この前、photoshopで調節レイヤーの役割の概念をようやく理解しました。
フィルタのようにレイヤーの図に直接ダメージを与えずに、
常に特殊効果を発揮するレイヤーをはさむような概念でした。
前回の絵にも使って、口のカゲなどが、カゲだけでつけられて
とても便利だと思っていたのですが、
肌の色をつけたら、口より下のレイヤーにある
肌の色のレイヤーにまで効果がかかってしまい、
あわてて調節レイヤーを消して、影の形を出したレイヤーを作りました。
調節レイヤーとはそんなに都合のいいものではないんだなあ……と
がっかりしたままその後の絵を完成させたわけですが。
その後もやもやしていたら、ふと、
不満な概念が言葉になって出てきました。
――調節レイヤーを、それ以下全部じゃなく、
直下の一レイヤーにだけ適用させることはできないの?
はっとして調べたら、なにやらできそうな内容が出てきました。
見てもやり方がよくわからなかった上、
バージョンによっては同じやり方もできないので、
とりあえず開いてどうにかなるか試してみたところ……できました。
効果レイヤーを作って、レイヤータブ右上で『クリッピングマスクを作成』。
(レイヤー一覧の、レイヤーを右クリックして
『クリッピングマスクを作成』でも同じ)
これで調整レイヤーが直下のレイヤー1枚にのみ影響を与えるように
リンクされる感じになりました。
これまでも『クリッピングマスク』という文字は目にしていましたが、
名前だけでわけのわからなかったあれが、
調整レイヤーを直下一枚に適応させた状態のことだと
初めて知りました。
これでカゲ部分がもっと楽に描けそうです。
補記:クリッピングマスクで何が楽になるのか について
(自分で忘れたときの備忘録も含む)
最近わたしは『ベジェ曲線』を使った
『ベクター』という形式で絵を描いています。
対するのが『ラスター』という形式で、
これは実存の画板のようなものです。
実物の絵、ラスターの絵は、拡大すると荒くなります。
絵を顕微鏡で拡大して見ると、キャンバスのぼこぼこが見えるように、
絵そのものの色や形が変わってしまいます。
でもベクターの絵は、実在しない概念のみで描いた絵です。
たとえば、『色は真っ白(255 255 255)な、
直径1000ピクセルの真円の絵』という概念でベクター絵を描いたら
その絵はどれだけ拡大しようと、色は白のままで、
輪郭の線も決してぼやけたりはしません。
円という概念自体が記されているので、拡大だの縮小だのといった
現実の操作は一切影響を与えないのです。
というところを前提として、ラスターの絵では、
カゲをつけたい色がすでにあるレイヤーに、
ちょっと濃い色をいくつかのせる、ということが簡単にできます。
それは現実で、絵に色を加えるのと同じことです。
でも、ベクターの絵ではそれができません。
photoshopにおいては、語弊はありますが、
『一レイヤーには一色だけ』という原則があるので、
ちょっとカゲをつけるということができないのです。
そこで今までは、
カゲをつけたいレイヤーをコピーして、
カゲをつけたいところだけ色を変えて、
元の部分と同じ色の部分は消し去る、ということをして
元のレイヤーと重ねてカゲを出していました。
でもこれだと、口とか首とか、描いている最中ですこし調整した場合、
またコピーして形を作って色を変えて……と操作を繰り返さなくては
いけなくて、ものすごくめんどうだったのです。
けれど、クリッピングマスク(調節レイヤー)は、
調節レイヤーに描かれた図形と、
直下のレイヤーに描かれた図形が重なる部分だけ色を暗くする、
という効果を作ることができるので、
どんなに口や首の形を変えても、その後で影レイヤーの形を
ちょっと変えるだけで対応できるようになります。
そもそもわたしの絵では処理がめんどうなので
影は口と首しかつけていませんでしたが、
影つけが案外楽になりそうです。
補記2:
ベクターのレイヤーに、ラスターのレイヤーを
クリッピングマスクとして使用することも可能。
処理がめんどくさいほほべにも、
顔ベクターを範囲指定でラスター化せず、
直接クリッピングマスクでベクター線のまま
載せることができるので、忘れず使うこと。