ナポリ男子は去年、龍馬の命日に我が家にすき焼きを食べに来て以来、一年ぶりやった。
イタリア語ペラペラの元イタリア在住の女の子は上野樹里似なのでじゅりちゃんと呼ぶことにする。
ナポリ男子は長いので省略してナポリオと呼ぶことにする。
ちなみにナポリオ夫人は私が思ってたほどセレブじゃなく、ごく普通のイタリア女性やったから、ちょっと安心した。
イタリアでダンナにナポリオを紹介したのがじゅりちゃんで、じゅりちゃんは当時はイタリアで違う仕事をしてたけど、その仕事も辞めて、長年のイタリアでの生活を全部引き払って帰国して、今はナポリオと一緒に仕事をしてる。
ビジネスが順調なら、私もバイトするみたいな話やったけど、全てがイタリアペースやから、なかなか進まへん。
それでもようやく来年1月には始動開始するみたいや。先週そのセレモニーパーティーにダンナも呼ばれて行ってきはった。
パーティーは盛大やったらしいけど、ビジネスの方は今までのところ難航してる。
ナポリオは日本に居る時はいいけど、イタリアに帰った途端になかなか連絡が取れなくなる。
ビジネス立ち上げ当初はダンナの友人がメインで携わってたけど、ナポリオのそういうペースに合わなかったり色々あって、今は離れしまってる。
可憐なじゅりちゃんはたった一人で日本側とイタリア側の対応に追われて、毎日大変なんやろなとしみじみ思った。
不安になるとうちのダンナに泣きのメールが入る。
じゅりちゃんにとって、うちのダンナはイタリア時代のじゅりちゃんのことも知ってるし、いざという時に頼りになるおじさん的存在なんやということもよく解った。
パーティーの席でダンナはじゅりちゃんのお母さんに、じゅりちゃんのことは自分が守り通しますと言ったらしい。
やっぱり武士やな。生まれる時代間違えてる。
昨日はお客人のリクエストでしゃぶしゃぶにした。
学生時代に日本に留学してたナポリオは別として、日本食が大丈夫か心配やったご夫人も上手にお箸を使って、しっかりしゃぶしゃぶしてた。
胡麻ダレが気に入ったみたい。
お野菜も春菊以外は抵抗なく召し上がってた。
ちなみにナポリオは椎茸、マイタケ、エノキタケ、本シメジ、ブナピーなどの多種のキノコに大喜び。
じゅりちゃんが言うにはイタリアにはキノコはマシュルームとエリンギくらいしか種類がないらしい。
ナポリオ夫人はたまたま出した枝豆が大好物だったらしく、ニコニコ笑顔でぱくぱく食べてた。
じゅりちゃんの話やと、イタリアには枝豆はないらしく、そら豆みたいな豆はあるけど大味らしい。
ちなみにナポリオ夫人は座卓も抵抗なかったみたいやけど、カセットコンロや鍋セットにはびっくりしたみたいで、じゅりちゃんの通訳によると、
日本ではどの家庭にもこの鍋セットは揃ってるの?
と。
たいがい、あるよ。とダンナ。
まるで、大阪ではどこの家庭でもタコ焼き器があるの?という問いみたいや。
マロニーちゃん登場の際には
それなあに?
と
ナポリオ夫人はかなり不思議がってたし、
ノンアルデンテで食べるという説明にも
ええーっ!?
ノンアルデンテなんて有り得ないわ
と顔をしかめてたけど
実際に口にすると、
納得、という感じで
ぼぉーの、と。
スルスルと滑るから食べにくそうやったけど、食感はOKやったみたい。
ナポリオの要望で〆にうどんも入れたけど、夫人はうどんはダメみたいや。
満腹になったところで、じゅりちゃんにお土産で頂いた長野の林檎を切って出した。
結構熟れてて、芯のあたりに蜜が染みてる。
それを見てイタリア人カップルが目を丸くしてる。
これは何?と。
林檎だよ。
この芯の黄色い透明なとこは?
じゅりちゃんが
蜜だよ、
と。
蜜~???
二人は恐る恐る一口かじって
再度、イタリア語で
これは何?と。
だから林檎だよ。
こんな林檎、初めて食べた、マンマミーヤ!
と二人ともびっくりしてた。
これが日本の林檎だよ。とじゅりちゃん。
じゅりちゃんの話では、イタリアの林檎はもっとパサパサしてて、日本の美味しい林檎みたいに果汁があって風味が豊かではないらしい。
日本の野菜も果物も、とっても美味しいんだよ、と。
ほう、そうなんや。
あとしゃぶしゃぶ用の肉についても、
じゅりちゃんの話によると、イタリアのお肉屋さんではお肉の薄切りは拒否されるらしい。
もちろん薄切り肉はおいてないから、
プロシュートみたいに薄く切って、と頼んでも
だめ、そんなことしたら美味しくない、と断固拒否らしい。
イタリアでは薄切りで肉を食べる習慣が無いらしい。
焼きそばもお好み焼きも肉ジャガも生姜焼きもできへんのや。
イタリアやヨーロッパではずっと日本ブームらしく、日本食レストランが次々出来てるらしいけど
殆どが在住中国人がやってるらしく、なかなか本物の日本食はないらしい。
あと、じゅりちゃんの話で面白かったのが
ヨーロッパでは日本のアニメが流れまくってるらしく、じゅりちゃんが日本人というとよく質問されるのは
「日本人は本当に、ドラエモンに出てくるような畳に障子や襖や押し入れのある家で今でも暮らしてるの?」
ということらしい。
紙を貼った障子とか襖とか、畳とか押し入れとか、確かにかなり不思議なんかも。
実際昨日、ナポリオ夫人に
ベッドじゃなく、本当に布団とか敷いて寝てるの?
みたいなことを聞かれたダンナが
和室の押し入れを開けて、たたんだ布団が入ってるのを見せると、
おお、マンマミーヤ、と。
きっとナポリオ夫人の場合、普通の日本人の一般家庭の住居なんて初めてやったろうから、興味深かったやろな。
狭さにびっくりしたかも。
シチリアワインを用意した以外は普通に日本食にしたけど、みんな喜んでくれたから、ほっとした。
じゅりちゃんもしゃぶしゃぶなんて何十年ぶりです、と感激してた。
じゅりちゃんがあまりに可憐で可愛くて、すっかりファンになってしまった。
きっと学生時代からずっとそのままイタリアにいたから、あんなに可憐なんやろな。
ダンナの話では、
じゅりちゃんはイタリア時代にその持ち前の可憐さから周囲の人みんな(実力者も含め)に自然に可愛がられるから、仕事上で海外でバリバリやってる怖い日本人女子たちにはかなり中傷されて攻撃されたらしい。
一言。
嫉妬やな。
毒々した日本女子は海外でも日本と同じことするんやな。
えげつない。
じゅりちゃんは今の仕事を続ける自信がないみたいやけど、
でも
ナポリオは頼りないけど、日本に帰国したからって日本企業に行くよりはナポリオと仕事してる方がずっといい。
日本のオフィスにはお局様がマジでいるから。
きっと国内の方が海外組よりもずっとたち悪い。
それにしても、久しぶりにあんな可憐なキャラに出会った。
日本にはもういてへんやろな。
イタリアっていい国なんかもな、と可憐なじゅりちゃんを見て思った。
みんなが席を立って、
片付けを手伝おうとしたみんなに
ダンナが一言。
そのままでいいから、
そのまんまミーヤ。
じゅりちゃんがナポリオ夫人に通訳苦労してた。
じゅりちゃんはなるべく日本に毒されんと、
ずっと
そのまんまミーヤで
いてね。
と
ずっと日本を出たことのないおばはんは
思った。
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