名張市立病院を守りよくする会

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【声明】市民無視の名張市立病院「独立行政法人化」方針を撤回し、市民の願いがまっすぐに届く市直営の公立病院として守り発展させていくことを求めます。

2024-01-19 22:10:46 | 日記

市民無視の名張市立病院「独立行政法人化」方針を撤回し、市民の願いがまっすぐに届く市直営の公立病院として守り発展させていくことを求めます

                        名張市立病院を守りよくする会

 

 名張市の北川裕之市長は、12日の市議会全員協議会で、名張市立病院を廃止し「独立行政法人」にする方針を表明し、来年10月1日から発足させる計画を明らかにしました。名張市立病院を市から切り離し、市の直営の公立病院でなくしてしまう重大な経営形態の変更について、市民に対する説明も理解も合意もないまま一方的に決定したことに対して厳しく抗議し、市民の悲願でつくられた市立病院は、市民の願いがまっすぐに届く市直営の公立病院として守り発展させていくことを強く求めるものです。

 

 なにより問題なのは、独立行政法人化について市民にはほとんど知らされず説明もされてきませんでした。昨年行われた、「市立病院あり方検討委員会」の答申に対する住民説明・意見交換会では、市民から「独法化」に対する批判や疑問・不安が大半を占めました。市長は「まだ決めていない。これから検討していく」としてまともに説明しませんでした。それ以降、一度も住民説明会は開かれず、広報などでの説明も行われず、疑問や不安は何ら解消されていません。

昨年7月に打ち出した経営強化プランでは「独法化」の具体的検討に入ると明記しながら、同プランの意見公募を載せた広報なばりでは「独法化」について一言も言及せず、市民には何も知らせない状態をずっと続けてきました。

こうした状況で「守る会」は市民の意見反映を求めて市長に再三、懇談を要請しましたが、一度も応じていません。こうした経過をみても、とても市民の理解も合意も得られていないことは明らかであり、「独法化」を決めることはあまりに市民無視であり、拙速というほかありません。

 

 名張市当局は市議会全員協議会で、「独法化」の決定理由について、「経営の自主性・迅速性」「職員の意識改革」「医師の確保」について「期待できる効果と地方独立行政法人の優位性を確認できた」と述べましたが、これは経営上のいくつかの課題について言及したものにすぎません。中身も、総務省アンケートとわずかな視察結果にもとづく「考察」とも呼ぶべき中身の薄い、きわめて説得力に欠けるものです。

なにより名張市としてどんな病院をめざすのか、市民の医療サービスをどうしていくのかなど、一番肝心の問題については何ら答えるものではなく、「独法化ありき」の身勝手な独断というほかありません。

市長は、「名張市立病院は市民の悲願でできた病院」と言明しましたが、そうであれば、その市民の理解と合意なしに市長や市議会が決めることがあってはなりません。市長は、「決定について市民に丁寧に説明する」として、2月に市民説明会を開くと述べましたが、まったく本末転倒です。重大な経営形態の変更を勝手に決めてから市民に説明するのではなく、決める前に市民にきちんと説明し、市民的議論を尽くして、市民の理解と市民合意を得てから決めるべきものです。

しかも、市民説明会は3日間で5回だけで、各回90分しかなく、これで市民の理解・合意が得られるわけがありません。せめて市内に15ある町づくり協議会ごとに十分な時間をとった説明会を開くなど市民的議論を尽くし合意を得ることに努めることが、市民に対する責務です。

そもそも市民は何よりも真っ先に「独法化」を行うことなど求めていません。「守る会」が行った市民アンケート調査(約1700人回答)では、あれこれの経営形態の見直しより、医療の拡充・強化をもとめる意見が6割にのぼっています。

 名張市立病院は、市民の願いと運動で18年余の歳月を経て創設された「市民の宝」です。高度医療から慢性疾患まで担っている総合病院は名張市立病院だけです。市民が求める救急医療をはじめ、小児医療、災害医療、感染症対策など不採算医療を担い、コロナ禍で市民のいのちを守る役割を果たしてきました。市民のいのちと健康を守るとりでであり、現在もコロナ病床を16床確保し、能登半島地震にはDMAT(災害派遣医療チーム)をさっそく派遣しています。これらは、自治体が直営する市立病院だからこそできることです。

これが「独法化」となれば市民の意見が反映できる直営の公立病院ではなくなり、議会の関与も遠ざけられ、収益・効率優先で経営されることになります。「独法化」された各地の病院では、不採算の医療サービスの切り捨てや職員の賃金カット・非正規雇用の拡大、患者の負担増が行われ、理事長らによる不正行為も横行し問題になっています。安心・安全の医療を求める市民の願いに背くものです。市当局は、各地の視察結果をもとに「独法化しかない」としていますが、いったい何を見てきたのでしょうか。

コロナ禍で公立病院の重要性が改めて明らかとなり、今回の能登半島地震でも公立病院の果たす役割がいっそう注目されています。名張市立病院を公立病院として維持・発展させていくことこそ市民の願いです。私たちは安心・安全の地域医療を求めるすべての市民のみなさんと力をあわせて、名張市立病院を市直営の公立病院として守りよくしていくために全力をあげていきます。

 

                  以上


北川市長「名張市立病院独立行政法人化」を表明<1月12日>

2024-01-18 14:34:30 | 日記

北川市長が「独法化」を表明 来年10月ねらう 三原、藤川議員が「市民不在」「根拠がない」と批判

 

 名張市の北川裕之市長は、12日の市議会全員協議会で、名張市立病院を廃止し「独立行政法人」にする方針を表明し、来年10月1日から発足させる計画を明らかにしました。2月22、24、27の3日間に5回の住民説明会(各1時間半)を開き、3月に新法人の定款を市議会で議決するなど独法化を急ぐスケジュールを示しました。

 新法人の理事長には、桑名市総合医療センター病院長の登内仁氏を任命し、4月から発足する法人設立準備チームの常勤顧問にも就任。非常勤顧問の竹田寛・桑名総合医療センター理事長とともに組織体制の構築に取り組むと述べました。

 吉岡副院長が、独法化の検討結果を説明。「経営の自主性・迅速性」などにおいて「独立行政法人の優位性が確認された」と述べましたが、具体的には医師の採用がやりやすくなるというぐらいで、医療サービスが拡充されるのかどうか、救急体制が強化されるのかなど市民にとって独法化の具体的必要性は何も示されませんでした。

 これに対し、日本共産党の藤川よしひろ議員は、「経営上の話だけで、どんな市立病院をめざすのかの考えがない。だから独法化が必要だといわれても納得できるものがない。決定してから市民に説明するのでは順序が逆だ。市民の疑問や不安を払拭してからやるべきことだ」と指摘。「市民説明会も5回では少ない。せめて15ある地域づくり協議会ごとに開催すべきだ。そこで市民からおかしいという意見が上がれば独法化は再考すべきだ」と強調しました。

 吉岡副院長は「病院を持続していくために経営形態を見直すことが必要だ」と述べるだけで、なぜ独法化すればよくなるのかの説明はありませんでした。北川市長は「説明会は前回よりは増やした」と弁明するだけで、市民の理解と合意を得る積極的な姿勢はみられませんでした。

 日本共産党の三原じゅん子議員は、1月10日の広報なばりで「市民から考えを聴いて考え方を整理し方向性を示す」と書いていたのに、どこで市民の声を聞いて整理したのかと批判し、「市民の財産である病院を市民不在で独法化していくことは再考すべきだ」と求めました。採算重視の独法化にして医師採用などに金を使う一方で市からの繰り入れを減らしていけば結局、市民サービスなどが削られていくと述べ、「信頼できる身近な市立病院として充実してほしいというのが市民の願いだ。能登半島地震で公立病院の役割が改めて重要になっている。拙速に独法化に進むのではなく市民、職員の声をよく聞いて、それにこたえる市立病院として拡充させていくべきだ」と強調しました。

 北川市長は、「独法化した病院では医業収支がプラスに転じている。自由度が高い形態で理事長に手腕を発揮してもらいたい」と述べ、理事長に丸投げで公的責任を果たそうとしない姿勢に終始しました。

 他の議員からは独法化に賛成する意見が出され、独法化に市民が疑問や不安を示していることを「偏った意見」と暴言をはく議員がいる一方で、「なぜ独法化すれば経営がよくなるのかが分からない。働き方改革で全国的に医師不足となる時期に独法化していいのか疑問だ」「住民説明会が1回90分で普通の人が理解できると思えない。もっと工夫するべきだ」「市立病院だからもうけより命を守ることが大事であり、市からの繰り出しも説明すれば市民に理解される」との意見が出されました。


名張市立病院を守りよくする会が記者会見

2024-01-11 19:31:29 | 日記

独法化推進の中間報告(市議会)は撤回し、市民の意見を踏まえた議論を行うべき                  

 

名張市立病院を守りよくする会は12月21日、市役所内で記者会見し、市議会が市長に対して「市立病院の独立行政法人化が最適」とする中間報告を提出したことは市民的議論も合意もないものだとして抗議する声明を発表し、このような中間報告は撤回して市民の意見を踏まえた議論を行うよう求めると表明しました。「朝日」「読売」「毎日」「中日」「YOU」が取材しました。

 和田代表は、「中間報告は市議会特別委員会の6人中2人の委員が反対し、市民的議論も合意もないものであり、市議会の暴走というほかない」と強調。「先日も市議会議長と市長に中間報告は認められないと申し入れを行ったが、市民には何らまともな説明も市民の合意もないまま独法化を進めようとしているのは納得できない。名張市立病院は、市民の長年にわたる運動でできた公立病院だ。それを丸投げするような形で独法化して市から切り離してしまうことは責任放棄であり、認められない」と述べました。

臼井事務局長は「市議会の特別委員会では、現行の公営企業法のもとで経営改善に取り組み成果をあげている公立病院を視察してきたのに中間報告には何も書かれていない。独法化になれば市の責任は大きく後退し、市議会のチェックも遠ざけられる。そうではなくて現行の公営企業法の『全部適用』によって経営改善に取り組むべきだというのがわれわれの考えだが、それも含めて市民的議論と市民的合意によって市立病院のあり方は決めるべきものであり、市長や市議会が勝手に決めるものではない」と指摘しました。

 記者から「名張市の財政状況から独法化が必要ではないのか」との質問が出され、守る会からは「市からの繰入金は約12億円だが、救急など市民のいのちと健康を守るために必要なものだ。市の一般会計は約300億円、繰入金はその4%であり、重い負担とは言えない。しかも半分程度は国からの地方交付税で財源が保障されており、建設時の債務も2026年度でなくなる。市民のニーズに応える医療をやって患者を増やし、それで経営改善をはかっていくことが十分できるはずだ」と答えました。

記者からは、建設時の債務がなくなることを確認する質問が出され、市の財政負担を理由にした独法化が成り立たないことについて関心が寄せられました。