オリジナル歌011『少女ラジオ』
10-01-18完成。
・歌詞. :2009-12-22~(19日間)
・メロディ :2009-12-24~(22日間)
・ミク調整 :2010-01-14~(1日間)
・絵 線画. :2010-01-16~(3時間)
・絵 彩色. :2010-01-16~(15時間半)
・Flash調整:2010-01-17~(10時間半)
大体1か月くらいかかったようです。
◆◆画像10-01-20◆◆
※↓画像クリックでフラッシュページへ飛びます(ちょこでいずでも動作します)

ネットでラジオ放送します、というような文を見ていたら、
ふと ラジオの音をイメージにして歌が作れそうだと
思いついたのがきっかけです。
歌詞の最初の仮題は『ハートエイクラジオ』。
他人の声は放送局だけど、聞くほうはうまく聞き取れない、
そんな方向性で書いていきました。
小説版『MOTHER』の主役、アナのテレパシーが
受信一方だけなのがラジオみたい、という
つぶやきも頭においています。
でもちっともまとまらなくてひたすら逃げて、
結構時間がたったころ、ようやく一本の線が見つかりました。
『架空の話じゃなくて、自分のことで書けばいいじゃない』と。
わたしは他人や自分の気持ちがあまり理解できません。
自分でもそうなのに、言わんや他人をや、です。
他人はする気がないことでもすると言い、
ばかにしたい相手のことを誉めます。
ただの挨拶に聞こえる言葉を発しながら、実はそれは命令で、
従わない相手を侮辱する人もすくなからずいます。
でも、周りはそれがわかっています。
わからないのはわたしくらいです。
世界は暗号通信でやりとりされていて、
わたしだけ受信できない気分でいます。
という感じでまとめてみたら、
結局はわたしのショートショートにも通じるところのある、
絶望的な歌詞になりました。
作るときはいつでも、方向性としては岡崎律子さんのように
どんなに悲しくてもふわりと明るい方に飛ばしてしまうような
やさしい歌にしたいと思っているのですが、
わたしの世界はそんな成分ではできていないのだということを
思い知らされました。
内容が自分の絶望の場合は題名を『○○少女』と
するような気分でいるので、
前回の『失血少女』とそろえて
『ラジオ少女』にしようと思いましたが
検索してみたら『ラジオ少女』は『文学少女』と
同じくくりに入り、少女=ラジオにはならず、
ラジオ好きの少女、という意味になりがちなのでやめにして、
なんとなくひっくり返して『少女ラジオ』になりました。
曲は、始めは例によってピアノ伴奏で作っていたのですが
途中で手詰まりになりました。
どうしようかと途方にくれたところで、
一本前の少女もの、失血少女のときにロックを目指したものの
意味がわからず断念したので、
もう一度挑戦してみることにしました。
とりあえずロックの構成を調べたら、
ギターとベースとドラムが基本だというので
とりあえず五線を作って伴奏を移し変えてみると――
イメージがもりもりわいてきたのでびっくり。
『わかる! わたしにもロックがわかる!』
と赤い人ばりにつぶやきました。
楽器の音の違いというのはかなり大きいみたいです。
ピアノだと右手一本でさみしく聞こえるところが、
ギターだとしっかり聞こえるような気さえします。
ベースは長らく意味がわからなかったのですが、
この前見たアニメでベースの人がただ黙々と
ボボボボ鳴る音で弾き続けるのを聞いていて
音のイメージができました。
わたしの中のイメージでは、
ベースは和音の根音だけを打ち続ける、
どちらかといえばドラムに近い存在として理解しています。
音階のあるリズム楽器なので、どことなくティンパニっぽいです。
いままでまったく理解できなかったものが
理解できるようになるなんて。『ベースのKIM』に感謝です。
そういえば……入力時に楽器を見たら、
ベースってBassなんですね。
てっきり音のベース(基盤)になるからベースだと
思っていたのに、ベースじゃなくてバスだったなんて。
声楽のソプラノ・アルト・ランカ・シェリル・バスの
あのバスです。
バスギターをベースギターという人は、
コントラバスもコントラベースなのかなあと
ちょっと疑問に思いました。
それはさておき、とにかくそれっぽい音を混ぜていったら
なんとなくロックっぽくなって来た気がしてきました。
でも一番の問題は、曲全体の雰囲気です。
どことなくロマサガのバトルっぽくなってしまったのは
まだよしとして、もっと暗くて厳しい音にしたかったのに、
全体的に見たら明るめにまとまっていました。
途中でどうなのかなあと思っていたのですが、
明るすぎると気付いた時には和音を割っていくという
作り方の都合上、もう修復不能でした。
一応メロディの方向として、今回はサビの部分で
暗明をまぜる、というものを意識しました。
なんでもサビの明るいものを出す前に
軽く気をそらす感じに暗い和音を入れておくのが
定石だそうだからです。
その結果、全体として明るい和音のほうに
傾いてしまったようですけど。
サビまでの道のりもがんばりはしました……が。
わたしの曲構成は基本的に、A→B→C の
3ブロック構成になっていて、楽器はAで1本、Bで2本、Cで3本と
だんだん厚くなるように重ねています。
でもできたあと他のところで目にしたコツだと、
むしろAで2本、Bで1本、Cで3本の方がよかったようです。
わたしの組み立ては、
『正拳→肘打ち→肩あて』
という半身だけを使った瞬間多段弾き飛ばしのような
イメージだったのですが、
実際のところはボクシングのように、
『右の中パンチ→左ジャブ→右フィニッシュ』
のような時間差攻撃のほうが効果的だったみたいです。
いったん漠然とした形ができて思うと、
意外とこういうロックっぽい感じは
わたしに合うのかもしれません。
本来のわたしのショートショートなどの作り方なども考えると
すこし共通する部分がある気がしました。
今回さらにがんばったのは、曲のエフェクトです。
ラジオっぽいざらざら感をだすエフェクトを
どうすればいいのかわからなかったのですが、
あれは『ラジオボイス』という名前のエフェクトだと
教えてもらいました。
そのラジオボイスをかけた声楽歌に伴奏を合わせ、
ラジオから直接録音したノイズを重ねました。
最近のラジオはセミオート受信なので、
ラジオっぽい選局かすりのノイズをだすために、
ひたすらダイヤル式選局のラジオを探しました。
でもそれだけではただのざらざらだけで、
『きゅわ~お』というような音がのらないので、
銅線を巻きつけた指でアンテナをなでてみるなど
工夫してみたりもしました。
曲の入りと切りでの、『ボヅッ』という電源投入時の
スピーカーから出る嫌な音も生音を録音して
くっつけてみました。
結果、なんとなく想像していたような効果に
かなり近いものができて満足です。
ただ、どうにもならなくなった問題はリバーブです。
どんな音でもうっすらリバーブはかけるものだ、と
書いてあったので自分なりにかなりしぼって
かけてみたのですが……合成したものを聞いてみると、
部屋の中でぼそぼそ歌うような設定だった歌が、
海水浴場の安いスピーカーから流れるような感じに
なってしまいました。
そんなこんなな今回の歌ですが、
ひたすら工夫もしたし、新しいことに挑戦もしたし、
力いっぱいやった結果、最初に考えたような
音ができたので結構満足しています。
他人と相対的に比べたらまったく大したことはありませんが、
過去の自分と比べたらかなり進歩したと思います。
ラジオの生活はプライスレス
ベースはまぁそんな感じですね
ちなににベースで弾き語りをすると、お笑いのはなわになります
ちっとも目立たなくてしんなりです。
ベースで弾き語りは、なんだかまったく
想像できませんねえ。