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kakaaの徒然な日記

日記がわりにときどき、ふと思いついたことをつぶやきます。

(臨時速報)ソウル市長自殺、いま韓国で何が起きてるか(2020.7.10)

2020-07-13 10:15:52 | In Deepさまの記事より

(臨時速報)ソウル市長自殺、いま韓国で何が起きてるか(2020.7.10)

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選挙速報「ボランティア選挙の軌跡」山本太郎記者会見!明るい希望

2020-07-06 15:37:00 | In Deepさまの記事より

選挙速報「ボランティア選挙の軌跡」山本太郎記者会見!明るい希望

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新型コロナと HIV は「ほぼ完全な兄弟」であることが判明。双方のウイルスが「人間の免疫細胞を破壊するメカニズム」において同じであることが見出される

2020-05-30 20:53:25 | In Deepさまの記事より

2020年5月以来、記事により、特に新型コロナウイルス関係の記事が Googleさんの検索から「完全に除外」されやすくなっています。そのためにインターネット上の検索で記事が表示されないことが多いため、直接ブックマーク(Windowでの方法Macでの方法iPhoneでの方法)していただければ幸いです。

2020年からの世界 人類の未来 健康の真実

新型コロナと HIV は「ほぼ完全な兄弟」であることが判明。双方のウイルスが「人間の免疫細胞を破壊するメカニズム」において同じであることが見出される

新型コロナウイルスが人間の免疫細胞を破壊する方法

新型コロナウイルスに「 HIV (エイズウイルス)」の要素があることが確認されたのは、4月のことでした。

これは以下の記事でご紹介しています。

[衝撃] 新型コロナウイルスは「人間の免疫機能の中心であるT細胞を攻撃」し、免疫系を完全に破壊する「HIV / エイズウイルスと同じ特徴を持っている」ことが米中の研究者により確認される

この「新型コロナウイルスが HIV と同様に、人の免疫細胞を攻撃する性質を持っている」ということを知った際には、少し厄介なことになったなとは思いました。

つまり、エイズウイルスにより発症するエイズの特徴のひとつとして「体内からウイルスが消えない」ということがあったからです。

これはあくまで、「もしかしたら」ということですけれど、同じような特性が新型コロナウイルスにもあるのかもしれないと思ったのです。

そういう意味では、新型コロナウイルスというのは、本当に驚異的なウイルスなんですけれど、しかし同時に、以前から書いていますように、「とにかく感染力が並外れて高い」ウイルスであることがあり、そういうものに対して、物理的な隔離とか封鎖とか閉鎖とか、そういう手段が通用する相手ではないと確信していまして、隔離や封鎖などの一切の手段を使わずに「平常の生活で立ち向かう」のが正しいと考えています。

さて、それはそれとして、数日前に、香港の有力メディア「サウスチャイナ・モーニングポスト」が、

「中国の科学者たちが、新型コロナウイルスが、どのようにヒトの免疫細胞を破壊しているのかのメカニズムを発見した」

と報じていました。

論文は査読前ですが、以下にあります。

The ORF8 Protein of SARS-CoV-2 Mediates Immune Evasion through Potently Downregulating MHC-I
(SARS-CoV-2 の ORF8 タンパク質は MHC の強力なダウンレギュレーションを通じて免疫回避を仲介する)

今回は、まず、そのサウスチャイナ・モーニングポストの記事をご紹介しようと思いますが、上の論文のタイトルでもおわかりかと思うのですけれど、聞いたことのない専門用語が飛び交いますので、記事に出てくる用語をご説明しておきます。

主要組織適合性複合体(MHC) → 免疫応答を制御する重要な分子
スパイクタンパク質 → ウイルスが細胞に感染する際に働く突起物
ORF8遺伝子 → 新型コロナの2つの型(L型とS型)をわける重要な要素
キラーT細胞 → 細胞に侵入したウイルスなどの異物を破壊する免疫細胞
ダウンレギュレーション → 神経伝達物質などへの応答反応が低下すること

この「主要組織適合性複合体 (MHC)」という細胞内の分子は、人間の免疫反応に非常に重要な存在なのですが、何と、

「新型コロナウイルスに感染すると、この主要組織適合性複合体の分子が消えてしまう」

ようなのです。

それにより、人の主要な免疫システム働かなくなってしまうのですね。

ここから記事です。

 


新型コロナウイルスが HIV と同じ戦略を使って人間の免疫反応から逃れていることを中国の研究者たちが発見

Coronavirus uses same strategy as HIV to dodge immune response, Chinese study finds
South China Morning Post 2020/02/27

中国の研究者たちによると、HIVと新型コロナウイルスは共に、人の細胞への侵入者(病原体など)を特定するために使用する感染細胞の表面上のマーカー分子を除去する。これは、Sars-CoV-2 が長い間(体内に)存在する可能性があることを意味するかもしれないと研究者は言う。

中国の科学者たちによる新しい研究によると、新型コロナウイルスは HIV (エイズウイルス)と同じ戦略を使用して人間の免疫システムからの攻撃を回避していることが判明した。

HIVも新型コロナウイルスも、どちらのウイルスも、感染した細胞の表面にある、細胞が侵入者を特定するために免疫システムが使用しているマーカー分子を除去していると研究者たちは 5月24日に、 bioRxiv.org に投稿した未査読の論文で発表した。

彼らは、この共通性により、新型コロナウイルスが HIV のように、しばらくの間、体内に存在し続ける可能性があることを意味すると警告した。

ウイルス学者のツァン・ヒュイ(Zhang Hui)博士と広州の孫文大学のチームは、新型コロナウイルスが「慢性感染を引き起こすウイルスのいくつかの特徴」を示しているという臨床観察に重みを加えたとも述べている。

彼らの研究は、新型コロナウイルスによって引き起こされる Covid-19 から最近回復した 5人の患者から、人の重要な免疫細胞であるキラーT細胞を収集することが含まれた。

これらの免疫細胞は、新型コロナウイルスに感染した後、生成される。彼らキラーT細胞の仕事は、ウイルスを見つけて、それを破壊することだ。

ところが、研究で使用された(新型コロナウイルスから回復した人たちの細胞から採取された)キラーT細胞は、感染した細胞内のウイルスを除去することができなかったのだ。

科学者たちがさらに詳しく調べたところ、これら回復した人たちの細胞には、「主要組織適合性複合体(MHC)」として知られている分子が欠落していることがわかった。

この MHC と呼ばれる分子は、通常、健康な細胞の膜の細胞に存在する識別タグだ。MHC は、感染によって変化し、体内の細胞が健康か、それともウイルスに感染しているかを免疫系に警告する働きを持つ。この MHC は、重症急性呼吸器症候群(SARS)や、他のコロナウイルスに感染した場合でも細胞内に見出される。しかし、新型コロナウイルスに感染した細胞からは見出されないのだ。

HIV も同じように、MHC 分子を細胞内から除去することが知られている。

エイズウイルスに感染した細胞にもまた、新型コロナウイルスに感染した細胞と同様に、MHC 分子が存在しないことがわかっている。

ツァン博士は以下のように述べる。

「新型コロナウイルスにあるこの機能(このような免疫系の攻撃システム)は、同じコロナウイルスである SARS にはありません」

新型コロナウイルスは ORF8(あるいはORF8遺伝子)と呼ばれるタンパク質を生成することでこれらのマーカーを取り除く。ORF8 は MHC 分子と結合し、感染した細胞内にそれらを引っ張り破壊する。

ORF8 はウイルスの複製に重要な役割を果たすことが知られており、ほとんどの市販のウイルスのテストキットはこの遺伝子を標的にして鼻や口腔のウイルス量を検出している。

新型コロナウイルス感染症の患者の治療に使用されている薬物は、主にウイルス複製に必要な酵素または構造タンパク質を標的としたものだが、ツァン博士とチームは、「 ORF8 による MHC の障害を特異的に標的とすることで、 Sars-CoV-2 の免疫監視を強化する化合物」を開発することを提案している。

以前の研究では、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質は多くのタイプのヒト細胞に入り、それらの受容体と結合することを可能にする構造を持っていることがわかっている。

これと同じ構造が HIV にも見られるが、しかし、コウモリやセンザンコウなどの動物に見られる他のコロナウイルスには、このような性質は見られない。

ニューヨークと上海の研究者たちによる別の研究でも、新型コロナウイルスがキラーT細胞を殺すことができることが判明している。この発見は、中国の検死の中で、死亡した患者が、エイズによって引き起こされたものと同様の免疫系の破壊が発見された後に行われた研究で見出されたものだ。

世界保健機関によると、免疫システムを攻撃するウイルスである HIV が出現してから 40年が経ち、これまで、世界中で約 3200万人が亡くなっているが、今もなお完全にエイズを治療できるワクチンや薬は開発されていない。

上海公衆衛生クリニカルセンターの主任研究者であるチャン・シュエ氏は、今回の広州のこれらの研究結果は、「まったく驚きではない」と言う。

無関係のウイルス(たとえば、HIV と新型コロナウイルスのようなまったく関係のないウイルス)でも、同様の選択的圧力にさらされた場合、同じような特性を示す可能性があると述べた。 MHC 分子の抑制は、一部のヘルペスウイルスなどの他のウイルスでも起こったとチャン氏は述べた。

チャン氏は、新型コロナウイルスは、キラーT細胞をハイジャックはしておらず、 HIV のように T細胞を増殖させる手段に変えていないことを指摘し、新型コロナウイルスは、はるかに遅いペースで変異しており、死亡率は「エイズよりはるかに低い」と付け加えた。

「この新型コロナウイルスには、私たちがまだ予期していない特徴があるという可能性はあります。しかし、大多数の患者は回復するのです」とチャン氏は述べる。


 

ここまでです。

……ま、このぉ(田中角栄さんかよ)……いやはや、すごいですね。

この「主要組織適合性複合体(MHC)」の働きを、私はそれほど理解しているわけではないのですが、間違っている可能性があることを前提に少しご説明したいと思います。

 

 

「細胞内のそこを狙うのか!」という驚き

この MHC という分子の免疫に対しての作用は重大で、以下は、京都大学 再生医科学研究所の「免疫のしくみを学ぼう!」という一般向けのページにある説明からの抜粋です。

補足しておきますと、前提として、「免疫」の機能というのは、当然ながら、

「自分に対して悪い影響を与える病原体を攻撃する」

ものです。悪くないものを攻撃するのでは意味がないのです。

これを行うのが「 T細胞(キラーT細胞)」と呼ばれる免疫細胞ですが、しかし、体内には「悪くない細胞」や「役に立たない細胞」もたくさんあります。

T細胞はどのようにターゲットを見つけているのか。

ここに主要組織適合性複合体(MHC)が関係するようなのです。

「免疫のしくみを学ぼう!」には以下のようにあります。

遺伝子再構成は、例えばサイコロを振るみたいに自由な組み合わせで起こるので、実際には一度は自分の体を攻撃してしまうような細胞もできてきます。また一方で、異物をみるのにまったく役にたちそうもない細胞も沢山できてきます。ではどうやってこの中から役立つものだけを選ぶのでしょうか。 (京都大学再生医科学研究所

ここにある「役立つものだけを選ぶ方法」に、主要組織適合性複合体(MHC)が、関与するのです。

ページから続けます。

そのメカニズムを理解するには、まず図7に示すことを理解していただく必要があります。

T細胞受容体は直接異物を見るのではなくて、MHCという分子の上のくぼみにはさまるようにくっついた異物の破片(抗原)を、MHCという分子とセットにして見るということです。(京都大学再生医科学研究所

つまり、以下のような私の説明が合っているのかどうかはともかく、進入した病原体を殺してくれる T細胞は、

「攻撃する相手を、MHCという分子とセットにして見ている」

のです。

ということは、

「 MHC が消えてしまえば、T細胞は、病原体のウイルスを攻撃できない(対象を判断できない)」

ようなのです。

新型コロナウイルスは、免疫に重要なこの分子を破壊あるいは消してしまうようなのですね。

自分を攻撃するキラーT細胞が機能しないのですから、この新型コロナウイルスは細胞内で殺されることがないということになり、つまり、いつまで経っても、細胞からウイルスは消えないということになるのだと思います。

 

これが新型コロナウイルスの特性です。

 

このような性質は、わかってはいたとはいえ、改めてこのように提示させられると、いろいろ考えちゃいますねー。

だいたいやねぇ(お、竹村健一さん)、こんなメカニズムじゃ、感染が簡単には治らないやないの。

……いや、これに関してはですね、自分を含めて個人的に周囲の方々の話も聞くのですけれど、

「新型コロナウイルス(らしきもの)に感染した後は、とにかく軽微な症状が長く続く」

傾向があるようなのですね。

新型コロナウイルスは、若い人たちを中心に「まったく症状が出ない」人たちが非常に多いですが、しかし、ある程度の年齢の人は、ものすごく軽い風邪のような症状とか、軽い胃腸や目や鼻や味覚の不調だとか、そういうのが非常に長く続く傾向があるのです。

たとえば、アメリカの投稿型のソーシャルウェブのレディット(Reddit)には、「新型コロナウイルスだと確定診断された人たちのフォーラム」があります。

ここには、「果てしなく長く症状が続いている人たち」の書き込みが数多く見られます。たとえば、以下のような人は普通です。

私は、新型コロナウイルスと診断されてから 51日目になりますが、まだ良くなった感じがありません。まだ肺も痛いです。最近は呼吸の状態はそれほど悪くなかったために、呼吸の症状は終わったと思っていたのですが、今朝、また息切れを感じています。

あまりにも症状が長く、昨夜、台所で泣いてしまいました。

こういうように症状が 2ヵ月とかにわたって続く人たちがとても多いのです。

ただ同時に、症状は長く続いても、高齢ではなく基礎疾患がない人は、これ以上悪くなるということでもないようです。同じような症状が終わらない。

こういうのも含めて、あるいは個人的に知ったいくつかの例から、ものすごく軽い症状でも、何らかの症状が出てしまった場合は、どうやら1ヶ月以上続くのはごく普通であり、2ヶ月、3ヶ月も珍しくないと思われます。

ここが、風邪やインフルエンザと違うところです。

1ヶ月や2ヶ月も続く風邪は、普通はそうあるものではないです。ましてインフルエンザではあり得ないです。

そのような長期間症状が続く原因が、今回ご紹介した新型コロナウイルスの持つ HIV と似た「人間の免疫細胞を攻撃することに特化した性質」にあるようです。

ちなみに、今回の話は、このウイルスが人為的であるか、自然の産物かという話とは関係ないです

このウイルスが人工物であっても自然由来であっても、この新型コロナウイルスというものが、HIV と同じ特徴を持つことは、ほぼ確定しているのです。

そして、このような特徴を知りますと、今回のサウスチャイナ・モーニングポストの記事あります以下の部分を思うのです。

世界保健機関によると、免疫システムを攻撃するウイルスである HIV が出現してから 40年が経ち、これまで、世界中で約 3200万人が亡くなっているが、今もなお完全にエイズを治療できるワクチンや薬は開発されていない。

普通に考えれば、新型コロナウイルスが HIV と同様の性質を持っているなら、ここにありますような HIV と同じ歴史を歩んでいく可能性も高そうです。

以前思った「最も困る展開」は、新型コロナウイルスが「本当によく HIV と似てしまっている」場合です。つまり、HIV の性質は「一生その人から出て行かない」ということですが、この点で同じだったら、ちょっとなあとは思います。

ちなみに、以下の記事にありますように「緑茶」は、新型ウイルスにも HIV にも、感染防止にも発症抑止にもとても有効です。

 

https://indeep.jp/green-tea-epigallocatechin-could-inhibit-hiv-infection-and-coronavirus/

 

実際の話、今後の世の中というのは、食事にある程度気をつかって、ストレスをなるべく感じず、そして太陽光をたくさん浴びて生活するという「感染症予防の原則」に従って生きるのが最も良い方法だと思います。

HIV もですが、新型コロナウイルスにしても、感染したことをくよくよ思っても仕方ないです。

それと共に、今後もこの新型ウイルスの未知の性質と能力がさらに示されていくのかもしれません。

https://indeep.jp/coronavirus-uses-same-strategy-hiv-to-attack-immune-response/

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抗ガン剤は「腸内細菌環境を破壊」し、「脳に炎症を起こす」ことが米国の大学での研究で初めて判明。これが化学療法のすべての副作用のメカニズムである可能性

2019-11-13 21:13:13 | In Deepさまの記事より

 

https://indeep.jp/chemo-affects-gut-inflammation-and-cognitive-problems/

抗ガン剤は「腸内細菌環境を破壊」し、「脳に炎症を起こす」ことが米国の大学での研究で初めて判明。これが化学療法のすべての副作用のメカニズムである可能性

米オハイオ州立大学の研究で使われた抗ガン剤「パクリタキセル」


Paclitaxel

抗ガン剤で副作用が出る当然過ぎるメカニズムが判明

抗ガン剤については、「副作用があって当然」というような見方がありますが、そのように言われるような「強い副作用」がなぜ起きるのかを真剣に研究した医学研究は、これまで実はありませんでした。

その理由は、おそらくですけれど、「抗ガン剤の悪い部分を調べる」という研究には、製薬企業などを含めてのスポンサーがつきにくいということもあるのかもしれませんが、そのあたりはともかく、アメリカのオハイオ州立大学の科学者たちが、

「抗ガン剤が腸内細菌環境を破壊する」

という明らかな結果を研究で示しました。

結果は、11月11日に発行された科学誌ネイチャーの「サイエンティフィック・レポート」に掲載されています。

研究では、化学療法で一般的に使われるという「パクリタキセル」という抗ガン剤を使って、マウスにおいて行われましたが、結果として、以下の変化が「同時に起きる」ことが判明したのです。

抗ガン剤を投与された後の体内の変化

・腸内細菌環境が悪化する

・腸内部の腸壁が異常に拡張

・腸の密着結合部分が壊れ、そこから腸内細菌が流出

・血液に炎症が起きる

・続けて脳内に炎症が起きる

・脳内の炎症によって記憶障害、認知力障害(ケモブレイン)が起きる

というようなことが、「同時に起きていた」のだそうです。

ここまでの悪い変化が起きてしまえば、副作用が出ないほうがおかしいです。

今では人間の健康の根本は「腸内にある」という見識が一般的ですが、それがこのように徹底的にやられるのでは、どうにもならない。

腸内細菌環境の破壊と共に、脳の炎症もすべてのマウスに見られたようで、これが、抗ガン剤治療で起きやすい記憶力障害や認知力障害の原因となっていることがはっきりしたようです。

なお、試験で使用した「パクリタキセル」というのは、薬のページを見てみますと、以下のようなガンに適応されるものだそうです。

パクリタキセルが適応されるガン

卵巣ガン、非小細胞肺ガン、乳ガン、胃ガン、子宮体ガン、頭頸部ガン、食道ガン、血管肉腫、子宮頸ガン、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍,卵巣腫瘍,性腺外腫瘍)

だそうで、これだと、化学療法で投与されている方はかなり多いように思います。

そのページには副作用も記されていて、ものすごい数の副作用が書かれていますが、その根本的な原因は、今回の研究で示された、

・腸内環境の悪化

・脳の細胞の炎症

・血液の炎症

でかなりの部分が説明できるもののように思います。

医学者としては、なかなか勇気ある研究だと思いますが、この研究の主任は女性科学者で、今回ご紹介するオハイオ州立大学のニュースリリースを書いたのも同大学の女性科学者でした。

それでは、そのオハイオ州立大学のニュースリリースです。


The gut may be the ticket to reducing chemo's side effects
オハイオ州立大学 / エミリー・キャルドウェル (Emily Caldwell) 2019/11/11

化学療法の副作用を減らすためのキーは腸内細菌環境である可能性が示される

マウスでの研究は、化学療法が腸内環境、炎症の発生、認知障害の問題に影響することを示した。

オハイオ州立大学でおこなわれた新しい研究で、科学者たちは、一般的な抗ガン剤を与えられたマウスにおいて、いくつかの同じ反応を示すことを観察した。

抗ガン剤を与えられたマウスたちは、すべて腸内細菌の組成が変化し、脳と血液において炎症の兆候を示し、そして、行動において疲労と認知障害を示した。

この研究は、化学療法との関連でこれらの複合的な事象を示す最初のものであり、抗ガン剤治療においては、腸内細菌を調節することで、悪心や下痢などの副作用を鎮めることができる可能性だけではなく、多くのガン患者に治療中に生じる記憶力障害と認知力障害の問題を軽減する可能性への扉を開くかもしれない。

オハイオ州立大学の研究室では、抗ガン剤と腸内細菌環境の関係をテストするためにマウスでの研究を続けており、またヒトの乳ガン患者においても平行した臨床試験を実施している。

研究の主任であり、オハイオ州立大学の精神医学および行動健康学の助教授であるレア・パイター(Lea Pyter)氏は、以下のように言う。

「化学療法と腸内環境の状態の関係、そして化学療法と脳の炎症状態の間に関連性があるかどうかを確認した研究はこれが初めてとなります」

「以前から、化学療法が腸内微生物の組成を変化させることを示す研究がヒトで行われていますが、マウスでの私たちの研究でも同様の結果が得られました」

「さらに、腸内環境の変化と共に、化学療法では、脳にも変化があることがわかりました。脳の炎症と関係があります。腸内環境の変化と脳の炎症という変化は、すべて同時に起きています。そのため、化学療法とこれらには相関関係があり、今はその因果関係を調査しています」

研究主任のレア・パイター助教授

この研究は、「サイエンティフィック・レポート(Scientific Reports)」に掲載された。

研究では、雌マウスに、抗ガン剤「パクリタキセル」を 6回注射し、対照群のマウスにはプラセボ注射を投与した。

対照と比較して、パクリタキセルで治療されたマウスたちは体重が減り、疲労の兆候を示し、試験でのパフォーマンスにおいて記憶喪失を示した。

抗ガン剤で治療された動物の内臓、血液、脳も、対照群では見られない影響を受けていた。

抗ガン剤を投与されたマウスたちは、腸内微生物叢内の細菌の混合が変化し、結腸の内側を覆う組織が異常に拡張していた。そして、特定のタンパク質が血液および脳に出現し、脳内の活性化免疫細胞と共に、免疫系が全身の炎症反応を激しく生成したことを示した。

これら一連の出来事は、腸内細菌の組成の変化と、結腸の組織変化、そして脳と血液の生理学的変化がすべて化学療法と関連していることを示唆している。

さらに、抗ガン剤を与えられたマウスたちは、腸が透過性の兆候を示した。これが意味することは、つまり腸の密着結合(隣り合う上皮細胞をつなぎ、分子が細胞間を通過するのを防ぐ細胞間結合)から、腸内細菌の小片が通過し流出してしまう可能性があるということだ。これは、免疫系攻撃を引き起こす事象につながる。

そして、脳が血液の状態を通して、自らの体内の免疫系が活性化されていることを神経信号を通じて検出すると、脳は自身で炎症と同様の反応を起こす。この脳の炎症は、ケモブレイン(chemo brain / 抗ガン剤治療の影響で起こる認知障害)の原因となる。

パイター助教授のチームは、化学療法とこれらの体内で起きる状態の関連性に関するすべてのデータをテストした後に、腸内微生物と結腸内層の変化と脳内のミクログリアと呼ばれる免疫細胞の活性化との最も強い相関関係を発見した。

オハイオ州総合がんセンターのがん制御研究プログラムのメンバーでもあるパイター助教授は、「化学療法によって腸内の細菌が減少していくたびに、その減少は脳内の炎症の状態と相関しました」と述べた。

パイター助教授は以下のように述べる。

「これは、化学療法が腸内の微生物に影響を及ぼし、腸の内層に影響を及ぼしていることを示唆しています。これらの変化は両方とも末梢の炎症を引き起こし、脳の炎症を促進するシグナルを生成します」

「それが、免疫系を介して脳の炎症を引き起こすメカニズムです。脳の炎症は、疲労や体重減少、認知障害につながります」

これらの関係の確認は、プロバイオティクスなどの食事戦略、あるいは糞便移植などのガン患者への治療の介入につながる。すなわち、化学療法を受けているガン患者に腸内環境の改善治療を行うことにより、炎症から脳を保護する腸内の状態の改善を促進し、ケモブレインを軽減できる可能性がある。

 


 

ここまでです。

この研究者の方は、化学療法を否定しているのではなく、「腸内細菌や脳の炎症を保護する方法を兼用するべきではないか」というような考えに至っているようです。

ただ、医学者ではない私から見ますと、基本的に、

「一度破壊された腸内環境は自然には完全には戻らない」

という点から考えますと、たとえば、抗ガン剤でガンが寛解したり治ったとしても、「腸内環境が大きく毀損している可能性が高い」ということになると思われます。

つまり、抗ガン剤で治療して、仮にガンが治った場合でも、その後、さまざまな不調に見舞われる可能性があるわけで、抗ガン剤を用いる場合は、治療中も治療後も「腸内環境の改善」を徹底的に行うようにした方がいいのかもしれません。

腸内環境が悪いままですと、ガンが治ったとしても、その後もガン再発を含むさまざまな疾患にかかりやすくなる可能性が高く(もしかすると、ガンが再発しやすい最大の原因は抗ガン剤による腸内細菌環境の破壊によるものかもしれません)、それを防ぐためにも、

「抗ガン剤治療と、腸内環境改善は同時に行う必要がある」

という医学的アプローチが必要なのではないでしょうか。

今回の研究結果からはそう思います。

私のように「どういう状況でも抗ガン剤は使わない」と決めているならともかく、現実的には医療現場では、ガンに対しての化学療法は標準治療であり、第一選択ですから、ガンになられた場合、そうなる方が最も多いと思われますし、化学療法に挑む場合は腸内環境の悪化を極めて注意するべきかもしれません。

 

思えば、このブログでは、腸内環境に関しての記事がかなり多くなってきていますが、腸内環境改善と体調や精神状態の改善の関係は、私自身の「腸内環境改善の試験的生活」でも、ある程度は実証されています。

この 10年近く、胃やメンタルを含めたいろいろな不調に悩まされていましたが、以下の記事で取りあげたことがあります「酪酸菌」(と、トリファラ)を飲み続けて以来、少しずつ、いろいろと改善しました。

<iframe class="wp-embedded-content" title="“米シカゴ大学が乳幼児の腸内細菌を用いて食物アレルギーを改善する画期的な方法を発見。そして、キーである「酪酸菌」を用いて、日本人も誰でも食物アレルギーを飛躍的に改善できる可能性があります!” — In Deep" src="https://indeep.jp/butyrate-producing-bacteria-could-prevent-food-allergy/embed/#?secret=6q5I5HHmvc" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" width="600" height="631" data-secret="6q5I5HHmvc"></iframe>

酪酸菌には本当に助けられました。

食べ物に対してアレルギーや不耐性のある方や、いろいろと免疫的な問題のある方、あるいはパニック障害や、うつ傾向などがある方は試してみても良いと思います。すぐに効果は出なくとも、何か月単位で見れば、少しずつ確実に良くなると思われます。

たとえば、下のアマゾンの商品ページには、酪酸菌に対しての 500件以上のレビューがありますが、それなどを読まれても、すべての方に対してではないかもしれないですが、効果のある方が圧倒的に多いことがわかると思います。

https://amzn.to/2qHpWHK

In Deep の腸内環境に関しての過去記事をいくつかリンクして今回の記事を締めたいと思います。

In Deepの「腸内細菌環境」と関係した過去記事

私たち人間の遺伝子情報(ゲノム)は「自らの腸内細菌によってコントロールされている」ことが判明

6000万人の日本人が花粉症である現実と、それをもたらし続ける「腸内細菌キラー」の正体。そして、花粉症の症状が「酪酸菌」で改善される可能性

抗生物質が腸内細菌を破壊する主要因だと確信した日

食物アレルギーと関連する「腸内細菌の種類」がついに特定される。これにより、理論的には「すべての食物アレルギーを完治させる」ことが可能に

ごく一般的な食品添加物である「二酸化チタン」が腸内細菌環境を破壊することがオーストラリアの大学の研究により判明

低カロリーあるいはノンカロリー甘味料は「腸内細菌の環境を徹底的に破壊」し、健全な人間を2週間で糖尿病へと導く可能性

「砂糖という存在の正体」の衝撃 : 単糖は「重要な腸内微生物を腸内から《消し去る働き》」を持っていたことが米国の研究で判明

カナダの研究で「太陽の紫外線は腸内細菌環境に極めて良い状態を与える」ことが判明。難病の治療にも応用できる可能性

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