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久遠の縁~八犬伝物語~第24話 真偽崩壊

2011-05-31 22:09:51 | 久遠の縁~八犬伝シリーズ~
「この状況で仲間は来るかねえ?まあ、力をいただいた私相手にかなうのか・・」
「力?どういうことだ・・?」
「考えることだな!!」

バン!!
「うっ!!」
勢いよくドアに突き飛ばされた大。
「もちろん、時間は止めたよ。邪魔者が入ると面倒だからな。今日で決着を・・・」
「つけて俺たちが勝利する!!」

勢いよく叫んだ後。
「開けますよ!!大先輩!!」
「孝くん!!」

ドアを開け、村雨を持った孝が現れた。
「痣が反応したんですよ。残念でしたね、先生。」
「どうも肩が凝ると思ったら・・・これか。本当にしつこいなあ。」
後ろには忠行、荘太、信、文吾、それに智香もいた。
「見事に皆さん・・・集まったんですね!!」
「この先生は神聖な舞台を汚した。だから許さない。」
短刀をかざし、智香は言う。
「みんな先生には飽き飽きですよ!!」
「信先輩・・・本当のことを・・・」
荘太がつぶやく。
「とにかく、やるしかないですね!!」
大は再び経を出す。
「くっ・・・だが、ここまでだ!!」

「うわっ!!」
全員の目の前には、大きな角を持った牛がいる。
「ここ・・・国語科研究室だよな?」
文吾の顔が引きつる。
「なんで・・・?」
信もあっけにとられている。
「でも・・・これは斬らないと!!」
孝が向かっていく。
「待ってください!!危険です!!」
大が言うが、そのまま孝はムカていった。

ドオン!!
「うわっ!!」
そのまま牛に突き飛ばされてしまう。
「あの牛を・・・なんとかしないと・・・」
「燃やすか・・・?火遁!!」

「何!?」
忠行はそのまま術を使う・・
「牛肉にするつもりか?」
文吾はなぜか楽しそう。
「面白い!!なら、こっちも!!」
船田はそのまま牛を突進させようとする。
「お前らも焼かれるがいい!!」
術のままに、牛は犬士たちに向かって突進する。
「いや・・・させない!!」

「大先輩!!」
大が楯になり、経を出す。
「俺だって!!」
そのまま火遁を使う忠行。

「はああ!!」
大が経で縛った後、牛は方向転換した。
つまりは・・・船田に向かっていったのだ。

「何?と、止まれ!!」
「先生。本当は優しいんじゃない?」
「なんだと?」
「玉梓がいかに凶悪なのか、確かめさせてもらいますよ!!」
孝は村雨をかざし、船田の前で振る。
飛沫をあげ、船田に降り注がれる。
「こんな力も・・・あるんだなあ。」

「うわああ!!」
牛はそのまま船田に突進し、窓ガラスが割れる直前まで、体が押しつぶされる。

「くっ・・・うう・・・」
「玉梓は何の目的で?黒幕はどこにいるんだ?」
孝が聞く。
「はっ・・・あの方は最強なんだよ。それに・・・息子に命乞いしても無駄だったみたいだな。」
「・・・息子だなんて・・・思ったこともないですから・・・」
うつむく大。
「まあ・・いいだろう・・・」
「馬加・・・あいつも仲間なんだろ?」
「ああ・・お前は・・」
智香がぐったりしている船田に近づこうとする。
「そうなんだろ?」
「野本さん?」

「まあ・・・な・・・でも、もう私の出番はここまでか。見てろよ犬士ども・・・この世界はいずれ、玉梓のもとに・・・」

ふっ、と船田も、牛も消えてしまった。

「え?消えた?」
荘太が辺りを見回す。
「でも・・・これで一人は田のしたことになるのかな・・・」
「やったぜ!あとは残りの一人を・・・」

「愚かな奴らだ。」
「え?」
研究室一面に声が響く。

「やはり使えなかったか・・・無駄なことをしたなあ。」


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