結果発表です。
暑いとしか挨拶のできない毎日。
オリンピックも高校野球も。
みんな暑いばかりです。
明太子ピザの燃え色百日紅 藤三彩
〇(瓦すずめ)明太子ピザの燃え色ってどんな色なのでしょう。興味をそそられました
下町のバスから溶けてゆく炎暑 宙虫
◯ (アゼリア)人も溶けそうな暑さですね。無事に秋を迎えたいものです。
〇(まきえっと)本当に溶けそうです。
〇(とっきー)きつい炎天を避けて、どこか涼しい所へバスに乗って出掛けたいと思う心の葛藤でしょうか。
◎(道人)17文字全体に詩情が溢れている。特に中七が味わい深い。何もかも溶けてしまいそう。
◎(敏)庶民の乗り物、下町の乗り合いバスはいつもぎゅうぎゅう詰め。最近の体温にも達するような炎暑をまざまざと実感させてくれます。
〇(瓦すずめ)バスが溶けそうに思えるほどの熱さが伝わってきます
〇(呆夢)バスが溶けるという発想が気に入りました。
〇(泉)本当に、あまりの暑さにバスが溶けてしまう様です。
◯(あちゃこ)炎天下の町を上手く切りとっています。中七がいいですね‼︎
◎(幹夫)炎暑に焼けつく鋼鉄のバスが感じられました。
片かげり哲学者ぶる招き猫 瓦すずめ
◯(道人)片陰の奥深くで、人の世の移ろいを凝視している招き猫。「哲学者ぶる」が言い得て妙。
〇(春生)「哲学者ぶる」に発見がある。
テキサスにゐて飄飄乎と百日紅 瞳人
白南風や親しき街の知らぬ家 珠子
◎(まきえっと)自分では知っているようで全然知らないのが近所の気がします。
〇(とっきー)知り尽くした街の中に自分の知らない家があったという驚きに梅雨明けの風が吹く、季節の移ろいと共に時の移ろいも感じます。
◯(道人)平明で、三つの写真の全体観がすっと入って来ます。「し」の調べも心地良いですね。
〇(仙翁)町も変わっていきますね。面白い。
〇(餡子)なるほどですね。3枚からうまく作られたと思います。住んでいる町にこんな感覚を持ったことありますね。
〇(多実生) 慣れ親しんだ街でも、なるほど知らない家ばかりです。
◎(あちゃこ)確かに。私の街もそうです。優しい言葉なのに深い。白南風より違う季語の方が?
〇(宙虫)風向きが変わって違うものが見える。実感します。
バス通り学生早桃食べ歩く ちせい
百日紅時刻違わずバス走る 多実生
〇(まきえっと)これだけ空いている道路なので、時刻通りに来そうですね。
〇(アネモネ)当たり前のことに思っているけど、ほんと「時刻たがわず」なんですね。
バスを待つ緑の中の百日紅 仙翁
○(ちせい)季語は「百日紅」。バスを待って居ると百日紅の花が印象的であった。緑の中の百日紅。
〇(幹夫)写真の景が佳くとても詠まれていると思いました。
(選外)(瓦すずめ)バスを待っている間、自然に目が行く。心穏やかに待っているのが伝わってきます
アンテナの真西向きたる初嵐 アネモネ
〇(春生)季語「初嵐」の斡旋が成功した。
大義なき暮らしビール冷えてるかい あちゃこ
◎ (アゼリア)この猛暑、命あっての大義と言いたくなります。冷えたビールで夏を無事乗り越えたいものです。
〇(瓦すずめ)大義という大きな力のある言葉のあとに「ビール冷えてるかい」という日常的な言葉があるのがおもしろいな、と思いました。無頼派の中年を連想しました。
〇(アネモネ)「大義なき暮らし」なるほど。「ビール」への飛び方が上手い。
〇(泉)平凡な毎日。ビールが美味しいですね。
水やりの姑にものいうさるすべり 呆夢
〇(まきえっと)どんなこと言っているか聞いてみたいです。
◯(道人)俳諧味溢れる句。百日紅の平仮名表記も嫁に扮した「猿」が喋っているようです。どんな会話だったのでしょうか。
〇(藤三彩)姑を「はは」と読ませるのだろうが、「しゅうとめ(姑)」である。何かを言いたくても言えないことを百日紅に言わせる嫁の心地が推し量られます。
庫裏の僧カウチポテトや百日紅 アゼリア
停電に社会が止まる炎天下 泉
〇(幹夫)現代社会における炎天の厳しさが佳く詠まれていると思いました。
夏空にオリンピックの靴が鳴る 幹夫
〇(珠子)「靴が鳴る」が不気味なものも連想させますが、オリンピックもひとつの戦場です。熱くさわやかな戦いを見せていただきたいものです。
〇(瓦すずめ)オリンピックの靴の響きは、きっと夏空まで届くのでしょう。夏空の爽やかさとスポーツをする靴の音はあってると思います!
◯(あちゃこ)靴が鳴るという歌がありました。明るい取り合わせがいいですね。
梅雨明や定時に閉じるバスのドア 珠子
◯ (アゼリア)都会のバスは定時に出発するんですね。羨ましいです。鄙のバスはいつも遅れてきます。炎天下月見草とバスを待っています。
〇(とっきー)定時にきっちり閉まるバスのドア、梅雨明けの気分があって良いと思います。
〇(餡子)私もよく都内のバスをつかいますが、時間通りに動きます。早くついて、「2分ほどお待ちください。」定時になると「発車します」とドアがしまります。
〇(ルカ)非情にも、閉まる時は閉まるドアが、ここにも。
〇(藤三彩)天候にも渋滞にも左右されないで、時刻表通りにバスが来てしまう不思議。
◎(アネモネ)「定時に閉じる」には驚きました。
日盛りや喉ごしのよい麺を食う まきえっと
◎ (多実生) 賛成、賛成、暑い日は冷え麺に限ります。喉ごしに実感がこもる。
〇(呆夢)おいしそうです。
異人館の天焦がしたり百日紅 敏
蝉鳴くやウインクしをる招き猫 瓦すずめ
蝉の声引き連れ迷路のような街 あちゃこ
〇(まきえっと)迷路のような街が良いです。
〇(敏)目的地を探し回っているときなど、たしかに蝉声につきまとわれているような気分になりますね。
〇(仙翁)彷徨っている様子が浮かびます。面白い。
◎(ちせい)季語は「蝉」。蝉声に迷路のような街俳句的俳号だと思いました
〇(餡子)どうという事のない町の様であるが、知らないものには迷路めく。
〇(多実生)わが町も冒険散歩で迷路に嵌る事あり。立木があれば蝉の声ですが引き連れが面白い。
〇(瓦すずめ)いつまでも続く蝉の声は不安を書きてるように思います。初めての街でならなおさら。
〇(呆夢)知っている道でも、迷うことありますね。うるさい蝉の声が聞こえてきます。
〇(ルカ)「引き連れ」が上手い表現です。
〇(春生)下町の様子を具体的に捉えている。雰囲気のある句。
〇(宙虫)迷路のようながもったいない表記だと思うけど、どこを歩いても蝉が鳴くビル街に迷い込む感覚はあります。
古戦場跡を素通り夏の空 ちせい
〇(ルカ)古戦場とわかっていてもあえて素通りした作者の心情を思います。
◯(あちゃこ)3枚の写真の吟行を素通りという言葉で上手く表現してますね〜
昼休み無人の工場蝉の鳴く 仙翁
○(ちせい)季語は「蝉」。廃墟に蝉が無き俳句心を刺激される。
〇(多実生)町工場も静かな昼休み、蝉の声が気になります。
訳ありの家に真っ赤な夾竹桃 とっきー
〇(敏)真っ赤な夾竹桃をさかせている家に、何かありそうなと感じたのでしょうね。確かにあの色には妖しさが漂っています。
豪雨などなかった様な夏の空 多実生
〇(まきえっと)よく降りましたよね。雨上がりってどの写真もそんな感じです。
◎(とっきー)底抜けに明るい夏の空を見ていると、土砂降りも豪雨も無かったような思いになります。夏空の突抜感が強烈です。
〇(珠子)日本は亜熱帯になってしまったのでしょうか。梅雨の明けてからの空は連日こうです。あっけらかんとした青い夏空。
〇(藤三彩)九州も熊本は地震の後も集中豪雨が続き大変なことでした。お見舞い申し上げます
〇(幹夫)豪雨の後のぎらぎらした夏の空が存分に詠まれています。
夏休み冒険と言うバスに乗る とっきー
〇(珠子)停留所ごとにいろいろな冒険が待っているバス。ほしいですね。
〇(敏)中学一年の夏休み、同様の経験をしました。行き先を決めず、適当な停留所で降り、あちこち彷徨った揚句、帰りのバスに乗り遅れてしまい、近くの農家の方の三輪自動車で送っていただいた記憶が甦りました。
◎(餡子)いいですねえ。上手い句だなあと思います。3枚から、こういうイメージを持てる感性に脱帽です。
〇(ルカ)小学生の大冒険。日常が冒険になる瞬間。
〇(呆夢)乗って一緒に行きたいです。
◎(泉)昔も今も、子供の一人旅は正しく「冒険」ですね。
◎(藤三彩)お祖父さん、お祖母さんのところへリックを背負う子供をひとりバスに乗せる。夏休みと冒険が懐かしい言葉。
八月の無人のバスの通り過ぐ ルカ
◯(道人)本句の八月は色んな読み方が出来る。帰省月でもあり、原爆忌や終戦日の月でもある。
◎(仙翁)単純だけどいいですね。無人のバス、効いてます。
梅雨明けの停車場無人のバス送る 道人
〇(仙翁)無人のバスを送る、とは、何となく面白いですね。
〇(多実生)客の少ない日中は小型のバス、企業努力が見えます。
バスに乗る悪女は猫背さるすべり 宙虫
◯(道人)この百日紅も平仮名表記が佳い。猫背が効いている。百日紅と悪女が一体となった魔法のような秀句。
〇(敏)バスに乗ってきたのが悪女なのか、バスに乗ったら猫背の悪女がいたのかわかりませんが、「悪女は猫背」の断定が妙に心地よく、さるすべりにとりついた猫を幻視しました。
原発や電気がありて部屋涼し 泉
空つぽのバスを乗り継ぎ盆帰省 アネモネ
◯(アゼリア)空っぽのバスは少し淋しいですが、もうじき故郷に着きますね。
〇(珠子)まさにこの通りです。帰省ラッシュは東京の駅のことで、新幹線を降りてからは空っぽのバスに乗って故郷へ。
〇(餡子)これもいい句ですね。◎に迷った句です。年々、故郷も過疎化されて、こんな感じなのでしよう。
○(ちせい)季語は「盆」。閑散としたバス。何か閑散とした中にも俳味があると思いました。
〇(ルカ)「帰省かな」だけでいいと思いますが、実感ある句でした。
◯(あちゃこ)空っぽなのはバス?それとも?過疎の町へと向かっているのかな?なんとなく淋しい。待っている家族や友人が救い。
〇(春生)バスの利用者の少ないようなところかも。「帰省子」が良い。
◎(宙虫)空っぽのバスにいろいろな想いが乗っていていいですね。
片陰を掠めて止る市営バス 幹夫
◯ (アゼリア) バスもついつい涼しい方へ向かってしまうのでしょうね。
〇(仙翁)陰に沿って止まるバス、面白いです。
〇(瓦すずめ) 情景がよく見えてきます。
〇(泉)表現の巧みな俳句だと思います。
〇(春生)下町の細い道をバスが巧みに行き来する様子が出ている。
〇(アネモネ)「掠めて止まる」のコマワリがいかにもです。
〇(宙虫)市営バスがなんともいい感じ。
(選外)(道人)写真詠とはいえ、木目細やかな写生句である。市営バスゆえ片陰の微妙な変化も心得ているのかも知れない。
秋暑し石工の靴に石の粉 春生
◎(珠子) 写真からこの感性には驚きます。 脱帽。
〇(呆夢)当たり前のことなのですが、なんかいいです。
◎(ルカ)真夏であろうと、秋に入り、暑さが続いてもコツコツと日々の仕事に励む。そんな職人魂を石の粉に感じました。
○(ちせい)季語は「秋暑し」。石工には石がよく似合うと思いました。粉が詩的な感じがしました。
〇(アネモネ)クールベの絵のように写生が細やか。
〇(宙虫)職人の気概みたいなものを感じます。
夏空へセンターライン越えゆけり ルカ
〇(珠子)景色の開けた真っ直ぐの道。北海道だけでなく、こういうところは日本各地にあります。
◎(呆夢)オリンピックが近いので、どの競技のセンターラインかと考えました。明るい夏空へ向かっていってほしいです。
(選外)(道人)梅雨明けの勢いが伝わって来る。事故にはご注意を!
「つぎとまります」バス停につく法師 敏
◯(アゼリア)初蝉を聞いた時はやはり嬉しかったです。夏の風物詩ですね。
三つ星の茄子のピザ食みバス逃す アゼリア
〇(泉)ユーモラスな俳句だと思います。
〇(藤三彩)写真のお店「ピザポケット」を知らなかった。結構、全国展開していたんだ。博多明太子ピザが売れ行きNo.1でした。
(選外)(道人)写真のピザ屋さんは「三つ星の茄子」ピザが似合いますね。食べながらつい友達と喋り過ぎてバスの時間を忘れてしまった。
懐かしい店の看板夏休み まきえっと
〇(とっきー)古びた看板の雰囲気が良く出ていると思います。
〇(餡子)久しぶりに帰る故郷は、変わらぬ駅前通り。しかし、シャッターが下りている店もちらほら。煤けた看板が温かく迎えてくれる。
〇(幹夫)久しぶりの帰省への感慨が感じられます。
炎昼や頬かむりする招き猫 呆夢
〇(泉)あまりの暑さに、猫も頬かむりをしたくなるでしょう。
〇(幹夫)炎昼のもと招き猫の滑稽さが詠まれており共感です。
◎(春生)「頬かむりする」招き猫と捉えたところが上手い。
百日紅石切る音の曲がり来る 春生
〇(仙翁)石を切る音が聞こえてくるようで、面白い。
◯(あちゃこ)作者は石切りの町にいるのですね。炎天下の石切る乾いた音が耳に届きます。何処にいても聞こえる町。
(選外)(幹夫)興味深い作品です。
百日紅壊れしままの街に咲く 道人
〇(敏)東北か熊本かわかりませんが、復興ままならぬ町に花をつけた百日紅、上質のドキュメンタリーを見るようです。
〇(多実生)最近、空家を良く見かけますが荒れた住宅に百日紅は年々立派に花を咲かせます。その対比を詠まれた。
〇(アネモネ)「壊れしまま」がいかにもだと思いました。
〇(藤三彩)村全体が避難を余儀なくされた被災の地がある。熊本城も東北も日本は復興するのに力を合わせればなんとかなる。
〇(宙虫)いろいろな壊れた街。さるすべりの赤が痛いですね。
乗り継ぎのバス旅腹減る燕の子 藤三彩
彷徨いて場末の酒場梅雨明ける 餡子
○(ちせい)季語は「梅雨明け」。彷徨った末に飲んだ酒。季語との相性がいいような気がしました。
白南風や門もお墓も石は石 餡子
〇(とっきー)生きて住む家の門も死んで入るお墓も同じ石という発想が面白い。
毎日が本当に暑くて、外で働く人たちは大変だろうな、と思います。今回の三枚の写真を見て、空には電線が密に走っている事を知りました。当たり前の事ですが、改めて電気の社会という事を実感しました。
あっついですね。
7句選のほう、終わりましたか?