夢で逢いましょう

雨の日も、晴れの日も。日々感じたことを、のんびりゆったり綴っています。
目指すは一日一笑。

金子みすゞの世界

2005-02-23 01:48:06 | その他趣味の話
金子みすゞという童話作家をご存知でしょうか?
(プロフィールはこちら

私は、ふと寂しくなった時に、彼女の童話を思い出します。
久しぶりに童謡集*を出して、読み返してみました。


わたしと小鳥とすずと

わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面(じべた)をはやくは走れない。

わたしがからだをゆすっても、
きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんなうたは知らないよ。

すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。





こッつん こッつん
ぶたれる土は
よいはたけになって
よい麦生むよ。

朝からばんまで
ふまれる土は
よいみちになって
車を通すよ。

ぶたれぬ土は
ふまれぬ土は
いらない土か。

いえいえそれは
名のない草の
おやどをするよ。



明るいほうへ

明るい方へ
明るい方へ。

一つの葉でも
陽の洩るとこへ。

やぶかげの草は。

明るい方へ
明るい方へ。

はねはこげよと
灯(ひ)のあるとこへ。
夜とぶ虫は。

明るい方へ
明るい方へ。

一分もひろく
日のさすとこへ。

都会(まち)に住む子らは。


*JULA出版局 金子みすゞ童謡集『わたしと小鳥とすずと』『明るい方へ』


なんともいえない優しさを感じます。

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