こんばんは。
大変お待たせいたしました。
不手際がありご迷惑をおかけいたしました。
風が強い毎日ですね。
明日は「プレミアムフライデー」です。
有意義に使いたいです。
兼題:浅
春浅き故郷の山は斯くまばら 幹夫
突然の転勤辞令春浅し 泉
○(アネモネ)いかにも「春浅し」です。
○(春生)この季節の風景、「突然の」に気持ちが入っています。
浅春のチョコに日があり売れ残る 藤三彩
浅はかなキス幾度もする弥生 瓦すずめ
春浅し昼をせはしくけらつつき アネモネ
○(ちせい)鳥の愛らしさが伝わって来ました。
其角忌よ遠浅蒼と佳き句書き 吾郎
(選外)(藤三彩)宝井其角が江戸座を開き住んでいたとされる旧居跡の石碑が日本橋茅場町にある。佃島にも近く遠浅が見えるような回文。
春浅し福翁一人の財布哉 瞳人
〇(藤三彩)福沢諭吉先生お一人様ポッキリで宵越しの銭はなし。聖徳太子の名が厩戸王に教科書で統一されるとの報。ビリギャルで「ショウトクタコさん」なんて読むからか。
○(珠子)「野口くん一人」「樋口さん一人」ではないのですから何とかなります。
春浅しインクの滲む診察券 ルカ
○(幹夫)インクの滲む診察券かあ。。。好きな取合せです。
○(春生)「インクの滲む」が雰囲気を出しています。
〇(瓦すずめ)ちょっとふるくなった診察券も、春浅しと組み合わせると、ちょっとロマンがありますね。
〇(瞳人)長くお世話になってるのですね
浅春やひかりためたるにわたずみ 敏
○(アネモネ)シンプルで優しい句です。
◯(吾郎)ひらがなの効能
〇(仙翁)水たまりに春の日が光っている様子がいいですね。
〇(瓦すずめ)にわたずみが光を反射しているのを、ためているんだ、と考えるのが好きです。
いまだ街を浅い足どり鳥雲に 宙虫
春浅き渓谷をゆく一両電車 アゼリア
◎(春生)よくまとまっています。
鷺一羽浅瀬啄む春浅し 仙翁
◯ (アゼリア) 光景がよく見える佳句と思います。近くの川でもよく見られます。
春浅しされど太陽寄って来る 多実生
○(泉)確かに未だ寒いのですが、太陽の日差しは次第に強くなって来ました。
◯(宙虫)光から春がはじまる。よくわかります。
○(ちせい)太陽の象徴性が伝わって来ました。
(選外)(道人)「されど」は俳句で使うには難しいが、掲句の場合対比効果があり、「太陽」の強調に成功している。
浅春や筧の竹を新しく 春生
◎(藤三彩)古竹も新たにせねば漏れがくる。なかなか庭好き風情の粋なところを表したものだ。素麺流しの半竹はずーっつと使い続けているが。
〇 (多実生) 新しい希望と青い竹の筧が見える様です。
○(アネモネ)新しい竹の匂いがすがすがしいですね。
◯(吾郎)風情ですな
〇(まきえっと)すがすがしい
春浅し口癖になる『大丈夫』 あちゃこ
〇 (多実生) 必要な安全の再確認でしょうか?
〇(瞳人)毎朝、老妻への言葉です
風光る浅瀬に群れる小さき貝 まきえっと
○(幹夫)美しい「風光る」という季語が浅瀬に沢山の「小さき貝」という美しい景で詠まれていると思いました。
〇(仙翁)小さき貝、面白いですね。情景が浮かびます。
○(道人)季語「風光る」が効いている。印象派の絵画のよう。
○(あちゃこ)暖かい春の一景として爽やかです。
〇(瓦すずめ)太陽を反射する小さき貝の群れと風とが、どちらもキラキラしていて好きです
春浅し小麦粉メレンゲ美味きかな ちせい
浅き春裂きてドクターヘリ発進 珠子
◯ (アゼリア) ヘリの音が聞こえてきます。お蔭で命拾いした知り合いがいます。
◯(宙虫)緊迫感あり。
〇(ルカ)ひとつでも多くのいのちを救ってほしい。願いを込めて。
老いて誦む伯夷叔斉春浅し 道人
〇(藤三彩)殷代の兄弟のことから遠き日なのですが、後代に司馬遷『史記』で「天道是か非か」と問われた義は今は何処へ逝ったものやら。
○(敏)読むではなしに「誦む」ですから、多分白文のままの『史記』の「伯夷伝」を声を出して読み上げているのでしょう。その意味するところを歳を経て共感できた喜びからかも知れませんね。
◯(吾郎)勉強になりました
テーマ:体の部位の字を使って
うららかや患者の老婆耳遠し 泉
◎(アネモネ)俳味たっぷりの楽しい句です。
紅梅や喉を鳴らして水を飲む まきえっと
○(春生)この頃は喉も乾きますね。
この先も父に似る爪春の雪 珠子
○(泉)親子の爪は本当に似ています。私も驚いた経験があります。
○(アネモネ)春の雪がいいですね。上手い!
◎(宙虫)この先もがうまくはまった句です。
○(あちゃこ)しっとりとした哀愁を感じますね。
〇(まきえっと)もう父の爪を確かめることはできませんが、確かに似ていました。
どや顔の顎突き出して卒業子 アネモネ
○(敏)「どや顔」は広辞苑には出ていません。おそらく関西弁からきていて、「得意げな」といった意味があるのでしょう。そう理解して一句を味わいました。
○(ちせい)季語は「卒業子」。子等の矜持。
右の頬春が萌して春立つ日 ちせい
口ごもる朝は雲雀の下にいる 宙虫
○(あちゃこ)なるほど。雲雀かぁ。口ごもるのは、思いが溢れてくるからですね。
〇(瓦すずめ)恋でしょうか。雲雀が勢いよく飛んでいく様子と、口ごもる人間、という光景が面白いです。
(選外)(道人)どういう場面で「口ごもる」のかを色々想像しました。雲雀の鳴き声を聞けば何も言う必要はないのでしょう。
受験子の拳立て伏せをする朝(あした) 瓦すずめ
小指ほど開けおく襖雛用意 敏
〇 (多実生) 手際よい雛飾りの準備風景だと思います。
◎(幹夫)雛飾りに託した作者の気持ちが伝わってきました。
◯ (アゼリア) 出入りの開けたてが楽な様にでしょうか?
◎(吾郎)所作の美しさ。静かな和室。日本だねぇ
〇(仙翁)雛飾りを忘れないように、襖を開けておくのでしょうか。
◯(道人)繊細な母心がよく伝わってくる。
◎(ルカ)心のささやかな準備を、うまく表現しました。
◎(まきえっと)日本人でよかった
心臓の鼓動始まる春の闇 幹夫
川風に足長蜂の流さるる 春生
○(幹夫)川風に流されている足長蜂の姿や様子が佳く詠まれていると思いました。
○(ルカ)景が浮かびました。
爪の垢煎じず至る春炬燵 藤三彩
◎(泉)私も同じ思いですが、人それぞれの人生ですから。
泥足で踏むシネマの中の踏絵かな アゼリア
〇(藤三彩)苗代の泥足はこぶ絵踏かな 子規がありますが、このシネマは狐狸庵先生の『沈黙』や『深い河』の中にある泥足かな。絵踏(初春)と泥足の季は不思議と重なる。
冬散歩足が上がらず躓けり 多実生
○(泉)本当に歳を取ると、先ず足が上がらなくなりますね。
〇(瞳人)まったくこの通りです
汝がややの雛の眉目と光りけり 瞳人
梅咲くにペットボトルを潰す足 あちゃこ
◯(宙虫)バリバリと音がいやですね。
父に似し爪の容や水温む ルカ
○(珠子)「体の部位」という広いテーマの中での同じ感性に驚きました。
〇(藤三彩)女子は男親に似、男子は母親に似るとよく言われます。さて、どんだけ逞しい手や爪なのだろう。
◎(敏)温みはじめた水に手を浸したことで、多分亡くなられた父上のことを思い出したのでしょう。どんな小さなものからでも、故人との繋がりを見出すことはできるのです。
〇(仙翁)耳の形、頭の形など、不思議に親の形に似てきますね。
○(ちせい)季語は「水温む」。爪の形に着目したのが手柄かと。
◎(瓦すずめ)水に手で触れているときだと思いました。指先に感じる季節の変化と、ふと爪が父に似ているという視覚情報が、相まって、優しい気持ちになれます。
目で追ふて春立ち知りぬ流れ雲 仙翁
○(道人)「流れ雲」が佳い感じ。実景でもあり作者の心の在り様でもあるのでしょう。
臍舐めよ快感開花嫁菜添え 吾郎
跫音に口笛重ね木の芽吹く 道人
〇 (多実生) 明るい希望の様々が見えます。
○(敏)春になって浮かれた気分になったのでしょう。リズミカルな音が聞こえてくるようです。
◯ (アゼリア) 春になると不思議と心が浮き立ちますよね。
◯(吾郎)季語の斡旋の勝利かと
○(ルカ)早春の喜びが出ています。
雑詠
支え合う石垣の石涅槃西風 まきえっと
○(珠子)すべて手作業の時代の石垣だからこそ。ひとつひとつの石の形を生かせる職人があってこそ。涅槃西風という季語には包容力があります。
○(春生)特選にするか、迷った句です。うまいです。
○(敏)修復中の熊本城の石垣の映像がよぎりました。被災した人々の「支え合う」姿も見えてくるようです。
◎(ちせい)季語は「涅槃西風」。石垣の石に魂を見ました。
(選外)(藤三彩)あれから熊本城の石垣はどうなっているのだろうか。くまもんが支えてみんなが支えて復興しますように。
ハイタッチして替わる店番日脚伸ぶ アゼリア
◎ (多実生) 若い人同志でしょうか?明るい仕事の引継ぎです。
○(アネモネ)ハイタッチが若々しい。
○(敏)トランプさんとアベさんのハイタッチが見えてきましたが、暫くすれば、そんな時事詠的読みは、消えてしまうでしょうね。季語の斡旋が佳いですね。
◎(瞳人)なか9だけど、季語にはぴたり
ヒヤシンス九十歳の母の息 ルカ
○(泉)九十歳まで生きるとは・・・。ただ、それだけで尊敬です。
〇(藤三彩)今年卒寿は昭和2年卯年の生れ。大切にしてあげてください。
○(珠子)90歳を目前に亡くなった母を思い出します。最期の小さな小さなわがままを聞いてやれなかった後悔ととともに。 ヒヤシンスに救われます。
◎(あちゃこ)感動!片仮名表記が効いています。花の優しい香りが思い出されました。私の母はどんな香りだったろう?
〇(瓦すずめ)息に注目されている、ということは、お母さまは眠っておられるのでしょうか。あるいはご病気なのでしょうか。でも、息をしてくれている、生きてくれている。そのこととヒヤシンスがあっているように思いました。
〇(まきえっと)ヒヤシンスの水栽培の根の長さ。長生きして欲しいです
ライオンを脅してゐたる蜂の針 春生
◎(珠子)動物園のライオンと紛れ込んだ蜂、春ですね。
伊予柑や豚カツよりも鶏カツを ちせい
煙たいよ春野祈るはよい手向け 吾郎
◯(アゼリア) いつもながらの名回文に感心します。ミレーの晩鐘のようですね。
〇(仙翁)情景が浮かぶ。煙たそうな顔が浮かぶ、良い回文です。
◯(道人)野焼きの煙に今年の豊穣を祈る名回文句。どなたに手向けた祈りなのでしょうか?
〇(まきえっと)いよいよ春本番ですね。
白梅を挿頭に妻の額診る 瞳人
○(あちゃこ)優しさの溢れんばかり。
音聞きていのち目覚めむ霜柱 仙翁
〇 (多実生) 私のふるさとは関東ローム層で、一寸程の霜柱です。踏む音が聞えて来そうです。
(選外)(道人)霜柱の鼓動が聞こえて来るようです。
化かされてみたき月影追ひて春 道人
◯(宙虫)現実逃避しかありません。ほんわかと。
亀ないて悪役レスラー火を噴きぬ 瓦すずめ
◯(宙虫)取り合わせで勢いがいい。
錆色の木々が揺れ出す梅二月 幹夫
○(道人)春が動き出すという感じ。「揺れ出す」が巧い。
〇(ルカ)綺麗すぎますが、梅二月がいいですね。
春の風邪紙から浮いてくる戦争 宙虫
○(珠子)少し理屈っぽいともいえますが、やるせなさに共感します。
○(春生)地球のどこかで、殺し合いが起きていますね。
◯(吾郎)新聞?赤紙?季語がよく掴めませんが、措辞に惚れて
◎(道人)風邪を引いても、新聞に毎日のように出る右傾化の記事が気になる。「浮いてくる」が良いですね。
○(あちゃこ)正直不思議な句。風邪に潤む目で新聞を読んでいるのでしょうか。
どんな時にもこの感性は大切にしたい。
春兆す今は気力で生きる時 多実生
○(泉)どの様な困難な時でも、やはり気力が大切ですね。
雪壁に人手の熟練大統領 藤三彩
〇(瞳人)大統領といえばトランプしか思い当りません
梅咲いてオープン戦の始まりぬ 泉
〇(瞳人)WBCなんか、全く興味わきません
白梅や手つかずの空限りなく 敏
○(幹夫)大きな空の中に開く白梅の景が美しく詠まれていると思いました。
◎(仙翁)手つかずの空へ、届かぬ空へ、届けようと梅の花は咲く。
〇(ルカ)遠景近景よく見えてきます。
○(ちせい)季語は「白梅」。「手つかず」がいいですね。何か象徴性を感じました。
未来へと過去を問ふ梅満開に あちゃこ
剪定の畑にNHK時報 珠子
○(幹夫)お昼時を知らせる正午の時報。トランジスター・ラジオを傍らに畑で剪定・・・作者の立つ位置がよく分かる句です。
◎ (アゼリア) 剪定が春の季語なんですね。知りませんでした。NHKの時報懐かしいですね。今でもあるのでしょうか?
〇(まきえっと)熱いお茶を用意しましょう。とかの声が聞こえてきます。
綺羅の声上げてロビーの雛の前 アネモネ
広島は本当に三寒四温の状態で、次第に春が近づいて来ます。厳しい冬もやっと終わり、いよいよプロ野球の開幕です。今年の広島カープはどうでしょうか?