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kakaaの徒然な日記

日記がわりにときどき、ふと思いついたことをつぶやきます。

●これからの日本 退場させるべき政治家・企業・統治機構の峻別

2019-01-10 21:59:44 | 政治・経済


●これからの日本 退場させるべき政治家・企業・統治機構の峻別

構造的に成長困難域に入った国をどのように位置づけるかは、かなり難解な作業が待ちうけていることは間違いない。

今まで通り、竹中平蔵勢力(グローバル金融勢力)の言うがままに、日本の貴重な資産と言えるものを民間に移行することで、“鬼が出るか蛇が出るか”まったく判らないカジノ・ルーレットの盤に乗っかろうとしている。正直、最近の傾向を見る限り、この試みは、既遂に近い状況になっている。

安倍政治を牽引する頭脳は、あいも変わらず、小泉時代の新自由主義によるグローバル経済社会の継続を望む勢力に囲まれている。

今回の経済財政諮問会議の顔ぶれの変更も、竹中グループの交代であり、自由貿易経済に身を委ねる方針に変わりはない。

同じ考えの人間だけが集まり、如何にも知恵の出し合いをしているようだが、実は、似たもの同志なのだから、会議は踊るで、土堂巡り、新たなビジョンなど生まれてこない。

或る意味で、新興宗教の教祖に成りすました竹中平蔵のグローバル経済の沼に、ズブズブと沈んでいっている。

信者シンゾウ―“まだ効果が出ませんが、大丈夫でしょうか?”

T教授「まだまだ、これからです。異次元緩和の効果も、労働力の低賃金化も、これからです。米中貿易戦争なんて、まもなく終息します。もう直ぐ経済成長3%程度は楽勝ですよ。いま株価は24,000、25,000円の壁に挑戦中なので、いずれ3万の大台に向かいます。経済は「気」です。国家の首相の何ごとにも引かない姿勢が支持されるでしょう。更に強力に、国家主義と市場原理主義の導入を急ぎましょう。もう、夜明けは近いのです。拝みましょう、ホワイトハウスと伊勢神宮、靖国神社を!」

“今だけ、金だけ、自分だけ”が彼らの行動哲学にさえなっていて、それが醜く悪い行いだと反省する輩がいない。

国民的水準であれば、幾ら合理的コスパを重視するからと言って、10人もよれば3人くらいは、程ほどにしておかないと、と注意喚起が起きるところだが、彼らの集団には、それが皆無だ。

このようなイカレタ集団に、権力が握られていることは、何とも不幸なことだが、この不幸を奇貨として、次々世代の日本を構築し直すビジョンが求められる。

酒屋の三代目集団に、政治権力を握らせたことは、痛恨の極みだが、これも民主主義のなせる業、我々の責任として受けとめ、痛みには耐えていくしかないだろう。

安倍や麻生には、権力の座に上り詰めるために、何をしたかの足跡がない。

ただ、唯々諾々と、祖父、父親の後を継ぎ、番頭らに担ぎ上げられ、政治家になっただけだ。

麻生に代表されるように、“下々の皆さん”なのである。

サンフランシスコ条約も知らないし、ポツダム宣言も知らない。多分、知っているのはナチスの手口だろう。

いや、ウォールストリートの金融資本の脱税方法くらいは知っているのだろう。直ぐにではないが、彼らを政界から追い出す方策を巡らす必要があるのだろう。

2025年から2030年辺りをターゲットにして、自民党を下野させる政治集団が必要だ。

現在は、その先端を立憲民主党の枝野が代表しているように見えるが、新たなリーダーが出てこないと無理だと思う。

彼は、リベラルのように見えて保守寄りだ。保守と言っても、どの辺を守る保守なのか判らないのが困りものだ。

安倍のようなグローバル金融にとって動きやすい(ウィルス活動に有効な土壌づくり)改革は、破壊主義だ。

今後の我が国を考えるのであれば、創造を軸とした政権でなければならない。

どちらかと言えば、日本共産党の考えと、天皇制と徳川幕藩体制の長所を生かした混合的創造改革政党が望ましい。

仮に、そのような政党が政権政党になった場合、まず、三本の法案を強行採決してしまうことだ。

東京地検特捜部の解体と、検察庁、最高裁事務総局、法務省の改革が一つ。

次にNHK及び放送法の改革だ。

そして、三番目が税制の改革だ。

無論、この三つの強行採決は同時進行させなければならない。

これぞ、真の三本の矢だ。

当然、当面の間、内閣人事局は有効に活用すべきだ。

そう、当面は“アベノナチ”を真似るのだ。ここまで壊れた民主主義(毒)を修正するには、「毒を以て毒を制す」気構えが必要になるだろう。そして、法の下に、裁くべき人間を、正義の下、法治国家らしく裁く必要も、教育的見地から不可欠になる。

筆者は、財政問題において、財政赤字改善する必要はあるが、財務省のプロパガンダ報道は許さない。

生まれたての赤ちゃんが900万の借金を抱えて生まれてくると言うなら、同時に、910万円の貯金通帳も持参している、とすべきだ。

累進税は強化すべきだが、消費税も緩やかに段階的にあげる必要はあるが極めて緩やかで充分だ。

グローバル競争からは離脱、質実国家を目指すので、法人税は、大企業が逃げ出すほど上げても構わない。

人生100歳時代の到来だが、90歳上の年金支給の減額(年金受給者本人の費消度確認)は見当に充分値する。

最後に、累進課税について、アゴラ編集部(笑)だが、Noah Smith氏の面白い論考を見つけたので、参考引用しておく。



≪日本に必要なのは、より累進的な所得税だ --- ノア・スミス(Noah Smith)

 日本の赤字国債は、欧米で報道されているような世界の終焉と言うほど大きな問題ではない。GDPの200%超という直近値は、政府関係機関債を含む総公債に対する比率である。純負債のGDP比率は100%をやや上回る程度だ。いずれにしても高比率だが、前代未聞の値というわけではない。これに加え、日本の負債は国内で消化されており低利子を保っている。

 だからと言って、多くの経済学者が主張するように負債が問題でないとも言えない。いくら低利子を保っているとは言え、負債額が巨大化するにつれ、利払いにより政府予算が圧迫されるようになる。更なる不安材料は、日本の家計貯蓄率が0%に近い数値にまで低下していることだ。これは政府借入金が銀行や企業の留保利益に頼っていることを意味する。もし日本の経済成長が加速すれば、これらの企業が国債への投資を止める誘因にもなる。結果として金利の上昇に繋がり、国は債務不履行への経路を辿ることになる。それ故に、負債額が増加傾向にある限り、日本は経済の低成長を維持しなくてはならない。

 こうした陥穽から逃れる唯一の方法は、均衡予算である。現実的に、これを達成するには歳出削減と増税が必須である。幸い日本には経済効率を大幅に妨げることなく増税する余地がある。日本の税収はGDPの28%に過ぎず、先進国の中では非常に低い。

 誰もが日本の増税は必至と考えている。では、対象となる税目は何か? これまで日本の政治家たち、そして国際通貨基金のような国際機関による増税案に目を通してきたが、すべての案で消費税に焦点が置かれている。消費税の引き上げの必要性が語られるのは、日本においてあたかも信仰のようだ。日本の政治家たちはこれを信じ、どの政党が消費税増税に踏み切るか奇妙な押し問答を展開している。当然、これらの交渉は進捗していない。

 問題は、消費税を引き上げる「必然性」に対する国民の反発にある。これは十分に納得できる反発である! 消費税は逆進的な税だ。基本的に、日本の家計を支える労働人口は、1990年代の財政赤字を負担するように言われているようなものである。国民の家計は、所得の減少、職の不安、そして(下降傾向にある)貯蓄のゼロ金利などの打撃をすでに受けている。そして今、政治的な繋がりが強い一部の団体による公的資金の無駄遣いの後始末、というさらなる負担を負うことになる。この問題を政治家はどうしても避けて通りたいのだ! 低経済成長の維持という落とし穴に加え、日本は低率税という罠にもはまっている。

 こうした「檻」から解放される方法として、私は消費税の増税に代わり、累進所得税の引き上げを提案する。 :日本の税制で所得の最高税率は国際的な標準から見ても低く、富裕層が所得税の納税を回避できる法の抜け穴は沢山ある。この最高税率を引き上げ、法の抜け穴を失くせば大きな歳入源となる。

 理由は不明だが、これについて日本で本格的に議論されているのを聞いたことがない。考えられる理由の一つとしては、経済研究調査の中心でもあり意見者でもある保守的な米国経済学者らからの強い反発が考えられる。国際機関と日本の政策担当者らが、所得税の引き上げによる歳入増加は非効率的だと説得させられている、ということも考えられる。この保守的な見解は、ノーベル賞受賞者のエド・プレスコットが掲げる「所得税は労働供給を低下させる」という有名な研究を基にしている。米国の保守派は、米国国民に比べてヨーロッパ諸国の国民が働かないのは高い所得税が理由だと主張としている。

 この理論には、持続性がない、という点で問題がある。1980年以来、米国の所得税の最高税率は著しく低下しているが、労働時間は短縮している。所得税と労働時間の変化を全米レベルで見てみると、相関性はさほどないことに気付く。高額所得者の所得税が増税されても、労働時間も同様に増加している。

 こういったことから、日本の所得税の引き上げは、おそらく国が誇る労働倫理の低下の原因にはならないであろう。では、政治的にどのように所得税を増税すればいいのだろうか? 累進課税は、日本の家計が許諾できる範囲内であれば(おそらく国会で法案が通過するだろう)消費税よりも魅力的である。日本国民は、米国の保守派のように所得税は勤労と成功を戒めるものとして見ているのかもしれない。所得税の引き上げに対して国民の賛同を得るには、別の角度からの説得が必要になる。

 所得税の税率がより累進的になると、どの所得者層が高額の税金を支払うことになるのだろう? 高齢者たちがその一人だ。多くの日本企業が年功序列型賃金を取り入れており、団塊世代は若い世代に比べ、高額の所得を得ている。終身雇用の見直しがゆっくりと進む中で、若年層が団塊世代が受けたような高額かつ自動的な昇給を経験することができるかどうかは疑問だ。さらに、団塊世代には若い世代が経験することのない職の安定があった。この世代に対し、これまで得てきた利益のほんの一部を国に還元するよう求めることは間違っているだろうか?

 さらにこの累進課税では、高齢者以外に誰が高額の税金を支払うことになるのだろう。それは、暗記能力に秀でた人たちだ。日本経済の成功は、大学入試試験の出来次第で決まる。日本の大学入試試験には、卓越した記憶力の良さが求められる。もちろん、高い学費を払って予備校に行き、入学試験での成績を上げることはできる。これもまた運によりけりだが、これには裕福な両親を持っていなければならない。

 このように累進課税は労働を基にした税金というより、団塊世代に生まれた運、高い暗記能力を持って生まれた運、裕福な両親の元に生まれた運、といった「運」に対する税金とも言える。運を基にした課税は、勤労を基にした課税よりも公平に思える。所得はほとんど運によって決まる、と日本国民が説得されれば、より高い税率の累進課税は消費税よりも簡単に浸透するだろう。

 この他に挙げられる理由に、日本の格差社会の進行がある。かつては世界でも有数の均衡社会であった日本は、今やスカンジナビア諸国に比べれば遥かに不均衡であり、西欧諸国と比べてもやや不均衡な社会になってしまった(それでもまだ米国ほどではないが)。格差社会の広がりは、日本が「勝ち組と負け組の社会」になる、との懸念も誘発しているが、目立った消費活動を表に出さない日本では実際にはさほどの憤りは感じられない。米国では富裕層が大きな住宅を購入しがちだが、日本では高額で高品質のブランド品を購入する傾向にあるため、日本の富裕層は「隠れ上流階級」となるわけである。

 しかし、これにもすぐに変化が訪れる。日本の労働者階級の所得が低く抑え続けられれば、所有する車や衣服、その他の物品に著しい格差が表れる。日本の富裕層はより大きな新築住宅を環境の良い場所に購入するようになり、貧困層はより小さく粗末な住居に追いやられる。そして、雇用環境が冷え込み続ければ、これらは国民の怒りの誘因になる。 高い税率の累進課税は、この怒りを緩和する一つの手段となる。課税前所得の差が大きくなればなるほど、国民は政府に対して税制の見直しを要求するだろう。このように、所得に対する累進課税は、財政ギャップを埋める簡単な方策にはなり得ないかもしれないが、日本社会が持つ憤りを軽減することはできる。

 日本が現在追い込まれている政治的かつ経済的な陥穽は、どの先進諸国もこれまで経験したことのない特異なものだ。こうした異例の事態には、革新的な解決策を模索していかねばならない。高い税率の累進課税は、国際機関や米国の保守派経済学者の間では取り上げられていないが、消費税増税の代案として是非考慮すべきである。 ノア・スミス(Noah Smith) Noahpinion
※編集部より:この投稿はノア・スミス氏の「Japan Needs a More Progressive Income Tax」を編集部で和訳したものです。原文は、アゴラトップページのディスカッションペーパーに掲載しています。  ≫(アゴラ編集部)

「世相を斬る あいば達也」さまより
https://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/b50d3d3d0c01a46413a91456ce2615f5
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●「成長戦略」から「脱成長戦略」 国のかたち、本格議論を

2018-12-08 16:08:59 | 政治・経済


●「成長戦略」から「脱成長戦略」 国のかたち、本格議論を

世相を斬る あいば達也さまより https://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/34c2c1211f4478bbcc577e5678595851 

以下の古賀茂明の「官々愕々」は2014年4月のコラムだ。古賀氏は当然、「成長戦略」の何たるかについて語ろうとしているわけだが、それも一理だが、哲学的見地、合理的見地から考える限り、成長することが「善」で、縮小後退することが「悪」という観念的枠組みからは抜け出ていない点が気にかかる。たしかに、菅官房長官と竹中平蔵らが率いるグローバル経済勢力のタッグが描く安倍官邸の「成長戦略」には、どのような国のかたちをイメージしているのか皆目わからない。つうまり、根本的認識不足は明らかだ。ただ、景気の良い話を総花的に語ることで、目先を変えようとしているだけも明らかだ。

最近ではトンと聞かなくなった「アベノミクス」は既に官邸では“禁句”になっていると思われる。打ち出した成長戦略の個別評価では、4割が未達だそうだが、根本的には10割未達の方が救いだ。つまり、安倍政権の、すべての道はGDP向上にありと云う、大戦時の関東軍のような目標立てだけで、目標が達成した後、国のかたちは斯く斯く然々と云うイメージがなかったのと同様で、彼らには基本設計図がないのである。設計図はないのだが、次々アイディアだけは竹中平蔵グループから提供されるので、成長戦略のキャッチフレーズだけは、次々と生まれる。

学者として実績もなく、新興企業の経営に身を委ねる竹中平蔵のような連中が率いるグローバル経済勢力の手先のようにさえ見える男たちは、なにが目的で、日本と云う国にダニのように吸いつき、血を吸うだけなのか、肉体をバラバラにしようとしているのか、小泉純一郎以降、この竹中平蔵が政権のどこかで、悪魔のような計画、いや、アイディアを提供しているのはたしかだ。小泉以降と云うことだから、市場原理的自由主義経済のエージェントであり、公家の憑りついた茶坊主のような風貌に騙されてるわけにはいかん。今に日本は、小泉以降のグローバル経済に下降線を迎え、あらたな世界経済の方向性が定まらない過渡期なのだ。

このような時代の過渡期においては、哲学的問答が必要なのだ。つまり、論壇や、思想家、宗教家、文系学者が活躍していなければならない時代なのだ。なぜならば、二本の別れ道に道標はないわけで、右の道の方が今までの本線のように見える。しかし、左に草生す山道がある。旅人は、思考がない場合、自動的に右に行く。しかし、左の山道を越えたところに、なだらかな平原が広がっていると云う想像に至る人々が殆どいないのが、今の日本の哀しき現状だ。

つまり、少なくとも二本の道が目の前にある。眼でさえ見える二本の道の存在すら吟味せずに、今まで通り、太そうな道を行くのは、只の馬鹿に過ぎない。まずは、左右の道の匂いくらい嗅いでみるべきだ。馬鹿の一つ覚えのように「成長戦略」と言っておけば。バカな有権者は歓ぶ。その言葉を実現しているように見せるために、国土強靭化計画、武器、原発輸出、リニア新幹線、働き方改革、移民法導入、水道法改正、カジノIR推進、東京五輪、大阪万博‥等、最終的には不可逆的悪行もあり、日本の国土はズタズタに引き裂かれそうだ。


≪官々愕々 成長戦略は「武器・原発・外国人」
三度目の正直という言葉はあるが、3回続けて失敗した後、四度目の正直を期待してよいのかどうか。
ジャンプに挑戦する葛西紀明選手の話だったら、皆信じるが、安倍晋三総理の話だと言ったらどうだろう。
安倍総理の3度の挑戦とは何か。 アベノミクスの第一の矢である金融緩和で株高と円安が進み、一気に景気浮揚への期待が高まったのが昨年の初め。第二の矢である機動的財政出動、すなわち、借金頼みの公共事業バラマキによって、建設分野ではバブルが起きるほどの好況につなげた。しかし、この2本の矢には限界がある。そこでアベノミクス第三の矢、成長戦略に期待が集まった。

成長戦略は、効果が出るまでに時間がかかる。本来は第一の矢として最初に放つべきだったが、安倍総理最初のチャレンジは政権発足後半年の昨年6月。鳴り物入りで発表したが中身がなくて、発表の最中に株価大暴落という大失態となった。安倍総理の成長戦略への期待がガタ落ちになった瞬間だ。

慌てた官邸は、「実は、この成長戦略は本物ではない、本物は秋に出す」と言い訳し、秋の臨時国会は、「成長戦略国会」と銘打った。しかし、2度目の挑戦も何も出てこないまま終わってしまった。

今年の通常国会は、安倍政権によって「好循環実現国会」と名づけられた。「『成長戦略』が不十分なわけではない。成長への好循環につなげるための最後の一押しが足りないだけだ。それを今国会でやる」という言い訳のための命名である。 しかし、'13年度補正と'14年度本予算は、ただのバラマキばかり。3度目の挑戦の目玉となる「国家戦略特区」も中途半端なもので終わった。これで、日本の成長率が上がるという識者はいない。

第三の矢に期待できなければ、第一、第二の矢しかない。しかし、おカネはジャブジャブにして、国の借金をどんどん増やしても、人手不足で公共事業の消化もままならない。企業も、投資する資金はあっても付加価値を高めるイノベーションがないので、結局、コストカットへと再び向かう。公共事業のためにも民間企業のためにも安い労働力が必要ということになり、建設分野への外国人労働者活用の拡大が決まった。

人々の生活の質を高めるためには、高い給料をもらえる職場の創出が最重要だ。その意味では、付加価値の低い分野で、人手不足という理由だけで外国人を大量流入させるのは、本筋から外れた一時しのぎでしかない。このままでは、昔のように公共事業に頼る経済に逆戻りするだけである。

そこで、対策はないのか、と考えたわけではないだろうが、ここへ来て武器輸出と原発輸出の動きが加速している。武器輸出三原則廃止で、武器輸出が原則禁止から原則解禁となったことで、水面下の動きが一気に表面化して来た。米国だけだと思ったら大間違い。英、仏、豪、印、フィリピン、ベトナム、トルコなどいたるところで企業間、政府間で武器や武器技術輸出の相談が始まっている。 原発輸出も、トルコやUAEとの原子力協定が衆議院を通過し、さらに加速されていく。

今や、日本の成長戦略の三本柱は、「武器と原発と外国人」になった感すらある。

一頃三本柱と言われた、医療、農業、電力の3分野はどうなったのか。利権にまみれた自民党族議員と官僚達は、引き続き、本丸は死守するつもりだ。 「岩盤規制を打ち破るドリルの刃になる」という安倍総理の言葉。4度目の挑戦は、6月に出る成長戦略だが、「四度目の正直」を信じる気には、どうしてもなれない。
 ≫(現代ビジネス:官々愕々:古賀 茂明)


家にあるものは、何でもいいから“メルカリ”に出品してみようと思われるような国家になってきた。成長を望むのが悪いとは言わないが、根拠なく願望は、挫折を伴うもので、国家を動かすには不適な意思決定だ。本質的で、根本的な方向性も定めずに、“風が吹けば桶屋が儲かる”と云った低俗な発想、思いつきだけで、泳ぎ切れる世界ではなくなっていると云う認識が欠如している。20代30代の国民の多くは、現状が維持されれば良い、これ以上、良くも悪くもならなくて良いのが彼らだ。彼らは、身に滲みて定常経済を望んでいる。無論、そんな言葉を知らずにだ。

中国の人口、あくなき学びの姿勢、本質的に利巧な漢民族。国連の常任理事国にして核保有国。このような国と経済で張りあう?どうにも判らない。おそらく、日本人の方が中国人より優れていると云うスリコミ精神が仇になっているように思える。中国と同一土俵で競り合うとか、アメリカとも張りあうとか、同じ土俵に立っていると云う、これこそが認識不足の最たるものだ。彼らがアメフトで競っているのであれば、日本は茶道や能、アニメ、京都・奈良で張りあえば良い。つまりは、同一次元で、やいのやいの主張することは愚かなのだ。そう云う意味で、安倍政権の経済政策、成長戦略は、ことごとく、計画した時点で間違っている。

*以下に、朝日の安倍成長戦略未達検証記事と、日本経済新聞の来夏以降打ちだされるトンチンカン成長戦略の情報がある。まあ、どちらにせよ根本的に間違っているのだから、間違いを重ねるのみだが、読んでおいて損でもない。


≪成長戦略、目標4割未達 安倍政権の目玉も 16年重点施策
 2016年の政府の成長戦略で、重点施策として掲げられた134項目の4割が目標に達していないことが1日、明らかになった。安倍政権が目玉施策として取り組む「人づくり革命」や「生産性革命」に関する分野でも未達成が目立つ。
 この日開かれた政府の未来投資会議で、成長戦略の達成状況をまとめた報告書が示された。大半の施策は20年度ごろを最終的な目標達成時期としており、今回は中間評価として今年1月時点の進み具合を自己評価した。134項目のうち、最終目標の達成に向けて順調に進んでいるとして「達成」とされたのは60項目(約45%)。一方、40%にあたる54項目が「達成」には至らず、進捗(しんちょく)が不十分だった。
 成長率の引き上げには、労働生産性の向上が欠かせないが、サービス産業は20年までに伸び率2・0%との目標を掲げるものの、16年は0・2%にとどまった。
 人手不足が深刻な介護現場での活用が期待されているロボット介護機器の市場規模も、20年で500億円との目標に対し、15年は24・4億円だった。政権が進める「リカレント教育(学び直し)」も道半ばだ。大学や専門学校で学ぶ社会人の受講者数は16年9月時点で約12万人と、18年に24万人にするとの目標の半分にとどまる。世界ランキングでも苦戦している。イノベーション(技術革新)の世界ランキングは、13~14年の5位から17~18年は8位に後退。世界銀行のビジネス環境ランキングも13年の15位から18年は24位と下げた。
 一方で「達成」となったのは、17年度までに新たに企業1万社の海外展開をすることや、訪日外国人旅行者数を20年に4千万人に増やすなどの目標だった。
 大和総研の神田慶司シニアエコノミストは「表面的な評価だけでなく、達成できない原因を十分に精査し、優先順位をつけて政策に取り組む必要がある」と指摘する。  (松浦祐子)  

 ■成長戦略で未達とされた主な施策  
<施策> 中小企業・小規模事業者の業績  
<最終目標> 2020年までに黒字企業140万社  
<実績> 約92.3万社(16年度)   
  *  
<施策> サービス産業の労働生産性  
<最終目標> 20年までに伸び率2.0%  
<実績> 0.2%(16年)   
  *  
<施策> ロボット介護機器の市場規模  
<最終目標> 20年に約500億円、30年に約2600億円  
<実績> 24.4億円(15年)   
  *  
<施策> ロボットの国内生産市場規模  
<最終目標> 20年で製造分野1.2兆円、非製造分野で1.2兆円  
<実績> 製造分野で約7160億円(16年)、非製造分野で約1239億円(15年)   
  *  
<施策> 農地活用  
<最終目標> 23年までに全農地面積の8割を担い手が活用  
<実績> 54.0%(16年度末)   
  *  
<施策> イノベーション世界ランキング  
<最終目標> 17年度末までに世界第1位  
<実績> 8位(17~18年)   
  *  
<施策> 世界大学ランキング  
<最終目標> 23年まででトップ100に10校以上  
<実績> 6校(17年)   
  *  
<施策> 40歳未満の大学本務教員の数  
<最終目標> 20年度末までに1割増(4万8139人に)  
<実績> 4万3452人(16年度中間公表)   
  *  
<施策> 企業から大学などへの投資  
<最終目標> 25年までに3倍増(3453億円に)  
<実績> 1244億円(16年度)   
  *  
<施策> パートを除く転職入職率  
<最終目標> 18年までに9%  
<実績> 8.0%(16年)    
 *  
<施策> 大学・専門学校などでの社会人受講者数  
<最終目標> 18年で24万人  
<実績> 約12万人(16年9月)    
 *  <施策> 普通教室への無線LANの整備  
<最終目標> 20年度までに100%  
<実績> 33.2%(16年度)    
 *  
<施策> 世界銀行のビジネス環境ランキング  
<最終目標> 20年までに3位以内  
<実績> 24位(18年)
 ≫(朝日新聞デジタル)


≪成長戦略仕切り直し 技術革新・雇用・地方を柱に
  政府、来夏めど実行計画
政府が5日に開く未来投資会議は、新しい成長戦略の議論のキックオフとなる。イノベーションと雇用、地方対策の3つを柱に細部を詰め、2019年夏をめどに今後3年間の工程表を含む実行計画をまとめる。19年10月の消費増税や20年の東京五輪後の景気の下振れに備え、日本経済の成長力を底上げすることが課題になりそうだ。

アベノミクスは第一の矢である金融政策と第二の矢の財政政策、そして第三の矢の成長戦略からなる。市場は第一と第二の矢については一定の評価をしてきたが、足元では日銀は金融緩和の修正に動いており、財政状況は依然として厳しい。第一、第二の矢にはこれ以上頼れず、政府は第三の矢のてこ入れに動く。

19年10月には消費税増税が予定され、20年夏の東京五輪後には需要が落ち込む見通しだ。世界経済は米中の貿易戦争や新興国経済の不透明感から必ずしも先行きは明るくない。

こうした環境変化を乗り越えられるよう、日本経済を強化するのが狙い。そのために少子高齢化や人手不足という課題を解決して労働生産性を引き上げ、持続的な経済成長の実現をめざす。

イノベーションの推進をうたう第4次産業革命では、人工知能(AI)やロボットなどを活用し、労働生産性の向上につなげたい考え。フィンテック分野では、個人間でスマホだけで簡単に送金できるような規制緩和に踏み込む。現行は上限が100万円でこの引き上げを検討する。

オンライン診療の保険適用となる診療科の拡大も取り上げる。現状は生活習慣病などに限られており、どこまで対象を広げられるか議論する。オンラインでの服薬指導を全国に拡大するかについても課題として挙げた。タクシーの相乗り導入のため、法令上のルールを整備するほか、自家用車での有償運送をやりやすくする方策も検討する。

労働分野では雇用の裾野拡大に加え、市場の流動化を推進する。65歳以上への継続雇用で労働力を確保するほか、人生100年時代を見据え、中途採用の拡大や新卒一括採用の見直しも進める。官民の協議会を立ち上げて、どういう制度が望ましいかを議論する。

ただ負担増や給付の削減など社会保障の痛みを伴う改革には踏み込まない見通しだ。当面は病気の予防などを通じて、健康寿命の延伸に力を入れる。内閣官房幹部は「(社会保障改革は)来年夏以降に話すことになる」と話す。統一地方選や参院選を控え、国民に痛みを求める政策は手をつけにくいとの判断だ。

地方対策では、人口減少を背景にした経済の停滞に懸念がある。中核都市の機能強化と、東京など大都市への一極集中の是正をとりあげる。地方での外国人労働力の活用や、限界集落など人口急減地域の活性化など話し合う。

安倍政権はこれまで6回の成長戦略をつくってきた。だが回を重ねるごとに「政策が小粒」との批判が出て、目玉政策の不在が指摘されている。成長戦略に盛り込んでも、達成できていない政策も少なくない。実効性のある政策をしっかりと実現して経済成長につなげられるかがカギとなる。
 ≫(日本経済新聞)
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