こんばんは。
東京オリンピックの抽選結果が出ましたね。
皆さん、いかがでしたか?私の周りは全滅でした。
兼題:「梅」
青梅や片手で足りる友の数 ルカ
〇(楊子)少ないと言っているがさびしさがない。いい齢になってきました。
〇(珠子) 「友」の尺度はひとそれぞれですからそれで充分。実際には線引きできずに数えられないものなのだと思います。「いちねんせいになったらともだちひゃくにんできるかな」と無邪気に歌っていた時代を経て。季語が動きそうで動かない気がします。
○(餡子)ここ何年かで、黄泉へ旅立った友が多い。胸にぽっかりぽっかり穴があいている。
〇 (多実生) 私もお付合い出来る小学校の男の友は、この通り片手です。
〇(春生)年を重ねるに従って、友の数も減ってゆく寂しさが 出ています。
〇(まきえっと)エアーでたくさんいるふりをするぐらいなら片手で十分かな。
小梅の実ことんころころころことん 楊子
○(吾郎)小梅ならではのリズムが快感。
○(敏)なんともリズミカルで、楽しい作品。「小梅」ならではでしょうね。
まんまるな実梅雨生み成るまんま 吾郎
〇(珠子)意味よりも何よりもこの「まんまるな梅の実」の「まんま」のかわいさったらありません。
◎(餡子)あの青梅の太りゆく様子が、時間と共に詠われていて面白いです。
○(敏)「マンマルナ」「ナルマンマ」このリフレインの妙。思わず口遊みました。
○(宙虫)リズム感がいい。まんまるなのがいい。
◎(まきえっと)太ってゆく様子が伝わります。こんな梅なら食べてみたいです。
匂ひ立つ笊の実梅にとろかされ 瞳人
(選外)(道人)ちょっとしたドラマですね。
血圧計巻けば梅の実落ちる音 宙虫
梅は実に響く軍靴の高枕 幹夫
○(泉)軍靴と高枕の関係が、よく分かりませんが。世の中は、戦争の気配ですね。
山猿は梅雨晴れの谷川に眠る 仙翁
〇(道人)切れを意識的に付けない「人生の呟き」と読みました。
畳屋の機械の匂い梅雨兆す 道人
〇(楊子)梅雨の湿った匂いと機械油の匂いと畳の匂いが醸し出す静かな暮らしが見える。
○(幹夫)入梅ならではの臭覚に共感です。
◎(ルカ)畳屋のい草の匂いの機械。近所に畳屋があったのですが、いかにも梅雨間近。
○(あちゃこ)じっとりと湿った空間で畳みを織り上げているのでしょうか?何故音ではなく、匂いなのだろう?と考えた時、空気感を強調しているのかな?と思いました。
◯ (アゼリア)最近は畳を縫うのも機械になったそうですね。
○(ちせい)季語は「梅雨」。藺草の匂いが匂ってきたのでしょうか。
白飯に梅干しひとつ自助だもの 藤三彩
◎(泉)委員会の報告書には驚きました。数字はリアルですね。
臘梅や昨日の嘘のばればれで 敏
○(幹夫)臘梅(冬)転じて狼狽?!ユニークに詠まれていて共感です。
梅雨晴の小さき菜園覗く猫 あちゃこ
〇(藤三彩)やわらかい土のトイレを猫は見定めている。植えた苗をひっくり返すので困る。
○(仙翁)そっと覗き込むような猫がいそうですね。
○(宙虫)ちいさな安ど感がある。
〇(まきえっと)猫からみたら大きかろう。
梅どっさり漬けて海馬を悦ばす 珠子
○(アネモネ)これはもう海馬大喜び!
(選外)(藤三彩)梅酒か梅干しかがはっきりしないがお仕事をしたと悦に入る自己満足。梅酒は白加賀、梅干しは完熟南高梅が私の定番。時期がそれぞれずれるので長丁場。
棒術の棒は白樫梅雨晴れ間 アネモネ
◯ (アゼリア)本当に物騒な世の中になって、護身術習った方がいいかもなんて考えることがあります。
会葬の長き列縫ひ梅雨の蝶 アゼリア
◎(吾郎)蝶が会葬に加わるかのような儚さ、梅雨最中の一景、見事。
○(あちゃこ)静と動の対比があり、景がしっかりと結ばれました。
梅の実や秩父札所へ道半ば 春生
〇(藤三彩)秩父三十四箇所、一日三-四箇所歩けばもう十分。梅の実の六月は年の半分という感じ。
〇(楊子)挨拶句らしくない。兜太さんへのリスペクトが詩的に詠んである。
○(宙虫)道半ば、梅の実が札所へ向かう意志を後押し。
◎(ちせい)金子兜太も想起されますが、信心深さに道中の梅が印象的です。
青梅や素振りの少年今日居らぬ ちせい
〇(道人)明日はもっと太った梅になることでしょう。
楊梅や楊貴妃いつも傍に置き 泉
下草を刈って始める梅落し 多実生
○(アネモネ)段取りがなかなか。
〇(春生)この素朴な詠み方もいいですね。
○(泉)経験は十分、という感じです。
○(仙翁)梅落としの様子は、そうなのでしょうね。
◎(あちゃこ)リアリティの強さ。特別なことは何もないのに、人も音も匂いさえも感じられます。
梅酒瓶閉じて令和と濃く記す 餡子
〇(藤三彩)ラベルに漬けた日と梅や氷砂糖、ホワイトリカーの量、値段などの記録を記す。私は西暦だが「初令和」というのもはっとする感じがする。
◎(瞳人)さて、あと何年と思うのは、梅酒だけではありません
○(アネモネ)得心です。
〇(まきえっと)「令和」の使い方が良い感じです。
(選外)(道人)「濃く記す」に気持ちがこもっています。
訓練にもらう乾パン梅雨晴間 まきえっと
○(餡子)町内会の避難訓練でしょうか。地震はいつもすぐそこにあるのですが、つい忘れています。
〇 (多実生) 防災訓練に参加した時、乾パンを貰った事があります。
備蓄は少しづつ入れ替えている様です。"
テーマ:「色」
エンジンを止める船体梅雨の月 まきえっと
〇(楊子)映像がうかぶ。
◎(幹夫)梅雨の晴間の夜空に思いもかけず海の静寂に煌々と輝く月を見つけた。美しい景だ。
もてなしの梅酒色良き琥珀かな 春生
七変化まであと幾変化雨が 敏
○(ちせい)紫陽花の色の変化は楽しみですね。雨も貢献して居るのかもしれません。
わが庭のアルカリ性のあじさい花 多実生
雨を得ていよよ艶めく濃紫陽花 道人
〇 (多実生) 句の通り紫陽花は雨が似合う花の代表です。
機音は阿波の藍染しじら織 アネモネ
◎(藤三彩)徳島の「阿波しじら織」に伝統あり。染色用の藍に育て、それを機織りにかける手間のかかる伝統無形文化財の技、引継ぐ人材がありますように。
◎ (アゼリア)機音が聞こえてきます。しじら織ー初めて知りました。私の育った町も銘仙の盛んなところで、何処からともなく機音が聞こえてきました。
〇(まきえっと)「藍染」が涼し気な感じがします。
禁色のアイスクリーム眠る前 ちせい
空しきの色となりてや夏の山 仙翁
口を開く歯科椅子取り込む濃い緑 藤三彩
○(宙虫)歯科椅子が微妙だが魅力ある句。
沙羅白し三つ四つ尽きぬ思ひごと 瞳人
紫陽花の光の銀河雨後の寺 あちゃこ
◎(敏)「紫陽花の光の銀河」鮮やかな光りの流れがくっきりと目に浮かびました。
○(宙虫)雨後に様々な色が見えること再認識。
トリコロールの口笛桑の実が落ちる 宙虫
○(吾郎)おお、All You Need Is Love~♪愛こそはすべて ?
〇(楊子)何かわからないけれどひかれました。フランスねえ。
◎(道人)音と色の取り合わせが素敵です。何とも言えない詩情あり。
紫陽花の白に始まる雨意の風 餡子
〇(珠子)「雨意の風」こういう詩情のある言葉をすっかり忘れていた自分にドッキリしました。
〇(春生)いろんな色を運んでくる湿った風ですね。
○(仙翁)紫陽花と梅雨、いかにもそのようですね。
青葉風地に触れそうなポニーの尾 珠子
○(敏)ポニーの可愛らしさが手に取るようです。
紫陽花の風の色づく空の下 ルカ
○(幹夫)別称「七変化」の紫陽花・・・中句「風の色づく」が佳いですね。易しく(優しく)詠まれており共感です。
草笛の葉の色褪せし古戦場 幹夫
○(ルカ)季語がいいですね。
○(ちせい)季語は「草笛」。戦でのほら貝などが想起されます。
鳶色の夏だ目立つな呪い人 吾郎
〇(道人)夏の怪談奇談は控えめなほど怖くて面白い。「鳶色の夏」とは言いえて妙。
虹立ちてなるようになる老後かな 泉
〇(瞳人)老後? 2000万円なんて、要りゃあしませんよ
◎ (多実生) 任すしかないのが老後です。虹立ちてが効いています。尾瀬三条の滝の画面で逆さ虹の自然現象を初めて見ました。
○(あちゃこ)ケセラセラ~そうでありたい。そう思いたい!明るさに救われます。
◎(宙虫)この力強さにひかれる。虹がくっきりと立ち上がっているようだ。
箸立てに七膳の色豆ごはん アゼリア
(選外)(藤三彩)七膳の色とは虹の色のことか。なるほど。一日一善の色を使い分けるのこころかも。
瑠璃色のままにぺしゃんこ蜥蜴かな 楊子
○(吾郎)哀感というより少し滑稽なのは何故か、ぺしゃんこって語感かなぁ
〇(春生)写生の徹した目の確かさが見事です。
◎(仙翁)夏には、可哀そうな、そんな蜥蜴をよく見ます。
○(あちゃこ)なんと残酷。けれど、ユーモラスでもあり…下五が少し気にはなります。
雑詠
「ライブ感あるね」とふたり蛍狩 楊子
◎(アネモネ)ほんとライブ感がぴったり。
鐘楼へ続く回廊青葉風 まきえっと
○(ルカ)風の気持ちよさが伝わってきます。
○(泉)一幅の絵を見ている様です。
○(あちゃこ)長い長い回廊と季語がぴったり。岡山の吉備津神社を思い出しました。赤い鳥居だと季語も変わってきますよね。
梅雨入前卒爾とゆけり聖子をば 瞳人
ズック靴の踵つぶしてゐる素足 アネモネ
〇(瞳人)気持ちいいだろ、でも叱られる
○(幹夫)素朴な観察に共感です。
○(餡子)小さい時から、うるさく言われていましたので、やはりあれを見ると、良い感じがしません。
〇 (多実生) こんな事もあります。素足が効いています。
◯ (アゼリア) 大きな健康的な足が靴からはみ出ているのが見えます。
雨傘の避ける驟雨や催涙弾 藤三彩
○(餡子)俳句の形よりも、内容でいただきました。あの香港の反対運動に圧倒されました。日本ではあそこまで頑張れない。ずるずると何かに巻き込まれていってるような気がするのですが・・・。情けない自分を感じました。
雨二タ夜二タ夜の色を足し四葩 餡子
○(アネモネ)リズムの良さにうっとりします。
◎(珠子)「妻二タ夜あらず二タ夜の天の川 草田男」よりも好きかもしれません。
○(ルカ)紫陽花の益々の色の深みを感じます。
額の花渡船場跡に杭残る 敏
○(ルカ)季語がいいですね。
◯ (アゼリア)私の町の絵葉書にありそうな懐かしい景色が見えるようです。
茅舎忌や一人にひとり母のいて ルカ
〇(藤三彩)川端茅舎という俳人の俳号を知らないので盆石の「茅舎石」のことかと思っていた。生家は日本橋茅場町の橋を渡った蛎殻町、下町の盆石を目にしての俳号だろう。
◎(楊子) 描写を貫いた俳人を詠んでみごと。学びました。
〇(道人)哲学したくなりました。
○(ちせい)川端茅舎に異母兄の高名な画家である川端龍子が居た事が思い出されます。
(選外)(幹夫)長く病臥だった川端茅舎は七月十七日が命日。追悼の取り合わせだ。
薫風やずらりと干して子供服 泉
○(吾郎)これは思わず微笑んでしまう、壮観!
〇(瞳人)おお、いまや、貴重なる子沢山? うらやまし
○(アネモネ)薫風がいいですねえ。見事なながめです。
◎(春生)楽しくなるような風景です。
〇(まきえっと)気持ちよいです。自分も干されたい。
献立にもつ鍋夏も煮て断固 吾郎
○(敏)「断固、暑さには熱さ」といったところでしょうか。目にするだけで汗が滴ってきそうな回文句。
○(泉)断固たる意志を感じます。
○(仙翁)夏の鍋の様子がよく出ている見事な回文です。
◯ (アゼリア)煮ます。暑い時こそ熱々のもつ鍋で栄養をつけて暑い夏を乗り越えなければ。
時薬とふ秘薬日日草咲く アゼリア
〇(珠子)ちょっと落ち着かない破調が気になりますが。二年前、なぜか段差を蹴って転倒骨折、車椅子となった時、日薬・時薬を実感しました。
世の中はコストの歪み梅雨最中 多実生
○(泉)世の中は複雑な歪みの組み合わせでしょう。
梅雨寒の真っ赤な嘘とミルクティー あちゃこ
○(吾郎)ライトコメディの仏映画 みたい、「真っ赤な嘘とミルクティー 」
「お薬手帳」お持ちでしょうか紅蜀葵 宙虫
〇(珠子)ハイ。紅蜀葵は元気で華やかすぎるのではとも思いましたが、思い切りの良さもいいのかもしれません。
○(餡子)「はい、持っています 」と思わず言ってしまいました。紅蜀葵も黄蜀葵も好きな花。季語がいいです。
(選外)(藤三彩)紅葉あおいがもう咲いているのでしょうか。お薬の赤い手帳と色を連動させているのですね。
晩成の老いの才覚蝸牛 幹夫
〇(瞳人)ゆっくりと、のんびりと、けなるいなあ
○(仙翁)何となく、面白い。老いの才覚、ないですが。
緋鯉居る発芽率の悪さと播種の時期 ちせい
舞い下りる白鷺一羽代を掻く 仙翁
〇 (多実生) 餌を求めているだけしょうが絵になります。
〇(道人)白鷺が代掻きとは面白い。共存共栄の世界なのかも。
〇(春生)白色が爽やかです。
○(ちせい)季語は「白鷺」。まるで鳥まで代掻きを手伝っているようにも読めてユーモラスだと思いました。
明易し体内時計動き出す 珠子
○(ルカ)少しつきすぎかもしれませんが、共感します。
(選外)(道人)同感です。
憂さ一つ捨て南天の花愛でる 道人
○(幹夫)作者の南天の花への愛着が佳く詠まれている。
偕老の庭紅白の薔薇薫る 春生
〇(藤三彩)夫婦が同じ園芸、俳句などの趣味を持つのは幸せなのかどうか。バラ苑の老夫妻が付近にいて、そのお二人を思い出した。
○(敏)仲睦まじいお二人に相応しい庭の彩り、いいですね。
次回をお楽しみに。
広島は蒸し暑くて、さすがに夏バテ気味になっています。広島カープの調子が悪いので、余計に憂鬱です。しかし、他のセ・リーグのチームも負けるので、今も広島は2位ですから。いよいよ、これからです。それにしても、パ・リーグは強いですね。何故だろう?