
六月。
朝から曇っている。
夕方には雨になりそう・・・。
いよいよ梅雨入りかもしれない。
これから先、大雨や台風や・・・。
何ごともないことに越したことはないが。
この国の未来への嵐も起きるのだろうか。
この嵐は起きてもいいのではと密かに期待している・・・・。
結果発表(二回にわけて)
ひとと逢う茅花流しの船着場 道人
○(アネモネ)密会ではないだろけどそんな雰囲気もある。
○(餡子)まるで演歌の世界のようです。どんな配役にしましょうか。
〇(楊子)そう熱烈な関係でもなさそう。密やかな逢瀬には着物が似合う。
○(幹夫)私自身実態として「茅花流し」という季語がどのような状態なのかよくは分かっていない。とは言え、句は、初夏の船着場がいい雰囲気を醸し出し詠まれている。
◯ (アゼリア)少し歌謡曲っぽいかなとも思いましたが、誰と逢うのかしらと想像が膨らみます。
〇(春生)どんな人と会うのでしょうか。男はつらいよのお寅さん?
○(宙虫)悲恋のはじまりかな???
(選外)(卯平)茅花流しの船着場は景として立ち上がるが、その景が「ひとと逢う」を導く事で拡がりが見られるかどうか。
晴れの国へ行幸啓の植樹祭 幹夫
入口に近道の地図薔薇の門 まきえっと
○(アネモネ)どこへの近道なんだろう?不思議な構図。
○(仙翁)バラ園の中に近道、なさそうでありそう。
〇(楊子)意外な張り紙が意表をつきます。薔薇を見ながら道に迷う人でもいるのかもしれません。
○(幹夫)薔薇園へのウキウキ感が佳く詠まれる。
◯ (アゼリア) こういう地図が有ると助かります。
〇(ちせい)マップに惹かれたのでしょうか。
○(宙虫)けっこう大きな庭園だろう。近道して見落とすものがないか迷う。
(選外)(卯平)上五中七にリアル感。薔薇の門は薔薇が絡んだ門の事か。だとすると上五中七の緊張感に緩みが見られないか。
薔薇の舌すこし正直すこし嘘 楊子
○(卯平)薔薇が持つ二面性。薔薇の舌が少々説明的ではあるが薔薇の本質へ迫っているだろう。女性へのリアルな分析も伺える。
〇(仙翁)薔薇の舌、面白いですね。
〇(珠子)植物にも生き延びるためのフェイントは大いにあるでしょう。薔薇の「舌」としたところになるほどと思いました。
〇(カンナ)隠喩に意表を突かれました。
〇(めたもん)上五「薔薇の舌」が独特。ぎょっと立ち止まる。中七、下五のリフレインを含む措辞は意味深。上五「紅薔薇」くらいではパンチがなくなってしまいますね。
◯(道人)薔薇に舌はないが、例えば美女の象徴として擬人化して読めば面白い視点。納得感もある。
○(宙虫)確かに様々な顔を持っているように見える。
旅立ちの岸辺よ薔薇の香に咽ぶ あちゃこ
〇(カンナ)「や」より使うのが難しい「よ」を、中七の途中に使った上手い句だと思います。
○(幹夫)中句の呼びかけがいい感じだ。
薔薇の香を嗅ぐに帽子の後ろまへ アネモネ
◎(仙翁)帽子が当たらないように、面白いですね。
〇(楊子)キャップをかぶった子供のようすが目に浮かびます。
○(幹夫)「帽子の後ろまへ」の表現に納得する。
○(宙虫)後前の自然体がいい。
百色の薔薇や溢るる香の溢れ 卯平
◎(まきえっと)色の数だけ香りもありそうですね。
木下闇には埋蔵金とか死体とか カンナ
○(泉)ミステリアスな俳句だと思います。
○(餡子)桜の木の下には死体が埋まっていると書いた作家がいました。埋蔵金とは!
草笛を姉と競いし里の川 アゼリア
○(泉)映画のワン・シーンの様です。
〇(瞳人)いい風景ですね
〇(楊子)里の川というだけで思い出がいっぱいですね。変わらぬ景色であってほしいです。
〇(めたもん)子供のころの懐かしい景がすっと浮かぶ。その浮かび方も心地よい。
プリンセス・ローズ名を朗々と晩夏光 あき子
(選外)(卯平)発見した薔薇の名前を丁寧に読み上げているのだろう。その行為を晩夏光へと橋渡しするのが「と」だろうか。だとすると晩夏光から詠み手は上五中七の措辞に対してどのような鑑賞を求めたのだろうか。
衛星の画像に影を落とす薔薇 宙虫
◎(めたもん)「衛星の画像」は気象衛星の画像か、或いは偵察衛星の画像か。知的で科学的で攻撃的な人類の集大成ともいえる画像に影…。持ちがざわつきます。
夏帽子戻りたき日のトム・ソーヤ めたもん
◎(瞳人)子どもには冒険した日が忘れられません
○(藤三彩)昔読んだ『トム・ソーヤ 』、戻りたいとは思わないが
◎(珠子)ふっと、私の「戻りたき日」はいつなのだろうと思いました。トム・ソーヤ?赤毛のアン?いやいや、50代以降・現在以前のような気もします。夏帽子がきっちりと収めてくれて魅力的。
◎(カンナ)取り合わせがよいですね。俳句に詠むのは難しい、時の流れが詠まれている上手い句だと思います。
○(あちゃこ)瑞々しかった過去への誘い。夏帽子が効いています。
◯(道人)やや季語に依存し過ぎのきらいはあるが、我々の世代としては懐かしい心象風景。
(選外)(卯平)夏帽子とトム・ソーヤはなるほどとは思うが、やはり緩いのでは。ましてや「戻りたき日」とまで言うと詠み手の情感が露骨ではないか。
隠れ居てこゑは負けぬと行々子 瞳人
〇(仙翁)本当に、ヨシキリは見えにくいですね。
病葉の黒星気になる梅雨薔薇 藤三彩
(選外)(幹夫)季重なりながら句材に共感する。
薔薇園に薔薇大辞典を捲る音 ちせい
〇(瞳人)律儀なお人だ
○(卯平)薔薇の様々な名前を調べているのだろう。今ではスマートフォーンのアプリであっと言う間に見つけられる。「薔薇大辞典」が現実にあるかどうかは不明であるが、あったら面白いだろう。詠み手が眼鏡を上げながらこの大辞典を捲っている様子も見える。嫌みのない素直な句。
○(餡子)薔薇を違う角度から捉えたユニークな句だと思います。
○(泉)「薔薇大辞典」は面白い、と思います。
〇(まきえっと)観察することは大事です。
〇(あき子)薔薇園にある一部屋に薔薇大辞典が置かれていて、捲る音のみが聞こえる贅沢な時間。特選を迷った句です。
◯ (アゼリア)薔薇園のしじまに音が聞こえてきます。
〇(春生)薔薇園には、いろんな花がありますね。名前を知りたくなりますね。
つづく
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