土曜日の朝、何となく好きで見ているTV番組がある。
TBS系の『知っとこ!』。
その中の『こどものみかた』というコーナーが好きなのだ。
毎回、関西のこどもの(制作が関西の方らしい)希望を叶えてあげる。
しかし、おとな(お笑い芸人らしき人)は基本的に手伝わない。
アドバイスや手助けはしてあげても、
あくまでも、子ども自身の手でやらせるのが主旨。
『●●の為に××してあげたい』という、こどもの気持ちを形にするお手伝いをする。
今朝は、小学低学年の兄弟が主人公だった。
大阪に住み、なかなかふるさとの鹿児島に帰ることができないジイジの為に
ジイジが子供の頃に食べていた”さつま揚げ”を作ってあげたい!という希望。
ジイジのお姉さん(鹿児島在住)に電話をし、
作り方を訊き出し、
材料の華アジ(大阪では手に入らない)を送ってもらい、
田舎豆腐(木綿より硬い)は、大豆から手作りをする。
アジを切ったり、豆腐とすり合わせたり、
油で揚げたり・・・・。
途中、喜んだり、アクシデントがあったり、泣いたり笑ったりしながら
ジイジに喜んでもらうためにまだ幼い兄弟が頑張る。
ジイジが「美味しい!子供の頃を思い出す」と喜ぶのを見て
泣き出す兄弟。
『これを食べて、病気を治して欲しい』
泣いたわ~。
朝から号泣してしまったわ~。
中尾彬さんも、ネジネジで拭かんばかりに涙を流してらしたわ~。
鹿児島。
さつま揚げ。
このキーワードで、一気に蘇えるわたくしの記憶。
高校生のとき、私の修学旅行は九州一周だった。
あま~り、熱心に学生生活を送っていなかったので、
修学旅行の記憶も曖昧模糊としている中、
唯一、ハッキリと憶えている事がある。
鹿児島の仙厳園(磯庭園)を見て回った私達は、
次の移動の為にバスに乗り込んだ。
ゆるゆると数台連なって走り出す観光バス。
車内では「次、どこ~?」「なんか疲れた」と
ダルイ会話がそれぞれ交わされてたと思う。
急に、一人の男子が大きな声で叫んだ。
「あれ?あれ??じいちゃんとばあちゃん!!!!!!」
なに?なに??と騒然とする中、
担任がバスを止める。
慌てて車外に飛び出す男子を、バスの中から眺める私達。
ちょうど昼に近い頃で、よく晴れていた。
真上から、鹿児島の明るい太陽の日差しを受けて
男子生徒と、年老いた老人と老婆が立っている。
本当に短い再会とやりとりで(5分も無かったはず)、
またバスに戻ってきた男子生徒は、真っ白い紙の箱を持っていた。
席に戻りながら、
「うちのお袋に聞いて、わざわざ来てくれたんだって!!」
と興奮しながら説明をする。
久しく会っていない孫にひと目会うために、
広い駐車場に止まっている大型バスを、
一台一台確かめていたんだろうな。
どれ位待っていたのかな。
バスに乗っていた全員が窓を開け、
走り出すバスの窓から、老夫婦に向けてみんなで大きく手を振る。
男子は身を乗り出して、
『じいちゃ~~~ん!!ばあちゃ~~~ん!!』
大きく、大きく手を振っていた。
真上から照らす初夏の太陽を受けて、顔の部分が陰になってしまった二人が
広い広い駐車場にポツンと佇みながら、
やっぱり、大きく大きく手を振っているのが見える。
小さくなる二人と、眩しい日差しが
今でもハッキリと蘇えってくるのだ。
二人の姿は見えなくなり、
車内の興奮状態も、徐々に収まったころ
前方の席から、白い箱が回ってきた。
二人と別れたときに、男子生徒が持っていた紙の箱。
前の生徒から受け取ってみると、その箱はほのかに温かい。
ふたを開けてみると、
たくさんの、たっくさんのさつま揚げ。
まだ温かく、すこし焦げているところもあるさつま揚げが、幾つも幾つも詰まっていた。
香ばしくて、少し甘くて。
関東で食べるのと違って、中身が少し黒っぽい。
いままで食べたことの無いさつま揚げ。
おいしい、おいしい、と
口々に言いながら、私達は涙ぐんでいた。
何だか泣けた。
私の修学旅行は、
あのおじいちゃんとおばあちゃんのさつま揚げが全てかもしれない。
TBS系の『知っとこ!』。
その中の『こどものみかた』というコーナーが好きなのだ。
毎回、関西のこどもの(制作が関西の方らしい)希望を叶えてあげる。
しかし、おとな(お笑い芸人らしき人)は基本的に手伝わない。
アドバイスや手助けはしてあげても、
あくまでも、子ども自身の手でやらせるのが主旨。
『●●の為に××してあげたい』という、こどもの気持ちを形にするお手伝いをする。
今朝は、小学低学年の兄弟が主人公だった。
大阪に住み、なかなかふるさとの鹿児島に帰ることができないジイジの為に
ジイジが子供の頃に食べていた”さつま揚げ”を作ってあげたい!という希望。
ジイジのお姉さん(鹿児島在住)に電話をし、
作り方を訊き出し、
材料の華アジ(大阪では手に入らない)を送ってもらい、
田舎豆腐(木綿より硬い)は、大豆から手作りをする。
アジを切ったり、豆腐とすり合わせたり、
油で揚げたり・・・・。
途中、喜んだり、アクシデントがあったり、泣いたり笑ったりしながら
ジイジに喜んでもらうためにまだ幼い兄弟が頑張る。
ジイジが「美味しい!子供の頃を思い出す」と喜ぶのを見て
泣き出す兄弟。
『これを食べて、病気を治して欲しい』
泣いたわ~。
朝から号泣してしまったわ~。
中尾彬さんも、ネジネジで拭かんばかりに涙を流してらしたわ~。
鹿児島。
さつま揚げ。
このキーワードで、一気に蘇えるわたくしの記憶。
高校生のとき、私の修学旅行は九州一周だった。
あま~り、熱心に学生生活を送っていなかったので、
修学旅行の記憶も曖昧模糊としている中、
唯一、ハッキリと憶えている事がある。
鹿児島の仙厳園(磯庭園)を見て回った私達は、
次の移動の為にバスに乗り込んだ。
ゆるゆると数台連なって走り出す観光バス。
車内では「次、どこ~?」「なんか疲れた」と
ダルイ会話がそれぞれ交わされてたと思う。
急に、一人の男子が大きな声で叫んだ。
「あれ?あれ??じいちゃんとばあちゃん!!!!!!」
なに?なに??と騒然とする中、
担任がバスを止める。
慌てて車外に飛び出す男子を、バスの中から眺める私達。
ちょうど昼に近い頃で、よく晴れていた。
真上から、鹿児島の明るい太陽の日差しを受けて
男子生徒と、年老いた老人と老婆が立っている。
本当に短い再会とやりとりで(5分も無かったはず)、
またバスに戻ってきた男子生徒は、真っ白い紙の箱を持っていた。
席に戻りながら、
「うちのお袋に聞いて、わざわざ来てくれたんだって!!」
と興奮しながら説明をする。
久しく会っていない孫にひと目会うために、
広い駐車場に止まっている大型バスを、
一台一台確かめていたんだろうな。
どれ位待っていたのかな。
バスに乗っていた全員が窓を開け、
走り出すバスの窓から、老夫婦に向けてみんなで大きく手を振る。
男子は身を乗り出して、
『じいちゃ~~~ん!!ばあちゃ~~~ん!!』
大きく、大きく手を振っていた。
真上から照らす初夏の太陽を受けて、顔の部分が陰になってしまった二人が
広い広い駐車場にポツンと佇みながら、
やっぱり、大きく大きく手を振っているのが見える。
小さくなる二人と、眩しい日差しが
今でもハッキリと蘇えってくるのだ。
二人の姿は見えなくなり、
車内の興奮状態も、徐々に収まったころ
前方の席から、白い箱が回ってきた。
二人と別れたときに、男子生徒が持っていた紙の箱。
前の生徒から受け取ってみると、その箱はほのかに温かい。
ふたを開けてみると、
たくさんの、たっくさんのさつま揚げ。
まだ温かく、すこし焦げているところもあるさつま揚げが、幾つも幾つも詰まっていた。
香ばしくて、少し甘くて。
関東で食べるのと違って、中身が少し黒っぽい。
いままで食べたことの無いさつま揚げ。
おいしい、おいしい、と
口々に言いながら、私達は涙ぐんでいた。
何だか泣けた。
私の修学旅行は、
あのおじいちゃんとおばあちゃんのさつま揚げが全てかもしれない。
おはようございます。土曜の朝はほっとします。
僕は中学のときが九州一周でした。
クラスで5-6人の班が作られており、そのひとつの班長だったんですが、就寝時間を過ぎてうるさくしていたので、すごく怒られました。
その後、終りまで園長先生と同じバスで隣りに座らされました。。。
懐かしい思い出です。
でっちゃんのコメントを読んで、記事にした以上のエピソードを思い出そうとしたのですが、
ほとんど記憶に無いのです。
断片的にはあるんですけどね。
なかなか会えないお孫さんのために、さつま揚げをもって、待っていたおじいちゃんとおばあちゃん。なんだか、すごくあったかい気持ちになりますよね。
何よりも素敵な思い出ですね。
一週間かけて周った修学旅行なのに、
強烈に印象に残っているのは
この思い出です。
何よりも、思春期の生意気盛りの私達の心を
大きく揺さぶった愛情だったからかもしれません。
その男の子、ほんとに嬉しかったんだろうなあ。
生意気盛りでかっこつけて
「わざわざ来ちゃって」みたいなこと言う子もいそうなのに…。
(いや、ほんとは嬉しくても同級生の前ではかっこつけて、ってことですよ)
こんな素敵な思い出があれば、
確かに他のことは吹っ飛んじゃうかもしれませんね。
いいお話を読ませていただきました。
ありがとうございました。
そうですね、生意気盛りな頃ですよね。
考えてみたら、素直な反応ですねえ(笑)
それくらい、インパクトが強かったのかも。
おじいちゃん、おばあちゃんの一心の愛情は、本物だから胸を打ったんでしょうね。
こんな素敵なエピソードをシェアして下さってありがとうございます
私もこれから、薩摩揚げを食べる時、このお話を思い出すんだろうな…😊✨
ありがとうございます❤️
タイムマシーンに乗っていらっしゃいませ。
わたくしにとってとても大切な思い出を読んでくださりありがとうございます。
自分でも、あらためて涙ポロリです。
葉月
読んでくださりありがとうございます❤
この思い出の光景は、とても鮮明に思い出せるんです。
おじいちゃん、おばぁちゃんの立ってる様子とか、さつま揚げの形や温かさや甘さとか。
欲の無い、純粋な愛情。
冒頭の幼い兄弟のさつま揚げ作りも同じですよね。
akiさまが愛猫や愛蛙を愛する気持ちと同じかも…ですね。
葉月