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思い出の学者② 川添利幸教授

2007年01月25日 | 中央大学

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私は、

大学の1,2年のとき

川添利幸教授の憲法

講義を受け、

3年のときには、

教授の憲法ゼミのゼミ員

でした。

(ゼミの希望者が多く、

 難関の入ゼミ試験

 通る必要があった)

   

当時、中大で憲法を

講じておられた教授では、

橋本公亘教授の方が

一般では著名でしたが、

川添教授は、当時、

現役の司法試験委員

あり、

学内での人気は

橋本教授に優るとも劣らず

の状況で、

講義の際には、常に、

教室はほぼ満杯状態でした。

      

川添教授は、

初日の講義のときに、

日本国憲法の効力について

論じられたのですが、

「今ここで、

 私が憲法無効論を取って

 しまうと、

 2年間の憲法の講義は

 今日一日で

 終わってしまう。」

などと言って笑いを

取るなど、

ユーモアある先生でした。

 

 

    Cimg3097

教授は、

昭和30年代に

憲法の教科書

を書かれたの

ですが、(これ→)

 

(この「憲法概論」は、

 憲法テキストの中で、

 おそらく、もっとも早い時期に

 「憲法の保障」に独立の扱いを与えた

 画期的なものでした。)

 

先生の専門がドイツ法

で、

先生の憲法理論も

ドイツ法系の影響を

受けているため、

当時、

東大の芦部教授による

アメリカ法系

憲法訴訟論が華やか

だったことから、

なかなか

憲法の体系書・教科書を

書きづらい

面があったようです。

私が学生の頃は、

特に教科書などは

執筆されておらず、

ゼミ生としては、

何か悔しかったですね。

   

私が入学した頃は、

佐藤幸治教授の「憲法」

が出版されたばかりで、

また、

橋本公亘教授が

新しく有斐閣から出された

教科書で

9条について憲法変遷論

を唱えるなど、

憲法学としては面白い

時代でした。

   

しかし、私は、

それらの教科書・体系書

には、目もくれず、

(嘘です)

川添教授の講義を2年間

受け続け

(1回だけ寝坊して

 受け損ないましたが、

 ノートを友人に借りて

 補完)

憲法のみならず法律学に

ついての

目を開かせていただき

ました。

(感謝、感謝)

     

川添先生は、

今もお元気で、

ゼミの同窓会には

毎回出席いただいている

のですが、私は、

いつも欠席してるので

(なかなか東京までいけ

 ない)

申し訳ないです。

(上の写真の「シャイ

 ロックの権利」は、

 川添教授の還暦祝いに、

 教授の論考を弟子が

 編集したもの。

 パーティー参加者に

 後日配布されました。)

  

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   ↑

26年前のノート

これは、初日の

「日本国憲法の効力」

 

 

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私が大学卒業後に

出版された

川添教授の論文集

「憲法保障の理論」

 

川添教授は、憲法学者の中で、

憲法の基本書・教科書において

初めて「憲法保障」を独立の章

を立てて説明した研究者で、

川添教授と言えば、「憲法保障」

というイメージがありました。

 

「平等原則と平等権」

論文で教授が唱えられた

学説は、

「憲法Ⅰ(野中、中村、

高橋、高見著)」(有斐閣)

で、

平等権を標準的処遇に

求めるまでの権利と

解する有力な見解として

紹介されてます。

 

 

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