」
栗沢はやっと気づいたようだ。
「俺は・・・」
目はにらんでいる。が、口から何か発したいようだ。

「・・・犯罪・・・か。」
ぽつりと言う。
「そ、そうよ。栗沢君。お願いだからもうこんなことは・・・」

「あーあ。ここまで言われたら、今後道化に何をされるかわかんねーよな。」
袋を地面に投げる。
「え?おまえ・・・」
つかんでいた腕を放す田辺。
「ったく・・・この学校の道化の信仰はすげーな。ここまで効くなんて。・・・悪かったよ。・・・でも、俺は誰かに言うつもりはねえ。ここでやめにするよ。」

「本当にか?」
田辺がじっと栗沢の目を見る。
「見つめるんじゃねーよ。・・・たく・・・やってられなくなった。」
そう言って栗沢は帰ろうとする。
「待って。」
先生が声をかける。
「なんだよ?」

「もう・・・こんなことはしないでね。」
「わかってる。」

そう言って栗沢は帰ってしまった。

「怒鳴った効果?これ・・・」
茜が姫乃に近づく。
「先輩・・・そうなのでしょうか?」
姫乃も何が起こったかわからないようだ。
「ま、いいんじゃねーの。」
田辺が袋を拾う。
「まあ、・・なんとか盗難事件は解決、でしょうか。・・・ありがとう、舞咲さ・・・道化さんたち。」
「い、いいえ・・・」
「もう・・・しないよね、きっと。」
先生はほっとしている。安堵の表情だ。
「先生・・・でももうすぐ。」
「実習期間は終了。あさってで終わり。」
「早い・・・ですね。」
茜が言う。
「そうね・・・でも、道化にあえて、幸せだった。私、もっともっとがんばって、ほんとの教師になるから。・・・」
「先生・・・」
姫乃は、振り回されたけれども、先生が好きになった・・・のかもしれない。

「あ、俺そろそろ予備校だ。じゃ、行くね姫さん。」
「は、はい!!」
「電話・・・するし。」
「はい!!」
そう言うと田辺は資料室に戻った。
「あ・・・もしや二人って。」
先生が気づく。
「はい、そうですよ。」
茜が笑いながら答える。
「あ、先輩!!」

「お幸せに。道化コンビ。」


そして・・・3月。

「先輩・・・私、道化ではなく、あの子のパートナーになります!!まだ、道化続けたいんです!!」
「ええ!?」

4代目の話。3代目の未来は、まだ始まったばかり・・・

完。

~白波道化~ 続編?4代目は誰? 9幕

2008-10-09 14:17:19 | ~白波道化~
「助けるって?どうやって?」
「聞いてくれる?実習生じゃ出来ないこともあるの・・・」
「大変なんですね。」
田辺、茜、姫乃は座り、話を聞く。それにつられて先生も座っていた。

「えっと・・・私が担当しているクラスの、A組なんだけど、盗難が一番激しくて・・・みんな怯えているみたい。けど、犯人はわかっているの。B組の栗沢って生徒。あの子はクラスを牛耳っているみたいで、けど私は一度説得したの。・・聞かなかった。でも、この学校は道化のことを崇拝している。だから聞いてくれるかもと思って・・・」

「そういえば・・・南館の中でも盗難は多いクラスってありました。」
姫乃が気づく。
「そうなのか?俺たちは北館だし、ぜんぜんそんなのないから・・・」
「だよねー、そんなひどかったなんて。」
「先生たちも信用ならない。実習生だからって触れていけないことがあるの?って思ったわよ・・・」
先生はうつむき加減になった。
「わかりました・・・今回かなり例外ですが、やってやりますよ!!ね、先輩。」
姫乃が立ち上がり、気合十分である。
「そうだな、これはかなりまずい問題だし、やるしかないよな!」
田辺も立ち上がる。

「ありがとう・・・もちろん、正体は言わない。私の一生の秘密にするから。」
心なしか、かなり嬉しそうである。
「よし、がんばってよ2人とも。」
「え、茜先輩は助けてくれないんですか??」
「私は見ているだけよー、ま、作戦考えてもいいけど。」
「先輩ー、久々にお願いしますよ。」
「はいはい、でも、この先生の力も必要だと思いますけど。」
そういって茜が先生を見た。
「え?私も?」
「もちろんです。先生の力も、大事です。」
「はあ・・・」

次の日になった。決行は今日。


「はあ、はあ・・・」
栗沢が袋を持ち、教室のあたりをうろついている。周りに生徒は誰もいない。部活に行ってしまったのだ。
静かな南館。これぞ絶好の機会と思ったのか。

カチャ。
ロッカーの鍵を開ける。その中から財布、教科書を袋の中に入れていく。
「俺は・・・有名になっているんだ・・・」
はあはあ言いながら袋を閉め、ロッカーを閉めたときだった。


「あなたね、連続盗難の犯人は。」
「おまえは・・・」
階段を上ってきたのは、道化だった。(2人)
「おまえは・・・黒の道化か?」
「ああ。お前の悪事見たり。その袋を返してもらう。」
田辺が言う。
「なんだよ・・・簡単に渡すかよ!」
そういって逃げようとする栗沢。
「待て!!」
が、袋はかなり重い。足も次第に遅くなる。
「逃がすか!!」
田辺が全力で走る。
「あ・・・」
姫乃は見失わないように後を追う。その後に先生と茜が続く。
「速い・・・田辺君・・・」
「まあ、あいつは運動神経いいですから。」
「さすが、道化のパートナー。」

なんとか南館のはしまで追い込んだ田辺。
「あ・・・」
「逃げられると思うな。・・どうして盗みなんて?」

「あいつを困らせるためだよ!実習生たちを!!」
「はあ?」
「実習生の北野っているだろう?その変な先生を困らせるためだ!!実習生はいろんなことに神経を使うからな。・・・気に食わないんだよ!!あと、国語のあの女も!」


「え・・・?」

後ろで先生が聞いていた。
「オドオドして、授業わかんねーし、こいつもついでに困らせたかったんだよ!あいつは道化に入れ込んでいたみたいだし、道化を苦しませるためでもあったんだよ!!」

バタン!
非常口の階段を開ける。そのまま降りる栗沢。
「待て!!」
田辺が追いかける。

「先生?」
姫乃は止まり、先生のところへ向かう。
「・・・私のせい?」
「先生・・・それは。」

「私のせいなの?・・・道化に入れ込んだから?そんな・・・」
先生の体は震えていた。
「そんなことないです!生徒との交流の一環でもあったんですよね?」
茜も言う。
「でも・・・私は。」

「違います!!道化は大切なんです!」
姫乃が大声で言う。
「舞咲さん?」
顔を上げる先生。
「この学校には代々必要なんです!それを気になるのは当然だと思います。今まで入れ込む人だってもっといたはずです。それを否定するあの人は許せません。・・・先生は間違ってないです。それに、3代目として・・・嬉しいです。先生。」
最初は怖かったけど・・・でも、先生は道化にあこがれていたんだ。そう考えて姫乃だった。
「そうです!!とにかく今は追いかけましょう!先生は絶対悪くないです。信じてください。」

「・・・生徒に救われたのね、私。」
少しだけ出ていた涙をぬぐう。
今は、栗沢を止めないと。


「栗沢・・・もう逃げられないぞ。」
田辺が追い詰めた。
「くっ・・」

「いた!!」
姫乃も追い上げた。

「絶対好きにはさせないから!!」

~白波道化~ 続編? 4代目は誰? 8幕

2008-10-03 18:05:01 | ~白波道化~
「やっぱり・・・」
菊名を見ていた人は、瞳先生だった。
「何か関係あるんじゃないの・・」
ぼそぼそ言いながら、先生は資料室に近づいていった。

そろり、そろりと近づいて・・・

「よかったー、あの先生じゃなくて。」
「確かに、ちょっと危なかったし。」
「ま、とにかく着替えよう・・・」
姫乃たちはほっとして、着替えに入る。

「ねえ、待って。」
「「え?」」
「いつもあんたたち、一緒に着替えているの?」
「あ、ちゃんと離れて着替えてますよ。」
「大丈夫だって。別に何もしてないから。」
田辺がきっぱり言うと、茜の表情が変わった。
「あんた何言ってるの!乙女の近くでよく出来るなそんなこと!」
「いや・・・ねえ。」
「は、はい?」
姫乃は気付いていないようだ。

「あんたたち・・・いい関係なのね。」
茜がからかうように姫乃の頭をなでる。
「え・・・そんな・・・」
姫乃の顔が真っ赤である。
「今日は見張ってるから。まったく、変なことしないでよ。」
「いつもしてねーし!」

着替えて化粧も終わり、帰ろうとした・・・ときだった。

コン、コン。
「え?誰?」
「まさかあの先生とか?」
「あ、ありえる?」

「あなたたち、何やってるの?」

やっぱり。

「「「えええー」」」

一斉に3人がパニックになる。
「もう、入るから。」


ガラリ。
いかにもまずい顔をした3人がいた。

「舞咲・・・さん?に、さっきの・・・あと、君は3年?上履きの色・・・」
「あ、はい。」
田辺が普通に返す。
「ちょ、何普通に返してるの!」
すかさず茜が言う。
「もしかして・・・今の道化が・・・?あなたたちなの?」


まずい。
もうばれた。


ピンチ、だと思ったが・・・

「すごーい!!」
「「「ええ??」」」
瞳先生はいきなり3人に近づく。
「すごいすごい!!道化が目の前に!!あの伝説の救世主が目の前にいるなんて!」
興奮しながら姫乃の手を握る。
「ええ・・・はあ・・・」
「舞咲さんだったんだね。」
「あ、あのう!!このことは秘密にしてください!誰にも言わないでください!」
やや涙目になりながら姫乃が言う。
「わかってる。さすがにこのことは誰にも言えないって。約束する。」
「あ、ありがとうございます!!」
「ありがとう・・・先生。」
「君は・・・パートナー?道化には必ずいるっていう。」
田辺をじっと見ながら先生が言う。
「あ・・・はい。」
「すっごーい。目の前で2人も道化sが見られるなんて。」
「あ・・・まあ・・・」
田辺、多少困惑気味である。

「にしても・・・目の前で道化が・・・あの伝説が。」
「伝説?」
「多少、大げさではないですか?」
茜が首をひねる。
「いいえ、道化は正体不明のヒーローだった。今よりこの学校は治安が悪くて、かなり窃盗事件が多かったの。でも、それを一発で解決してくれるヒーロー、黒の道化。ほんと、高校生の時一目見たかった・・・」
少し先生がトリップしている。目が輝いていた・・・

「で。先生は3代目を知りたくなったんですね。」
茜が言う。
「まあ・・・ね。でも会えて嬉しい!!」
「はあ・・・」

この先生、単なる自分の好奇心だけで行動しているのがすごい・・・と姫乃は少し冷静な目で見た。
「で、道化。お願いがあるんだけど。」
「いきなりですか?」
「せっかく会えたし・・・それに、1つのクラスを救うって思ってよ。」
「何かあったんですか?」
田辺も茜も、先生に近づく。

「1年生のクラスを・・・助けて欲しいの。」

~白波道化~ 続編?4代目は誰? 7幕

2008-10-02 14:33:05 | ~白波道化~
「これって・・・」
「先生か?」
「まずいなあ・・・でも、もうよくない?実習もすぐ終わるし」
「「よくないだろ!!」」


「どうぞー。」

「「ええーーー!!」」

茜に振り回された。いつものことかもしれないが・・

ガラ。


「菊名君?」
「・・・はい。」
そこには、4代目道化候補の菊名がいた。ジャージ姿で。
「どうしたの?」
「あの・・・先輩方も。」
「え?」
二人は、衣装のままだった。
「あ・・・ちょうど終わったころで。」
「今休憩中で・・・ちょっと話し、いいですか?」
「あ、ああ・・・」
「座って。」
「ねえ、誰?」

「あ、私たちが探していた、4代目候補の菊名君です。1年生、演劇部です。」
姫乃が紹介する。
「初めまして。えっと・・・?」
「道化を・・・サポートっていうのかな?3年でーす。茜先輩でいいから。」
「はい、よろしくお願いします。」
菊名な丁寧に挨拶をすると、資料室にあったパイプいすに座る。
「で・・・話って?」

「僕・・・やります!道化。」

「「「えええ!!!」」」
3人がはもった。

「色々考えましたが・・・道化のことを知って、気になって・・・で、大会が終わってからでもいいですか?1年でちゃんと出たいんです。」
「うん、ありがとう!!」
姫乃はおもわず、菊名の手を握る。
「あ・・・はい。」
菊名が顔を赤らめた。
「ま、よろしくね、菊名君。」
二人を怖い目で見る田辺。
「あ、ごめん・・・」
「いいえ・・・」
二人はドキドキしていた。

「ま、いいってことね。4代目が早くも見つかるなんて。」
茜が割り込み、変な空気はおさまった。
「はい、あ・・・僕休憩終わるので、いったん失礼します。姫乃先輩も、また部活に来てください。」
「もちろん、手伝うよ!!」
姫乃は一応演劇部の手伝いである。
「では。」

ガラ。
「よかった・・・」
姫乃がほっとする。
「まったく、こっそり4代目を探していたとは・・・久々に来たら話が進んでいたから驚いたよ。」
「す、すみません・・・」
「でも!成長したな、姫乃。」
「そうだな。」
「はい!!」
茜、田辺も嬉しそうである。

が、まだごたごたは終わってなかった。


階段の近くには、まだ人がいたのだった。