直列☆ちょこれいつ

最近は神社や神道などの古い文書の解読をしています。
研究のまとめはカテゴリ『自作本』から。

スクナヒコの神と眷属

2018年05月02日 | ちょこのひとかけ


神様について調べ初めのころ、
スクナヒコ関連神社に行って蛙の置物を見たとき、
あー、蛙だなあ。スクナヒコ関連だから蛙なんだなあ。
と、ぼんやり思いました。

……が。最近結構神様のことを調べ、理解が深まったあと、
ふと当時の旅行先の写真を見ていたら、おかしいと気づきました。

よく考えると、スクナヒコの話はとてもおもしろいのです。



スクナヒコにまつわる伝説は、こんな感じ。

あるときふと現れたスクナヒコ。
誰も正体がわからなかったので、とりあえずカエル君に
この神を知っているかとたずねます。

カエル君が言うには。
「知らんゲロ。でもカカシなら知ってるかもしれんゲロ」
そこでカカシに訊ねてみると。
「ご存知、ないのですか!? 彼こそ、無名からチャンスを掴み、
スターの座を駆け上がる超時空シンデレラ、スクナヒコちゃんです!」

そうして正体があらわになったスクナヒコは、
オオクニヌシとユニットを組んで、日本中をもりあげました……

という話なのですが……

スクナヒコ、実はカエルと仲良しどころか、
知らないと断言される間柄です。


さて、問題です。
なぜ、スクナヒコは眷属だと言われるカエルに、
はっきり知らないと言われてしまうのでしょうか。

このお話のように、スクナヒコとカエルって、
実は別に関係ないのではないでしょうか。





では、答えです。

スクナヒコが、カエルに知らないと言われてしまう理由――
それは、
『スクナヒコと仲がいいカエルは、その種類ではなかったから』
です。

現代だって、カエルはいろんな種類がみられるでしょう?
大きくて持つのも怖い種類、小さくて触るくらい平気な種類。

スクナヒコは、すべてのカエルと親しいわけではなく、
特定のカエルだけと、親しかったのです。


どうしてそう言えるのかは、神道文書に読めますが
こんな場所で述べるものでもないので省きます。

でも、これがわかれば、なんで最初にスクナヒコの正体を
あえてカエルに訊ねたのか、ということもわかります。

問「(あいつはカエルと親しいと聞くが)そこのカエル、おまえはあいつの出自を知っているか?」
蛙「(親しいカエルとは違うから)知らんゲロ。知りたければカカシにでもきくゲロ」
という会話になり、実は問いを発しているほうもまったくスクナヒコを知らなかったわけではなく、
多少知っていたから、わざわざカエルに問いかけた、という話になるのです。


この、スクナヒコの出自、たどった運命、日本に影響したものはとてもおもしろく、
この神の子孫はなんと現在に至っても生き残っているということが明らかになっています。

古い神道については調べてまとめている途中なので
興味があればカテゴリの自作本をごらんください。

関連して一応述べておくと、『スクナヒコナ』という神様はいません。
スクナヒコは、『スクナヒコ』という名前の神さまです。

『スクナヒコの神』を古語で言うと、
『スクナヒコ ナ 神』になるだけで、『ナ』は『of』の意味です。
『スクナヒコナ』という神ではありません。
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