中丸美繪ブログ

モーストリー・クラシック誌上で井口基成伝連載中。小澤征爾伝も引き続き執筆中。
その取材と裏話


祝!!!小澤さん、ベルリン・フィルを振るー村上春樹さんレポート

2016-05-25 10:20:03 | 日記
小澤征爾さんがベルリン・フィルを振りました!
村上春樹さんが、その様子を文藝春秋に詳しくレポート!

わたしは小澤さんの伝記をかいていることもあり、喉から手が出るほど、ベルリンに行きたかったけれど、三月からひいている風邪が喘息ぎみで、行けず・・・。
でもおかげで、詳しくわかりました。

そういえば、小澤さんのお兄さんの俊夫さんに取材したとき、「征爾がもういちどベルリンかウィーン・フィルを振るのを見たい」といってらしたけれど、これが、とうとう実現したわけです。
その直前、小澤さんは、三月末、水戸室内をサントリーで振っていて、わたしは、まだ日本にいて、大丈夫なんですか、小澤さん!!!早く、ベルリンにいって、時差やら気候に体調合わせたほうがいいんじゃないですか、とおもったのですが。
予想どおり、本番前かなり体調わるかったようで、リハーサルはたいへんだったらしい。

そのあたり、
欧州には現地在住の情報提供者もいて、現地のことは詳しくわかりました!
     *
最近は便利な世の中になりました。
な、なんと、ベルリン・フィルのホームページからはいると、現地でのコンサートを聴く、見ることができるのです。
今回は、小澤さんの二日目のものがアップされていて、第1日目を詳細につたえてくれた村上さんの報告とやや違いますが、素晴らしいコンサートが聴けました。

そもそもこのコンサートは、村上さんは、友情?からか、明らかにしておりませんが、ズービン・メータの80歳の誕生日を記念して計画されていたものを、メータが予定を変更してきたため、小澤にアプローチしてきたというもの。

わたしの期待は、ベルリンなら、小澤さんもフルに振る!!というものでした。
というのは、過日、オペラ録音部門?(パフォーマンスでなく、録音賞とはどういうもの?)のグラミー賞を受賞した「子どもと魔法」が、サイトウ・キネン・フェスティバルで上演された2013年のときも、「小澤、完全復帰」といわれながら、この作品は1時間もないので、後半は「スペインの夜」というこれまた短い作品を、指揮者も交代して上演しました。

その後、小澤さんは、サイトウ・キネンで振るときは、前座の指揮者?をおくようになったり、新日本フィルでおこなわれた特別コンサートでも、やはりそうでした。
それまで何度かキャンセルがあったり、そういうことで、主催者側も小澤さんに振ってもらいたい、しかし、体力もまだないし、突然のキャンセルも困るということで、万が一のときには、もう一人の指揮者に振ってもらう、という安全策をとったわけです。なかなか考えます!
元気な小澤さんをともかくもファンに見せる、聴かせるための最良の手段だったというわけです。

そんなコンサートやら、オペラがずっと続いていました。
昨年から、サイトウ・キネン・フェスティバルは、恩師の名前でなく、セイジ・オザワ・松本フェスティバルとなりました。
この記念すべき第一回に、小澤さんはベルリオーズのオペラを振ることになり、今度こそが復帰と期待はふくらみました。

だ、だが、なんんと、6月末ごろのスイスの室内楽アカデミーあたりに風邪をひき、それがなかなかなおらず、奥志賀のセミナーに突入。
奥志賀のセミナーは、現地と東京オペラシティで、コンサートが開かれるのが慣例ですが、このコンサートの指揮もキャンセル。それで病院で検査しましょう、となったらしく、入院したのが7月末。
それは単なる風邪の症状だったようでしたが、そのとき風呂場で転んで、軽い骨折をしたというのです。

それで、オペラの指揮は別の代役で・・・・となった。
さらに、9月は・・・・バースデー・コンサートは、というと、ここではアルゲリッチの腕を支えに登場。
・・・・このあたりは、モーストリー・クラシック一月号を読んでください。
このベートーヴェンの「合唱幻想曲」は素晴らしかった。
なんでも、アルゲリッチはこの曲を演奏するのは、初めてで楽譜を見ていたが、さすがでした。
彼女は広島で秋山和慶指揮の広島交響楽団に招かれたあと、松本にむかったのでしたが・・・このときの彼女の話は、単行本になったときに書きますね。(中公より出版)
結局、昨年も、小澤さんがひとつのコンサート丸ごと振ることはできなかったわけです。

しかし、ベルリンでは、そんなこともなかろう、とわたしは想像していました。

実際には、
前半は、指揮者なし・・・モーツァルト「グラン・パルティータ」K361
 12人の管楽器奏者とコントラバスによる演奏です。これが村上さんは、「アンサンブルはあまりに緻密すぎて、ところどころで息苦しく感じられる。情より知が勝っている部分が多いからかもしれない。音楽としてはたしかに立派なのだけれど、その響きはモーツッァルトの魂のあり方から少し外れているのではないか」との感想でした。
ところがわたしには、この演奏がきわめてロマンチックに聴こえて、大感激してしまいました。テンポもかなり遅く、ドイツ人のもっているロマンチックな感性が全開。
この演奏で、わたしは、ベルリン・フィルのデジタルコンサートの常連になりたい、と思ったほどなのです。

休憩のあと、小澤さんの「エグモント」
これまた素晴らしい演奏で、10分あまりの指揮で、小澤さんは完全燃焼したといえるでしょう。聴衆のほうも。
もっとも、村上さん報告の第1日目=現地新聞には、観客の半分近くが日本人=と違って、登場したときから「これほど熱く歓迎される演奏家はまずほかにいないだろう」というほど、ではなかった。二日目は日本人が少なかった???
朝比奈隆が晩年に登場したときの風景をわたしは想像していたが、そういうものではなかったです。
意外とあっさり小澤さんは登壇し、演奏が始まりました。
しかし、これはすばらしかった。これまでの小澤さんのエグモントのなかでも!
小澤さんは「エグモント」がとっても好きで、山本直純さんの追悼記念コンサートでも指揮したい、といったらしい。
井上道義さんから、聞いた話だ。しかし、直純さんとエグモントは合わない・というので、なんとかご遠慮願ったということだったらしいが、結局、小澤さんは、本番はパスしたらしい。

そして、ベルリンでのメインは、「合唱幻想曲」だった。昨年の小澤フェスと同じ曲です。しかし、
アルゲリッチでなく、小澤さんのお友達のピーター・ゼルキンだったが、どうも、指が・・・・なにか、病気だろうか。
村上さんご報告第一日目はさんざんだったようだが、二日目も、ぎごちなさがある。

と、そういうわけで、小澤さんのベルリンも、またコンサートをまるごと振らなかったけれど、大感激のうちに、大いに会場をわかせ、歓迎されて終わったという次第である。
しかし、つぎのベルリンは???

うーん、それはちょっと難しいのではないかな・・・。やはり丸ごと振らないと・・・・。それともベルリンは前半、指揮者なし・・・でまた小澤さんを登場させてくれるでしょうか。

お孫さんができてから(娘さんが結婚)小澤さんは、急に元気になったといわれています。
今年のサイトウ・キネンは、あ、いや、小澤キネン。。といってもいいとおもいますが、松本は、どのようになるでしょうか?
とっても楽しみな夏です!

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