漁村夕照図:牧谿の国宝、東京・根津美術館で公開
安土桃山時代の絵師の長谷川等伯は、中国の牧谿(もっけい)の作品に大きな影響を受けて技法を研究し、その成果を「松林図屏風(びょうぶ)」や「枯木猿猴(こぼくえんこう)図」などの水墨画に昇華させた。
牧谿は13世紀に活躍した禅僧画家だ。
彼が描いた「漁村夕照図」(国宝)が今、東京・南青山の根津美術館で展示されている。
描いているのは山々に囲まれた漁村の風景。
墨の濃淡を生かし、夕日が落ちる時間帯の山々を叙情豊かに表現している。
だが、絵の“主役”は、画面左から右へ差し込む光の明暗が加わった大気の描写だろう。
この独特の空気感こそ、等伯が取り入れようとした世界だった。
本作には、足利三代将軍の義満が所蔵していたことを示す印がある。
義満は牧谿作品を100点以上所蔵していたという。
(毎日新聞)
安土桃山時代の絵師の長谷川等伯は、中国の牧谿(もっけい)の作品に大きな影響を受けて技法を研究し、その成果を「松林図屏風(びょうぶ)」や「枯木猿猴(こぼくえんこう)図」などの水墨画に昇華させた。
牧谿は13世紀に活躍した禅僧画家だ。
彼が描いた「漁村夕照図」(国宝)が今、東京・南青山の根津美術館で展示されている。
描いているのは山々に囲まれた漁村の風景。
墨の濃淡を生かし、夕日が落ちる時間帯の山々を叙情豊かに表現している。
だが、絵の“主役”は、画面左から右へ差し込む光の明暗が加わった大気の描写だろう。
この独特の空気感こそ、等伯が取り入れようとした世界だった。
本作には、足利三代将軍の義満が所蔵していたことを示す印がある。
義満は牧谿作品を100点以上所蔵していたという。
(毎日新聞)