『現代のおとぎ話』
昔々、とある村に、やさしい男がいました。
米倉の番が仕事だった男は、
中身が誰にも奪われることのないように、
そして誰かが苦しむことのないように、
すこしでしたがねずみにさえ餌を与えて
みんながしあわせになれるように米倉を守っていました。
けれどその男が死ぬと、
いままでエサをもらって満足していたねずみたちは、
いっせいに裏切って米倉を食い荒らそうとしました。
村の人たちは祈ります。
「ああ、神様、どうかお助けください。
このままではみな飢えて死んでしまいます」
すると神様はさすがにあわれに思って、
一人の勇敢な若者を使わされました。
「許さん! ねずみども! もはや後悔しても手遅れだ!」
若者は吼えました。
そして、恩知らずのねずみたちを蹴散らし、
ねずみの親分を見つけ出し、殺す姿を愉快に眺めると、
残りのねずみたちを許してやりました。
助けられたねずみたちは、若者に心から感謝しながらくらしましたとさ。
めでたしめでたし。
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意味は次回で。