結果発表です。
四月になって、人の流れが変わる。
毎朝一緒にバスを待っている人間も入れ替わり。
新しいひととバス停に立っている自分・・・・。
などとひとりごと。
次回はまきえっとさんの告知をお待ちください。
★★★
青空に倦み潔き落椿 まきえっと
◎(仙翁)良い天気ばかりにも飽きますね。その時は落ちる。
◯(あちゃこ)潔きものに落椿…共感!椿の倦むのは、穢れた人の世かも?
辛夷咲く高層建築見上げたり ちせい
空染める千年後の夜桜降る 瑠璃
○(幹夫)季節は巡り幾千年の後にも故国日本に桜はまた咲きそして散っていくのだろう。
◎(敏)3枚の写真から殆ど人影の見えない「千年後の夜」を想起した感性に脱帽。山桜の中には400年も500年も立ち続けているのがあるそうですから、千年後も夢ではなさそうです。
〇(道人)中々こういう発想は出来ません。「千年後の夜桜」が「降る」とは魅力的です。
白灯台赤灯台や風光る 春生
蘖や白灯台に顔顔顔 幹夫
椿咲く灯台守は今どこに 泉
〇(瞳人)灯台と言うものが無くなってしまいましたね
〇 (多実生) 灯台守も死語の時代です。全部自動の様です。
〇(春生)「灯台守」という懐かしい言葉に魅せられました。
○(ちせい)季語は「椿」。灯台守の対する郷愁。
〇(宙虫)いつしか歴史のなかの職業になっていく。そんな仕事がどんどん増えている。
灯台の道はつづらに藪椿 アネモネ
◎ (アゼリア) 写真の光景が余すところなく美しく詠まれていると思いました。
〇(仙翁)灯台までの道、真っすぐでないのが似合います。
〇(春生)しっかりした写生句です。
〇(珠子)私も灯台への道をあれこれ想像しましたが、「つづら」という言葉には思いいたりませんでした。
キャタピラがつぶした町の花こぶし 宙虫
○(泉)よく理解できないのですが、迫力のある俳句だと思います。
○(敏)キャタピラと言えば、戦車でしょう。2枚目の写真から、それが町をつぶしたと見たのでしょうか。想像力の富んだ一句と感心しました。
◯(餡子)キャタピラが悪いわけではありませんが、どうしても破壊の音に聞えてしまいます。町は変わっても辛夷の花はまた咲いてくれました。
◎(道人)高度成長期時代の建造物も建替え時期。人工の世界はたかだか50年で入れ替わるが、自然は不変。「キャタビラ」と「花こぶし」の取り合せの巧い。
◯(あちゃこ)儚げなこぶしの花。無残な町との取り合わせに気持ちが揺れます。
(選外)(ちせい)季語は「花こぶし」。地上げ屋的な不動産屋的な、土地開発的な、いろいろなイメージが思い浮かびました。でも散文を意識してしまった私の側の都合がこの句を忌避させました。
椿咲く灯台岬メジロ来る 多実生
○(アネモネ)道具立ても完璧。
◯ (アゼリア) メジロは椿の花蜜も吸うそうですね。
人はみな移ろいやすし花の昼 道人
〇(藤三彩)証人喚問を朝からTVでやっていて、昼食時間には会開きになる。
○(幹夫)人も桜もそのようなもの・・・小野小町ですね。
◯(餡子)そのとおりです。あらあらと言う間に・・・。
〇(珠子)桜には心を鎮める・振り返させる・考えさせる力があります。
○(ちせい)季語は「花の昼」。真理ですね。感覚的に納得できました。
〇(宙虫)この気分は永遠。当たり前なのが少しさびしい。
記念樹の残る廃校花の風 あちゃこ
◎(アネモネ)花の風に得心です。
〇(瞳人)田舎はさびれるばかりです
◯(瑠璃)私の母校は、中学ですが…今は1クラス。いつかはこんな日が来るのかな。
○(泉)田舎でも都会でも、廃校は増え続けることでしょう。記念樹が思い出ですね。
〇 (多実生) 廃校など余所事、記念樹は成長一途です。
◯ (アゼリア) 記念樹、廃校、花の風ー上手な取り合わせと感心致しました。
◯(餡子)せつないですね。被災地もどんどん閉校,統合されているようです。
◯(ルカ)花の風が、かつてのにぎわいのある学校の空気の名残を伝えています。
散るこその桜世界は存在す 仙翁
〇(まきえっと)今年は二日続けて千鳥ヶ淵に行ってしまいした。まさしく「散るこその桜」状態でした。
〇(宙虫)「世界は存在す」がなんとも不思議な句でひかれる。
落花急岬に果てる径ひとつ 珠子
〇(アネモネ)いい景ですね。
〇 (多実生) 落花は山桜、岬へは一本道が想像出来ます。
◯ (アゼリア) 落花急ーなかなか思いつきません。
◯(餡子)岬の灯台への一本道。谷内六郎の絵を見ているような句です。
◯(ルカ)岬に果てる、がよかったです。
〇(春生)「岬に果てる」径と切りとったところが手柄。
○(敏)岬への径は大抵一本でしょう。その尽きるあたりに急な落花を点描し、印象的です。
〇(道人)切り立った岬の飛花落花の景を詠んで臨場感あり。
◎(あちゃこ)激しく降る花びらの渦。物寂しい岬との対比が効いています。かつて巡った岬を思い浮かべました。
◎(ちせい)季語は「落花」。「径」は小道とも読みますが、ここでは「みち」でしょう。「岬に果てる」が印象的でした。
〇(宙虫)映像がくっきり。椿の赤のあざやかさ。
春爛漫岬巡ってくる任地 餡子
〇(アネモネ)任地、なるほどと思いました。
◯ (アゼリア) ふと二十四の瞳の先生を思い出して懐かしい気持ちになりました。
〇(珠子)がんばれえ!自分の新任の頃を思い出すと、いたたまれないほど恥ずかしくなります。周りの包容力に支えられてきました。
〇(まきえっと)自転車が目に浮かびました。これからが希望に満ちて明るさを感じます。
真帆いつぱいサントロぺ迄春の航 瞳人
〇(藤三彩)長閑だなー。地球の裏には朝が来る感じ
◯(瑠璃)海原に真帆がいっぱいに船出する様子が目に浮かびます。サントロペ行きたくなります。
灯台の真昼を灯し紅椿 敏
○(幹夫)白亜の灯台と紅椿との対比。
〇(仙翁)灯台の白と椿の赤、昼と夜の分担でしょうか。
木蓮や青空の青駆けのぼり ルカ
◎(瑠璃)青空の青駆けのぼりが効いています。
◎(幹夫)白い木蓮の花が青い大きな空を駆け上っている。
◯(あちゃこ)木蓮の力強さが駆け上りとベストマッチ!
通称は恋人岬春の潮 アゼリア
〇(アネモネ)恋人岬いいですねえ。
〇(瞳人)何処なのでしょう
◎(藤三彩)人気(ひとけ)を忍んで行くところ、なるほど
〇(春生)「恋人岬」まで想像力を広げたところが良い。
〇(珠子)通称はみんなこんな感じですね。春だからいい。秋や冬だと全く別の雰囲気になります。
○(ちせい)季語は「春の潮」。ロマンを感じます。固有名詞の提示は冒険かもしれませんが、いい試みだと思いました。
〇(宙虫)全国にたくさん「恋人岬」がある。開放的な感覚。
ビルの陰小さく落ちる花水木 仙翁
惚れられぬ人魚の涙春灯台 藤三彩
◯(瑠璃)人形姫。リトルマーメード。切ない恋ですね。だからこそ美しいのかも…何回見ても感動します。
○(泉)詩情あふれる俳句だと思います。
〇(道人)ちょっぴり哀しい人魚物語。春は何もかもおぼろ、です。
◯(あちゃこ)春灯台が少し気になりますが、発想が面白いですね。
〇(まきえっと)人魚をイメージするとは。可愛い。
寒桜今日も詠みたる名もなき詩 瑠璃
○(敏)私を含めて日毎何万何十万という夥しい名も無き一行詩人の作品が、生まれては消えていることを改めて思い知らされました
〇(道人)寒桜のように愚直でありながら凛とした生活感がにじみ出てくる句です。
大干潟高層ビルの迫り来る 春生
(選外)(道人)異常なほどに大都会は海に向かって肥大化しています。そのうち「湾」や「内海」はなくなってしまうかも。
どの花も別れの記憶少年期 餡子
〇(アネモネ)まさしく!
◯(瑠璃)悲しいですね。でもきっと素敵な大人になるための序奏だったのだと思いますが、いかがでしょうか?
◎ (多実生) 私は異動の先生と桜の別れが思い出です。
◯ (アゼリア) どの花にも別れと出会いの記憶がありますよね。
〇(仙翁)花に別れの記憶、かっこいいですね。
◎(ルカ)花の記憶は人それぞれ。ドラマがあります。
○(敏)たしかに、少年期の桜は、入学式・卒業式の記憶と共にありますね。
◎(珠子)桜に限定しないいろいろの花のイメージで読みました。別れにも出会いにも、花やそのころ聞いていた歌の記憶がついてきます。
◎(まきえっと)制服の第2ボタンはどうしただろう?
○(ちせい)季語は「花」。少年期固有の心理が析出されて居ると思いました。
センバツや花も見ている晴れ舞台 泉
〇 (多実生) 五十数年前の甲子園はラッキーゾーン、スタンドの椅子は木の板。駅と球場の間に桜があった気がします。
落椿踏んで灯台守の家 アネモネ
〇(瞳人)故郷の灯台です
◯(ルカ)写生がきいています。
◎(春生)「灯台守の家」素晴らしい想像力です。
花市場春めく手競りの恋の花 藤三彩
無観客試合果てしが花開く 敏
過疎の地が似合う花なり辛夷咲く 多実生
〇(瞳人)街にもありますけど、田舎では寂しさいっそう
〇(藤三彩)塀を越えて白花が見えたりするんですね
(選外)(道人)確かに山間の過疎地の辛夷は存在感がありますね。
花さらに花ひとびと空を仰ぐのみ 宙虫
◎(泉)満開の桜。人々はただ空を仰ぐのみ。人智を超えた「何か」の意思を感じます。
桜一樹子らの声なき運動場 アゼリア
○(幹夫)花見客で賑わう桜とそうでない桜と・・・。
◯(ルカ)一樹に託した作者の思いを感じます。
気狂ひの七夜眠れぬ花万朶 幹夫
〇(道人)本当に今年の桜は、雨も風も冷えもなく見事過ぎて... 3月2回目の満月と満開が重なった夜は気も狂いそうでした。
◯(あちゃこ)七夜から、八百屋お七も連想されます。妖しき桜は、物狂いを誘う。
○(ちせい)季語は「花万朶」。七夜も眠れぬ夜が続く。実感のこもった句。
〇(宙虫)「夜桜お七」が頭の中でえんえんとリフレイン。
灯台のらせん階段椿落つ ルカ
〇(藤三彩)らせん階段が登って来たみたいにリアル
〇(春生)しっかりと写生しています。
○(泉)灯台は無人でも、らせん階段は必要です。保守点検、何だか味気ないですね。
〇 (多実生) 螺旋階段を登ったのは、唯一犬吠埼の灯台でした。
○(幹夫)らせん階段と落椿との取合せに共感。
〇(珠子)シンプルさが好きです。
◎(宙虫)垂直な灯台とまっすぐ落ちる椿。直線のなかのらせんを取り合わせたのが面白い。ついでに灯台の光もまっすぐ。椿の赤がいいポイントになった。
三月の花の命を想いけり 道人
◎(餡子)三月は思いのほか早く色々な花が咲いてくれます。春を告げて、心優しくしてくれる花が多いですね。
〇(仙翁)春は一斉に花が咲きますね。そして散り落ちる。
桜咲く球技を終えて握手する ちせい
○(泉)試合が終われば、握手する。気持ちが良いですが、悔しさは残ります。
浅野殿ゆかりの宿の椿落つ 瞳人
春や春出でては消ゆる言葉たち 珠子
〇(藤三彩)確かにメモしておかないと忘れるんです
◯(瑠璃)句作の時ってこんな感じですかね。それとも告白のシーンかな。相手を目の前にすると言い出せない。はたまた怒りの感情を飲み込んでる?この三通りの情景が思い浮かびました。
◯(餡子)そのとおりですね。責任感無き言の葉のなんと多い事か。
〇(仙翁)俳句の言葉でしょうか、確かに、出ては消えますね。
◯(ルカ)桜の花びらのような言葉たち。
○(敏)まさに今の私の心境です。春の盛りというのに、言葉たちは頭に留まらず、あっと言う間にどこかに雲散霧消していってしまうのです。でも記憶に留まらない作品は駄句でしょうから、あきらめておりますが……
〇(まきえっと)春の儚さが表れています。
花よ花届かぬ想い放つ空 あちゃこ
〇(まきえっと)どんな思いだったのでしょうか?
★★★
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https://blogs.yahoo.co.jp/oomugi2017
広島は昨日今日と、寒の戻りで肌寒い天気です。センバツが終り、いよいよプロ野球が始まりました。大谷選手も大活躍しています。今後に期待です。