図書出版・浮游社のコミュニケーションペーパー
浮游庵通信 3 2021年12月15日発行
発行・浮游社〒814-0023 福岡市早良区原団地11棟101号
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・・・【長崎レポート】・・・・・・「なんばしよっとかぁ~ッ!」①・・・
「公権力による教育への介入」 「行政への関心や批判封じ」
小学校教諭を市(長)教委(崎市)が「文書訓告」処分!
県・市職労組、市・県教組は、沈黙か?
問われる長崎県と市教委の体質
原爆受難の長崎市は、長崎県第二の都市であり米軍基地と自衛隊に依存する佐世保市とともに「自然、平和、人権」を守ることに一生懸命に取り組んでいるとばかり思っていたが、実はそうではない。現実は、全く逆行しているのである。
長崎県下の自治体にとって、「自然、平和、人権」とは何だろう。
虚飾なのか?
その第一の事例は、県と市の事業である石木ダム計画に対する県民の反対運動に苛立った公権力が、小学校6年児童の目が生き生きと輝がやいた校外授業を企画・実行したA教諭に対し、本年7月に【文書訓告】という「御上の神経を逆なでした生意気な奴!」とばかりに発令したお粗末な懲戒処分だ。
第二の事例が、長崎大学が平穏な住宅街に住民の反対を押しのけ建設し、運用を予定しているBSL4である。 *BSL4とは、死者続出のエボラ出血熱をはじめ、細菌・ウイルスなどを取り扱い、バイオセーフティレベルが最も厳重な基準のレベル4の実験・研究施設である。
原発事故はないと推進者は言ったが、事故はあったのだ。風向きによっては首都が壊滅だった。BSL4研究施設には100%事故はないのか。事故ったらパニックだ。COVID-19どころの騒ぎではなくなる。賛否議論の末、どうしても必要という結論であれば、住宅街ではなく、他に場所の選定はできないか。長崎県は島が多いし、過疎化した廃坑の島を活用するのも検討材料になるのではないか。
もう一方の懸念、軍事研究絡みは杞憂か?
国・県・大学、不信のシンジケートの一例。国家権力による学術会議新会員6人の任命拒否は放置され、是正されていないのである。
クラウドファンディングCALL4のHPを参照してください。
第三の事例が、佐世保市のアナクロニズム! パンフレットの宣伝文句は 「海軍さんの港まちSASEBO《軍港クルーズ》」!?? 長崎県、佐世保市当局者がともに役員に名を連ねる公益財団法人の佐世保観光コンベンション協会が、佐世保港は「海軍」の港だと大宣伝! 海上自衛隊を「海軍」だと!? 海上自衛隊の佐世保地方隊があるから「軍港」か? 観光協会関係者はアナクロ汚染の脳で正しい時代認識が不能なのかしら?
軍港市から平和産業市に転換することにより平和日本実現の理想に寄与することを目的とした「旧軍港市転換法」(1950年に公布施行)を踏みにじり、アベ自民党の改憲より先に人口減少で沈没しそうな佐世保市だ。
いずれも、呆れて「(県や市の公権力は)なんばしよっとかぁ~ッ」である。
ふるさと長崎に落葉帰根(途上)の元県民がレポートする、第1回。
小学校6年生社会科の校外授業テーマ
「自然、平和、人権を考える」で
A教諭を処分は、なぜ ?
11月21日、佐世保市でA教諭を囲む会が開かれ、A教諭から経緯を聞くとともに、参会者が意見交換した。主催は石木川まもり隊、30人余が参加した。
当日の取材と、経緯と処分の疑問点をまとめた石木川まもり隊のブログを参照し、A教諭の処分の背景と問題点をクローズアップする。
こうばるさるく ~自然、平和、人権を考える~
校外授業のテーマは、「こうばるさるく~自然、平和、人権を考える~」(「さるく」は、長崎の方言で「歩く」の意で、こうばる地区を歩きまわる)で、実施場所は、佐世保市の南東側に隣接する川棚町川原(こうばる)地区である。
社会科見学のテーマごとに教材となる背景をみる。
テーマ①自然>川原地区は、長崎県のレッドリストに載っている希少種が多く生息し、ホタルも乱舞する自然が丸ごと残っている。
テーマ②平和>川棚町は、長崎がアメリカから原爆攻撃された戦争の最中に、三菱長崎兵器製作所や佐世保海軍工廠で製造された魚雷の発射試験場があり、特攻「人間魚雷」の訓練なども行われたところ。戦争遺構も残っている。
テーマ③人権>川棚町を流れて大村湾に注ぐ二級河川の川棚川の支流で、小川にすぎない石木川の流域である川原地区で約60年前に県によってダム建設が計画された。
住民の意向を無視し、機動隊を導入した測量も行われた。県は住民の合意を取り付けるための真摯な話し合いを拒否し、土地の強制収用を前提とした県によって地元住民の生活・生存権など、人権が圧殺されようとしている。
A教諭「文書訓告」の経緯
川棚町川原地区での、長崎市立矢上小学校6年生社会科の校外授業は、A教諭が担当するクラスのみの企画でスタートしたが、学校長の賛同と指導を得て、6年生全クラスの企画となり、学校長承認のもとにA教諭が主体的に動き、「自然、平和、人権」のテーマでマスコミ関係者や地元住民、自然科学専門家など外部講師への依頼も行われた。ダム計画を県民に説明するべき立場にある県河川課や佐世保市水道局は講師依頼を断っている。
(2020年11月) 社会科の校外授業を終え、児童は感想文を書き、A教諭は児童の同意を得て、見学で世話になった人々にお礼として児童の感想文を送った。川原地区で計画されているダムに深い関心を向け、問題提起を続けている石木川まもり隊の代表・松本美智恵さんにも手渡した。
(2020年12月) 松本美智恵さんが石木川まもり隊のブログに児童の個人情報を伏せて、6編の感想文を掲載したところ、学校長から児童の感想文掲載を削除するように要請があり、松本さんはA教諭の立場を考慮して学校長の要請に応じた。
(2021年7月) 年度が変わり、A教諭が別の小学校に異動したあと、長崎市教委は「児童の保護者の許諾を得ず、校長への確認がないまま、学校外に提供した。提供先が管理するブログに児童の感想文が掲載された」「供述書の作成を命じた学校長の命令を拒否した」こと等を理由に、A教諭を文書訓告処分とした。
(2021年10月7日) A教諭は、長崎市教委による文書訓告処分を不服として、長崎市公平委員会に審査請求し、処分の取り消しを求めた。
(2021年11月9日) A教諭と中川 拓弁護士が長崎市で記者会見を行った。
報道の視点は「石木ダム」問題
記者会見を伝える地元の報道に共通している視点は、全国的に計画中止を求める声が広がっている「石木ダム」問題だ。
文書訓告処分を石木ダム絡みで報道しているが、校外授業の中身や児童の感想文には踏み込んでいない。長崎県と佐世保市が反対運動に神経を尖らせている場所を選んだから、A教諭は文書訓告処分を受けたと、処分の背景を炙り出しているようであるが、「公権力による教育への介入」や「行政への関心や批判封じ」という、市教委による文書訓告処分の問題点を穿つ報道ではない。
A教諭と弁護士は「公共事業(石木ダム)を取り扱ったことへの報復処分」だと、文書訓告を批判している。
A教諭は以下の三点を主張している。
①矢上小学校校長及び長崎市教委への虚偽目的、計画、報告という嫌疑がかけられ、その路線の元に供述書を作成するように職務命令が私に発せられたことが不当処分の原点である。
②事実関係や経緯が整合していない処分理由はありえない。違法・無効である。
③児童の個人情報を口実に、教育行政が教育内容にまで介入するべきではない。(児童による感想文は、修学旅行やさまざまな見学先でお世話になった先に送って、お礼の返事も受けており、これまでも慣例化しているし、全く問題になっていない)
さらに、「昨年(2020年)11月中旬から今年(2021年)7月までの約8カ月間、校長、(長崎)市教委、そして関係した者たちの間で何があったのかを、教育関係者らしく、指導者らしく、自ら潔く明白にしていただきたい」と要求しており、市教委の答弁が注目される。
以上がこれまでの経過である。
石木ダムについて
石木ダムは、長崎県と佐世保市が計画し1962年に地元に事前の通告もなく測量が行われたことから顕在化して、ダム建設反対運動が高まり、約60年が経過している。石木ダム計画には治水の専門家からの批判に加え、ダム計画の根拠とした水需要予測も二転三転し、杜撰な計画であることが利水専門家からも批判されている。
県行政が悪質なのは、知事と地元住民代表が交わした《覚書》を県側が破棄し、県民との信頼関係を自ら断ち切って、地元住民の平穏な生活・居住権を奪うという憲法が保障する人権を蹂躙している事実である。
1972(昭和47年)7月29日、石木川の河川開発調査に関して、長崎県知事と地元(川原郷、岩屋郷、木場郷)の総代三者が川棚町長を立会人として、「ダムを建設する必要が生じた時は、書面で地元の同意を得た後に着手する」という《覚書》を交わした。しかし、長崎県は《覚書》に違背して、ダム用地の買収を進め、用地買収に応じない住民に対しては所有地の強制収用の宣言を行い、地元住民の反対行動を排除し、深夜早朝に闇討ちのダム工事前の道路工事などを実行してきた。
社会見学を生き生きと綴った児童の感想文
「自然、平和、人権」学習の素晴らしい事例
社会科見学の校外授業は「自然、平和、人権」をテーマに行われたのであり、計画中止が求められている石木ダム計画現場の見学ではない。児童を誘導して、石木ダム計画反対で感想文を書かせたわけでもない。
児童の感想文が提供された経緯と、ブログに掲載した理由ついて、石木まもり隊の松本美智恵さんがブログで語っている。
「~子どもたちの心にはどんな言葉や景色が残ったでしょう?今回の社会科見学を計画して下さった先生や、その計画を実現してくださった校長先生や6学年の先生方の勇気に心から拍手を送りたいと思います~と、児童の社会科見学を伝えていたのです。A教諭は見学の前に石木川まもり隊のブログを見て、事前学習していて、お礼の意味もあったのでしょうか、実際に感想文を読んで欲しいということで提供を受けたものと思っています。
ブログでは、児童の個人情報は何も掲載していません。社会科見学を生き生きと綴った感想文だけです。
児童がそれぞれ体感したこと、自然の面白さだったり、防空壕の不気味さだったり、川原のおじさんたちの故郷への想いだったり、そういうことが真っ直ぐ伝わってくる感想文でした。余計な先入観で身構えない子どもだからこそ、見るもの聞くもの素直に受け止め吸収できるのだと感じました。
各クラス2編ずつの計6編だけをブログに掲載し、多くの人に読んでもらい、社会科見学の素晴らしい事例として知ってほしかった」
市教委の判断に疑問の渦・渦・渦
長崎市教委の判断に疑問の渦が、大潮の日の西海橋の渦巻きのように日増しに大きくなっている。
*児童が書いた感想文を見学のお礼として関係先に渡すのは不可?
*児童は承諾しているのに市民グループのブログに掲載することは不可?
*石木川まもり隊のブログからの削除を求めた校長、市教委は、いつ・どこで
ブログ掲載を知ったのか? あるいは、誰から知らされたのか?
*社会科見学は校長も理解し、指導もしていたのに、なぜA教諭だけ処分され
たのか?
A教諭の文書訓告処分で問われるのは、公権力による教育への介入である。さらに、長崎市教委が県の事業である「石木ダム」計画への関心や批判を封じるという異様さである。
年明けに予定されている長崎市公平委員会の公開審理が注目されている。
(2021・12・3)
中西 徹(浮游社の編集者/フリーライター) 元・長崎県民(旧-西彼杵郡崎戸町、現-西海市)
*この長崎レポートは、12月15日付で浮游社のブログに掲載しました。
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『炭坑誌』補遺(仮題)
~石炭・炭鉱の世紀を読む~『炭坑誌』の著者
前川雅夫氏、執念の書き下ろし作品❢
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改訂増補!
「うち、おい達の『(炭)崎戸(鉱の)』(島)という時代」
~2018年刊の初版を改め、増補編集~
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「浮游」読者の皆様へ 2021~2022、年末年始のご挨拶です。
コロナ禍で、暗鬱な気分にさせられる出来事ばかりが続く昨今ですが、今般の衆院選後に大笑いする出来事がありました。
大阪維新の吉村洋文(現大阪府知事)は、2015年9月の時点で、衆議院議員を辞めて大阪市長選に出馬を決めているのもかかわらず、悪賢い男らしく10月1日で議員辞職届けを出して、まんまと国から10月分の文通費100万円をせしめて無駄使いしていたという事実が、れいわ新選組の衆議院議員に選出された大石あき子さんから指弾され、自分が受け取っていないかのような顔して、新人議員の「一日で文通費100万円受け取るのは不当だ」発言に悪乗りし、「れいわ新選組や立憲は受けるんか!」とほざいた吉村、橋下、松井のドヤ顔に特大ブーメラン。大石あき子さん、がんばれ~!ペテン師3人は開き直りましたが、迫力なし。それでも府知事・市長を辞職しない厚顔無恥。こんなペテン師に騙されたらアカン! 橋下徹や松井一郎や吉村洋文が街頭やTV画面に出たら、嘲笑し電源OFF! 竹中平蔵やペテン師たちが出るTV、特にytvは電源OFF! スポンサーの商品は買わない!
わが故郷・長崎でも「なんばしよっとかぁ~ッ!」と叫んでしまうようなことばかり。
地域版で消えて行く問題を追う長崎レポートや、在住する福岡、隣の佐賀の呆れた人物や自治体役人の理不尽な行政行為、時には感動譚などお届けします。
あぁ、恥ずかしい!*世界から笑われるよ!【アナクロ汚染の大学学長】
【福岡】元衆院議員(福岡10区)で九州国際大学(北九州市)学長の西川京子(76)が10月、熊本県立高校の行事で講演し、太平洋戦争を「大東亜戦争」と発言したり、太平洋戦争について「アジア全体を栄えさせ、独立させるための戦いだった」と。
県教委の「説明が不十分だった」に唖然。(12月10日付、朝日新聞デジタルを参照)。
「説明不十分」? どうしたら、歴史歪曲の考え方になるのか?
西川京子学長の呆れた「国際」感覚。九州・福岡が世界から笑われるよ!西川京子は、完璧な歴史修正主義者(リビジョニスト)。こんな人を学長にしたのは誰? 派閥の麻生太郎か?
アナクロ汚染の脳ミソで学長や政治家をするな!
学生がアナクロニズム汚染されないよう正しい歴史認識の教育が必要なのですが・・・。福岡、長崎とも、教育委員会が権力に阿諛追従して、日本沈没の2022年か? 皆様、ご用心くださいませ。 (響トオル)
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