（４/２２選句締切）第３３２回小麦句会投句一覧

おはようございます。

熊本地震で被害を受けた方々、お見舞い申し上げます。

 

兼題：遠

花見酒遠い国には避難民　　

梨咲いて遠く東京競馬場　　　

春霞遠き山巓まなうらに   

昭和の日向田邦子の遠くなり　　

春蘭に逢える気がして遠回り　　

蛇穴を出て遠征の面構え　　

貝寄風や遠浅の水透きとほる　　　

安眠を蝶が乱して遠賀郡   

遠近の眼鏡パナマや遠霞　　

水仙選ぶ寺手ぶら遠征す　　

遠足や川を流るる照る坊主　　

遥かなる遠距離恋愛花吹雪  

レコードも昭和も遠く蔦若葉     

葉桜やいつしか父の遠目癖　　　

春風の遠き行方を確かめる　　　

朧夜の心もとなき遠会釈　　

遠足の列ゆっくりと畑道　　

菜の花や遠く黒船浮かばせて　　

鶯の遠音ぽっくり逝かれしと　　

秘国より春潮寄せる遠江  　

遠足や誰からとなく話だす　　

 

テーマ：回る

チューリップゆつくり回る縄電車　

てふてふの明日へ無心海渡る　　

走りきて自ら回す風ぐるま　　

リラ冷えの夜の回転木馬かな　　

愛された記憶の中の風車    

一周遅れのゴールに喝采運動会　　

花みずき回転扉を出て見上ぐ　　　

回り道して巡り会う朧月  　

金魚赤しちらちら鯉の列に縦き　　　

見掛けたるペットボトルの風車　　

三月の回転木馬乗りしまま　　　

回り続く道化師の皿初燕    

循環バス車窓はずっと花水木    

尻尾から読んでも俳句囀れり　　

昼寝する猫を包むや花絨毯　　　

灯籠のめぐりは早し花の雨　　

逃げ水はくるくる来る句弾み気に　　　

納経の調子外れや遍路笠     

風光る回転ドアの音立てて　　

遍路道がんの告知を受け歩く　　

夢抱き回転木馬長閑なる　　

 

自由

ゆく春の遠野の炉辺に薪を足し　　

芋植うる村一望の山畑に　　

引鴨の帰心仇なすパンの耳　　

花筏分かちゆく舟綿帽子     

確かなる意思あるごとく桜散る   

境内の藤の香りに会いに行く　　　

清明の褒めれば照れてペアルック     

空っぽの詩嚢こごみの胡麻汚し　　

光陰の風に漂う飛花落花   　

芝焼きのこの日の火の粉軒ヤバし　　

桜蕊月に二回の朗読会　　

若布採る風評被害未だあれど　　

春の夜のひかりをこぼす鍵の穴　　

あの瞬間の地震思ひ出す春の海　　

春牧場嘶く馬にある戸籍　　

清正の虎より地震に地虫出づ　　

蝶の客そっと窓から出してやり　　　

風光る高校生のジャズバンド　　　

分水（みくまり）の水は春田へ金魚田へ　　　

目薬のこぼれて春を見失う　　

余震つづく朧夜どこまでもおぼろ    

★★★
選句数（今回も６句選です。）
特選◎１句
並選〇５句

コメントをお忘れなく。
もちろん選外の句で気になる句がありましたら、コメントしてください。

まきえっとあてメールで投句してください。
makietto@nifty.com

締切：４月２２日（金）24時

 

↓投句前に再度確認しましょう。

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