夢屋だより

那須高原・古民家のカフェ夢屋より、カフェの新着情報・染め織りの記録、その他つれづれ日記などをupします。

鈴木さんは悪くない。

2007年10月21日 | ゆるゆる日記

悲劇です。

ロミオとジュリエットも真っ青の悲劇です。

あ~やってしまった・・・。

数学の定期テストで、微分する問題を全部積分してしまったときも、これほどのショックはありませんでした。

(なぜならそこができたとしても、元々救いようのない点数だからです。)

でも、なんか解けないな~とは思ったんですよ。(バカ~)

ま、それはいいとして・・・。

英検準2級の試験があったんですね今日。

全然勉強していませんでしたし、撃沈覚悟で試験に臨んだ雀さん。

「ふっ、どうにでもなれ~ぃ」

意外や意外、なにげに分かるような感じのしないでもない筆記問題でした。

「あれっ、これもしかすると、もしかするんじゃないの?」

耳にだけは自信のある雀さんは、最後のリスニング問題でスパートをかけます。

それは、敗戦一色の選挙事務所に、ライバルの裏金発覚の一報が入った時のような、

遅れて入ったバーゲン会場で、事前に目をつけていた商品が残っていた時のような、

そんな希望の光が、雀の眼前に差し込んで来たのです。

「こ、これは・・・いける!(かな?)」

一問、また一問と問題は読まれていきます。

これも・・・これも分かる。

いや、待てよ。なにか変だ。何かがおかしい。

時計を見やった雀さんは凍り付きました。

残り二問ほどなのにもう終了数分前。

なにが起きたか解説しましょう。

普段雀の受ける進研模試は、最初の方にリスニングがあります。

リスニングを受けてから、筆記に入るんですね。

なので雀さんはいつも、万全を期すためにリスニングでは一度問題用紙に印をつけ、すべての問題の放送が終わった後に、改めて見直しながら解答用紙へ書き込んでいました。

当然、大切な英検で、唯一の強みリスニングで、やらないわけはございません。

もうお分かりでしょうか。

解答書き込む時間がな~い!な~い!な~い!・・・

それはもう、必死で書き込みました。

しかし、時既に遅し。

選挙区は他のライバルに取られてしまったのです。

狙っていたバーゲン品は、入手目前にして隣町の鈴木さんにかっさらわれたのです。

お分かりいただけますか、この無情。この敗北感。

一度希望をちらつかせておきながら、すんでの所でとりあげるのです。

そういうヤツなんですよ運命は。

そういえば昨日の夜、ER(救急病棟を舞台にしたアメリカのTVドラマ)を見ました。

そこで、神経質な研修医が薬品の量を何度もチェックしていて患者を死なせかける、という場面がありました。

ベテラン女医「早く!なにしてるの?!」

研修医「でも僕はいつも、4回確認するんです!」

うわぁ・・・ダメだなコイツ、と雀さん。

その昨夜の心の声が、回収されてゆく試験用紙を見送る雀の耳に、いつまでもいつまでも木霊していたのでした。


頑張れ宿の人。

2007年10月20日 | 舞台・映画話

文楽の地方公演が宇都宮へやってきました。

人形浄瑠璃はぜひ生で観たかったですし、なんとたったの三千円。

うれしいですね~。

演目は『伊達娘恋緋鹿子』と『生写朝顔話』でした。

やっぱりすごいです。

何なんでしょうね。

絶対に人形なんですけど、そうは思えなくなってきます。

ある意味、人間より人間らしい動きと言いますか。

一体の人形は、主遣い(右腕と頭)、左遣い(左腕)、足遣い(足)の、三人で動かしています。

でも、とても三人で動かしているとは思えないほどの一体感。

すごいですね~。

観ていると動かしている人は見えなくなります。

男性しかできず、長い経験が必要なので、娘役の主遣いがお爺さん、ということになるのですが、変ではないんですよ。

あれ、無表情だから気にならないのでしょうか。

もし後ろで感情移入のあまりすごい表情してたら、きっとものすごく気になりますよね。

役の喜怒哀楽とは一線を画すといいますか、「俺の仕事は演技じゃなくて、人形に命を吹き込むことだぜ。」という感じでやっていらっしゃるように思います。

でも、劇の状況と無関係なその冷静さがけっこう面白いです。

『生写朝顔話』では最後、主人公の盲目な娘「朝顔」が、生き別れた恋人を追いかける場面があります。

修羅場ですね。

朝顔はすんでのところで恋人と行き違いになったことを知り、後を追います。

髪を振り乱し、必死に走る朝顔。

冷静な顔の主遣い。

危ないから!と止めに入った宿の人をはね飛ばす朝顔。

それでも冷静な主遣い。

なんかすごく痛そうな宿の人。

こっちも冷静な主遣い。

増水した川に阻まれ、怒り狂う朝顔。

やっぱり冷静な主遣い。

絶対に楽しみ方間違っています。

間違っていますが、この対照的な感じはかなり面白いです。

本来感情のある人間が控え、人形があたかも感情があるように動く。

二度手間なのにあえて人形でやる所に面白さがあるのでしょうか。

文楽のすごさは人形遣いだけではありません。

太夫の魅力はもう書き切れませんね。

老人から娘まで、ひとりで演じ分けます。本当にすごいです。

古い言葉で理解できないところもありますが、それを上回る表現力。

・・・すごい。ものすごい。感動です。

百聞は一見にしかず、です。

ぜひ一度、劇場へ足を運んでみてください。


ご利用ご返済は計画的に。

2007年10月02日 | 舞台・映画話

『ヴェニスの商人』を観てきました。

なんと言いますか・・・幸せの絶頂。うん。

大好きなシェイクスピア作品であり、雀なりに結構読み込んでいたので、絶対に観たかったんですよ。

しかも市村正親さんがシャイロック!

もうこれは観るしかねぇべよ。

もう満席で苦労しましたがなんとかチケットを入手、喜び勇んで銀河劇場へ向かいました。

席について開演をまっていますと、ロビーの方から賑やかな音楽が・・・。

演出でしょうか、バイオリンを弾く人、タンバリンをたたく人、仮装した人、道化などが練り歩き、さながらヴェニスのカーニバルのよう。

本物見たことないですけど。

そのまま客席までやってきて客に絡む道化たち。

そしていつの間にか劇が始まりました。(雀の好きな始まり方です!)

いや、もう衝撃の一言です。はじめて演出のなんたるかを実感しました。

原作を読んで雀が勝手に構築したイメージを、がらりと塗り替えられました。

そこをそう解釈するのか!とか、

ぬあるほどぉ、それでそこはああなのね!(意味不明)とか、

すごく新鮮で、納得できました。感動です。

それに役者のパワーも肌で感じました。

市村さんはもう流石です!なにも言えません!好きです!(告白?)

シャイロック・・・なんたる存在感。しかも笑いもとる。すごい。

藤原竜也さんもすごく良かった!好きです!(浮気?)

テレビや映画でその突出した演技力は拝見していましたが、舞台で本領発揮という感じを強く受けました。

声?動き?表情?分からないけど、すごい人です。この人の舞台をもっと観てみたいと思いました。

あと、ラーンスロット役の人がよかったな。

あ、ラーンスロットがいる、と思いました。うん。

あとポーシャも・・・アントーニオも・・・

とにかく、役者さんたちのエネルギーがひしひしと伝わってきます。

舞台から直ですよ直。ぐわ~っと・・・こう、ぐわ~っと・・・。

あぁ、この時代に生まれて良かったな、と思いました。

もう一枚チケットを買っておけばよかったと、しょうもない後悔をしてみたり、

いつかあんな舞台が創りたいなぁと、野望を抱いてみたり、

幸せいっぱい夢いっぱいの今日この頃です。