≪7/26≫
シンプルな発想の転換が背番号「5」を良い方向へと導いている。プロ8年目の安田尚憲内野手が4試合連続安打、4試合連続打点。最近10試合で10安打を記録して前半戦を終了した。
「シンプルに1日1安打と1四球。それを一つの目標に試合に挑んでいます」と安田は話す。
ホームランが欲しい。もっともっと安打を重ねたい。貪欲さは時に気負いとなる。力みを生み、打撃が崩れる。ここまで度々、そのような状況があった。勝負の一年として強い決意で挑んだ2025年も想いが空回りして結果が伴わず、開幕2カード目の4月2日に1軍登録抹消。再昇格は5月15日と1カ月以上の月日を要した。その中で行き着いたのがこの至ってシンプルな発想だ。ヒントをくれたのはサブローヘッドコーチだった。
「1試合で1安打、1四球でいいから。例えばだけど、3打数1安打を繰り返したら打率は333。1試合1安打で100試合に出場したら100安打。同じように1試合1四球の考えなら100四球。すごい出塁率になる。すごくチームに貢献できる」とサブローヘッドは説いた。
これは同コーチが現役時代にいろいろな人から積極的に話を聞き、学んできた中で得た試合への向き合い方の一つでもある。大事にしていた心構えを悩める背番号「5」にプレゼントした。
「ホームランなんてそんなに出るものではない。難しい事。でもコツコツと積み重ねていたらいつか自然と出るようになる。アイツは四球を選べるタイプだし、1本1安打と1四球をまずは考えてほしい」とサブローヘッド。試合前に安田の顔を見るたびに「今日も1安打な」とつぶやき、背中を押し続けている。シンプルな目標が魔法の言葉となった。少しずつ打撃から力みが消え、シュアな打撃が生まれつつある。
「まだまだです。前半戦はチームに貢献できなかったので、後半戦はしっかりとチームに貢献できるように。まずはやれることを一つずつやって、それが結果的に大きなものにつながっていけばいいと思う」と安田は間もなく始まる後半戦に向けて意気込みを語る。ちょっとした発想の転換や気持ちの持ち様で人生が変わることがある。今、安田はシンプルな目標をターゲットにすることで少しずつ前に進んでいる。間もなく後半戦が始まる。マリーンズ、反転攻勢へ。背番号「5」は間違いなくキーマンの一人だ。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)
(千葉日報)
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≪7/26≫
ロッテは34勝50敗2分の最下位、首位・日本ハムとのゲーム差は18.5、3位・オリックスまで12ゲーム差で、オールスター明け最初の戦いを迎える。
Vision2025を掲げる中で、この順位というのは物足りないが、交流戦が始まってからは安田尚憲、藤原恭大、友杉篤輝、寺地隆成、山本大斗がほぼスタメンで起用されるようになり、小川龍成、宮崎竜成、西川史礁、池田来翔、上田希由翔もスタメン出場するなど、若返りが急速に進んでいる。
後半戦に向けて藤原が「やることは変わらず、今まで通りやっていきたいと思います」と話せば、山本は「長打でランナー一塁からでも得点できるようなバッターになりたいし、2アウトランナー一塁でも得点させられるようなバッターを目指して、この夏はやりたいと思います」と誓う。
山本と同学年のドラフト1位・西川は「1試合1試合全力で自分のやるべきことをしっかりとやっていきたいと思います」と意気込み、ドラフト2位・宮崎は「少ないチャンスをモノにできる最大の準備をして、まずはバッティングでアピールできるようにと思います」と打撃での貢献を掲げる。
上田も宮崎と同じように「バッティングで貢献したいと思っているので、チャンスの1本だったり、今は任されている自分の役目を理解しながら、1打席1打席集中してやっていければいいかなと思います」と決意を述べた。
投手陣でも高卒3年目の田中晴也は「より長いイニングを投げることが自分の仕事なので、そこを徹底しながら、とにかく勝っている状態で試合を終わらせたり、勝っている状態でリリーフに繋げる。とにかくそこだけを目指して自分のやるべきことを全力でやりたい」と、長いイニングを投げ抜くつもりだ。
若い選手が台頭してきただけでなく、『マイナビオールスター2025』には25歳の藤原、23歳の中森、22歳の山本、19歳の寺地が、球界を代表する選手たちが集うオールスターという舞台に出場した。
ロッテの若手といえば、“育っていないようで育っている”、“育っているようで育っていない”という状況がここ何年か続いていたが、オールスター明けに彼らが“期待の若手”を卒業し、“レギュラー格”と呼べる存在になった時にチーム力は間違いなく上がる。
吉井理人監督は前半戦最終戦となった21日のオリックス戦後の報道陣の取材で「若い選手たちがピッチャーもバッターも守備の方もできることがだんだん増えてきて、戦える自信をみんな持ててきたんじゃないかなと思っているので、後半チャレンジして頑張ります」と若手の成長に目を細める。
若手選手たちの活躍に加え、中堅、ベテラン選手たちも自身の役割を果たせば、チームの勝利数は自ずと増えていくはずだ。近年のロッテはチームとしての好不調の波が大きく、大きな連勝をしたかと思えば、突然大きな連敗をしたり、その逆もあった。23年には7月29日終了時点で貯金を最大の13としたが、8月以降に失速し、9月26日の試合後に借金2まで抱えたこともある。
現在の借金は『16』、ここから借金返済し貯金生活というのはかなり至難の業だが、オールスター明けの戦いで勝ち越し、1つでも上の順位でシーズンを終えたい(その結果、CS出場を決めたら最高だが…)。そのために、敵地・エスコンフィールドでの首位・日本ハムとの2連戦、オールスター前最後のオリックス4連戦を3勝1敗と勝ち越した時のような戦いを見せたい。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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≪7/27≫
ロッテの田中晴也が14時から行われる日本ハム戦(エスコンフィールド)に先発する。
高卒3年目の田中は前半戦、登板間隔を空けながら11試合・65回1/3を投げ、3勝5敗、イニング数を上回る68奪三振、防御率2.62の成績を残した。
前回登板の7月18日のオリックス戦では、一軍の公式戦では初めて中6日で先発し、6回・112球を投げ、6被安打、6奪三振、3失点にまとめた。一軍での初の中6日での先発に「準備はずっとしてきたので思ったようにいけたかなと思いますし、1回しかやっていないので、これからコンスタントにやっていけるように自分自身頑張っていきたいと思います」と話した。
田中は前半戦の投球について「中10日だったので他の投手に比べたら時間がありました。その中で人より反省、次の試合に向けて課題を潰しながらできたと思います」と振り返り、「これからしっかりコーチ、監督の信頼を得て、中6日というのを後半戦やっていけるように頑張りたいです」と、中6日での投球に意欲を見せた。
一軍で投げる中で、収穫と課題は見つかったのだろうかーー。
「今はとにかくゾーンの中で勝負できるか、できないかで全部の試合が決まっているので、ゾーンの中で勝負できるように。コンスタントに自分のパフォーマンスを上げられるようにやりたいと思っています」。
今季に向けて、石垣島春季キャンプで「チャンスを掴んで開幕ローテーションに入ること。次に1年間一軍で投げ続けること。その時に2桁だったり、新人王だったり、そういったとこが狙えるレベルまで成長できたらいいかなと思います」と話していた中で、前半戦は自身が思い描いたよりやれた感覚はあったのだろうかーー。
「ある程度できているかなと思いますし、あとは試合をやっていく中で、自分がうまくいかないことが出てきているのが、今の課題のかなと思います」。
1年間投げ抜くために、暑い夏場をどう戦い抜くかがポイントになる。田中晴は「夏場というところが第一のピークだと思うので、リカバリーを大切にしながら、コンディションを保てるように頑張ります」と意気込んだ。
オールスター明けの戦いに向けては「より長いイニングを投げることが自分の仕事なので、そこを徹底しながら、とにかく勝っている状態で試合を終わらせたり、勝っている状態でリリーフに繋げる。とにかくそこだけを目指して自分のやるべきことを全力でやりたいと思います」と決意を述べた。
より長いイニングを投げるというところでは、完投、完封にも期待したいところ。「そこはゾーンの中で勝負していく中で、球数を減らしていけると思います。自分のピッチングができている時は、より長いイニングを投げられていると思うので、そこは頑張りたいと思います」。後半戦も、マリーンズファンに希望を持てるような投球で、勝利を積み重ねていってほしい。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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≪7/27≫
各担当記者が推す選手を紹介する「推しえて」第10回は、ロッテ・高野脩汰投手(26)。力強く、独特な投球フォームから繰り出す直球、落差の大きなフォークに磨きをかけて臨んだ3年目は救援として登板数、投球回、勝ち星などでキャリアハイを更新している。同じ左腕で、故郷・島根の先輩でもある前ソフトバンク・和田毅氏(44)からの教えなど、飛躍の要因を明かした。(取材・構成=阿見 俊輔)
試合の終盤にかけて、本拠のZOZOマリンで高野の救援登板がアナウンスされると、歓声が沸き起こる。入団3年目の左腕はチームに欠かせないロングリリーフ要員として活躍し、主要な項目ですでに自己記録を塗り替えている。
「今年は自分が投げる球への手応えも一番いいです。基本的には複数回を投げることが多いのですが、登板前から『複数イニングいくよ』と言われたことは一度もなくて。だから複数回を投げると考えずに、一人ひとりを抑えるという感じでやっています」
右足を高く上げて真上から投げ下ろすと、左足が空に向かってはね上がる豪快な投球フォーム。リリースの後、胸を倒すことから“チェス”というニックネームにもつながった。出雲商1年の時、テレビ観戦した夏の甲子園で他校の投手を見て「この投げ方、格好いいな」とまねを始めてから改良を重ねて、完成度を高めてきた。
捕手の構えるミットから目を切る“あっち向いてホイ投法”でもあるが「とにかく思い切って腕を振らないといけない、と投げているうちに、おのずとミットが見えなくなっていった感じです。打球への反応はちょっと他の人よりも劣りますが…」と、理想を追い求めるためには仕方がないと割り切っている。
豪快な投法は魅力的でファンを引きつけるが、体を目いっぱい使って投げるため、わずかな狂いが投球に影響を及ぼす。入団1年目の23年は7登板も、昨季はシーズンを通してフォームのバランスが悪く、6登板にとどまった。危機感を覚えた昨年12月、ドジャース・大谷らが利用する世界最先端の科学トレーニングラボ「ドライブライン」のスタッフが来日した際に、投球フォームなどの分析を依頼。指摘された力のロスなどを修正した結果、昨季140キロ台中盤だった直球の球速が、今季は150キロ台に迫ることが多くなり、自信を持って打者に勝負を挑めるようになった。
成長を手助けしてくれたのが同郷・島根の先輩で前ソフトバンクの和田毅氏だ。2度目の参加となった今年の自主トレの“和田塾”では、日米通算165勝を挙げて43歳で現役を引退したレジェンド左腕から貴重なアドバイスをもらった。
「腹圧を高めて投げるのが一番大事と思ったポイントです。和田さんから『投球する際に右足を上げて、捕手の方に並進する時にブレがちなところがある。それをなくすために、腹圧を高めよう』と言われました。それからは練習でも意識しています。一緒に食事した時には、ピンチでの心の持ち方なども尋ねました。和田さんのような飛び抜けた投手であっても、不安に思うこともあると知って、自分と近い、ちょっと弱い部分もあるというのが分かって、それもまた勉強になりました」
入団以来、しっかりと成長曲線を描いているプロ生活。ドジャース・山本、西武・今井、阪神・村上ら同世代の好投手からも刺激を受ける中で、今後の青写真とは。
「先発をしたいという強いこだわりはないです。1軍での登板数を一番に考えています。もちろん先発はプロに入るまで長くやってきたので、自分の中でやりやすいみたいな部分もありますが、ロングリリーフも魅力がある。これからも、自分の良さを最も出せるところで、監督に使っていただきたいという思いです。どんな立場でも1軍で、この世界でやっていけるように頑張ります」
◆高野 脩汰(たかの・しゅうた)1998年8月13日、島根県生まれ。26歳。出雲商では甲子園出場はなし。関大では関西学生野球リーグを代表する投手として活躍し、3年時には明治神宮大会で47年ぶりの決勝進出に貢献。日本通運から2022年ドラフト4位でロッテに入団。184センチ、88キロ。左投左打。今季推定年俸1250万円。
(報知)
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≪7/27≫
中森はロングリリーフ→セットアッパー→勝利の方程式に定着
プロ野球は26日から後半戦がスタートした。前半戦はパ・リーグ最下位に沈んだロッテだが、若手の成長も確かに感じられた。今回は、今シーズンの満年齢が23歳以下の選手から1軍の舞台で存在感を発揮している選手について、投手と野手から3名ずつピックアップ。前半戦の活躍を振り返るとともに、今後のさらなる躍進にも期待を寄せたい。(※成績は7月18日の試合終了時点)
田中晴也投手は高卒2年目の2024年に1軍デビューを果たし、4試合に先発登板して防御率1.80と好投を見せた。今季はシーズン序盤から先発陣の一角として登板を重ね、4月には3試合に先発して防御率2.12、奪三振率11.12、K/BB7.00と抜群の投球内容を示した。
5月も同じく3試合に先発登板し、月間防御率2.37。6月は3先発で月間防御率3.12、奪三振率12.46を記録した。ここまで11試合の先発で防御率2.62、奪三振率9.37、K/BB3.24と印象的な投球を見せており、シーズン後半はさらなる活躍が期待されるところだ。
高卒2年目の木村優人投手はリリーフとして開幕1軍入りを果たし、3月30日のソフトバンク戦でプロ初勝利を記録した。4月は5試合で10イニングを投じて与えた四球はわずか1、2ホールドを挙げて月間防御率0.90だった。5~6月は調子を落としたが、7月2日の楽天戦では6回2/3を3失点と試合を作る投球を見せ、先発としての初勝利をマークした。前半戦が17試合に登板し、35回1/3で防御率2.80と好成績。後半戦は先発ローテ定着なるか注目だ。
中森俊介投手は開幕からリリーフとして1軍に帯同し、シーズン序盤は主にロングリリーフ要員として登板を重ねた。好投を続けて首脳陣の信頼を勝ち取り、5月途中からはセットアッパーに昇格。同月は8登板で5ホールド、防御率1.2の活躍で、交流戦期間の途中からはクローザーへと配置転換となった。7月は腰痛で出場選手登録抹消されていたが、24日には初の球宴出場も果たすなど、飛躍の時を迎えている。
山本は交流戦で5HR…ドラ1西川も徐々に本領発揮
野手の活躍も目覚ましい。寺地隆成捕手は高卒2年目の今シーズンに自身初の開幕1軍入りを果たし、4月には13試合に出場して2本塁打、打率.344。「打てる捕手」と才覚を発揮した。交流戦以降は攻撃的な2番打者として起用されつつ、打率.275、5本塁打と一定の数字を記録。7月17日には自身初の4番を任されるなど、19歳の若さで正捕手の座をつかみつつある非常に楽しみな存在だ。
山本大斗外野手は昨季、イースタン・リーグで本塁打と打点の2冠王に輝く活躍を見せたが、1軍では5試合の出場で打率.111と苦戦を強いられた。今季も4月は10試合で打率.133と確実性を欠いたが、5月に入ってからは18試合で2本塁打を放ち、月間打率.267と徐々に適応。交流戦期間が始まったタイミングで4番打者へと抜擢された。
そして、交流戦では18試合で5本塁打、10打点とハイペースで本塁打を記録し、中軸としての期待に応えた。前半戦だけで本塁打数を2桁に乗せた22歳の俊英が、このままチーム待望の和製大砲へと成長を果たすかは大いに注目されるところだ。
ドラフト1位ルーキーの西川史礁外野手はオープン戦で打率.410と好成績を残し、見事に開幕スタメンの座を勝ち取る。開幕戦から5試合連続安打と出だしは好調だったが、4月の月間打率は.129とその後は絶不調に陥った。5月18日の北海道日本ハム戦では延長12回に殊勲のサヨナラ安打を放ったものの、5月の月間打率も.129とプロの壁に苦しめられていた。
しかし、6月には月間打率.441と抜群の高打率を残し、10試合で7打点と勝負強さを大いに発揮。7月に入ってからも14試合で月間打率.281と一定以上の数字を記録しており、7月17日には1番打者として起用されて2安打を記録するなど、大学時代の打棒を徐々に見せている。
先発とリリーフ、そして打線の中軸になり得る若き逸材たちの台頭が見られる点は、今後のチームを占ううえでも非常に頼もしい要素と言えよう。残るシーズンにおいて、今回取り上げた6名の若武者たちがこのまま主力としての地位を固められるかどうかに、今後はぜひ注目してみてはいかがだろうか。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
(Full-Count)
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≪7/28≫
ロッテの育成・富山紘之進は、プロ2年目の今季、昨季を上回る19試合に出場している。
『8番・捕手』でスタメン出場した7月3日の楽天二軍戦では、先発・秋山正雲(3回・1失点)、岩下大輝(2回・無失点)、一條力真(1回・無失点)、国吉佑樹(2回・無失点)、西村天裕(1回・無失点)と、5人の投手を9回1失点に抑える好リード。
「ブルペンデーみたいな感じだったので、早いイニングでピッチャーが変わって、先発だと長いイニング投げるじゃないですか、バッターも毎回違うピッチャーと対戦するので、球種とかが変わったりするので、攻めやすかったのは攻めやすかったです」。
『7番・捕手』でスタメン出場した7月6日のヤクルト二軍戦でも、6回までマスクを被り、森遼大朗(2回)、中村亮太(2回)、一條(1回)、ゲレーロ(1回)を無失点に抑える好リード。
投手とのコミュニケーションで大事にしていることについて、「基本的には1イニング終わるごとに“次のイニングはどうしますか?”、ピッチャーのやりたいこととバッターの特徴を一緒に考えながら、バッター側の配球、ピッチャー側の配球を混ぜていくのを心がけてやっていますね」とのこと。
試合後も、「基本的には映像を見たりとかして、自分が“あっ”と思ったところを重点的に見て、そこを改善するにはどうしたらいいのかと言うのを考えたりします」と振り返りを行う。
映像で振り返るときには、「こういう球の時にバッターはどういう反応をしているんだろうとか、後ろと前だと見るのが違うので、基本的には後ろから見ることが多いですけど、終わった後に前から見てこういう反応していたんだとか帰って振り返っています」と教えてくれた。
バッティング面でも成長を見せる。一時は打率.091まで下がったが、6月12日のDeNA二軍戦でマルチ安打を達成すると、7月3日の楽天二軍戦でも2安打、同日から現在3試合連続安打中で、打率も.280まで上昇した。
「バッティングは本当にたまたまなんですけど」と謙遜しながらも、「最近は変えた部分で言うと短く持って、2ストライクからは変化球が頭に入ったりするんですけど、真っ直ぐきた時に、バットに当てられるように。ヒットにしなくてもいいからファウル、ピッチャーに球数を多く投げさせると言うのを心がけて、今は簡単には終わらないイメージで立っています」と打席で簡単に打ち取られないことを考えている。
富山と同学年の寺地隆成は一軍でマスクを被る。「毎日刺激をもらっているので、寮とかでもテレビついているので、寺地が出ているところも見ていますし、自分も早くそこの舞台に行きたい気持ちがあるので、日々頑張っています」と、寺地の存在も刺激になっている。
今はファームで経験を積んでいる立場の富山。近い将来、一軍でプレーするためにも、支配下選手登録になる必要がある。「やっぱりまずはしっかり試合に勝つと言うこと、試合に勝つ中で、どう言うふうに自分が仕事をしたのか、その試合が0点で勝ったのか、相手が1点も取れなくて勝ったのか、ちゃんとできたなという実感が湧きますし、その中で、最低でもヒットを1本打てたら十分だと思うので、キャッチャーの面からその次にバッティングというイメージでやっています」。攻守にガンガンアピールしていくつもりだ。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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≪7/29≫
「序盤の全然良くない時からちょっと上り目が見えている。もっと後半良くなるように試行錯誤しながらやっていきたいと思います」。
ロッテの種市篤暉は前半戦をこのように振り返り、後半戦に向けて意気込みを語った。
種市は前半戦、14試合・86回1/3を投げ、3勝6敗、67奪三振、防御率3.65。開幕直後の4月は不安定な投球が目立ったが、5月28日のオリックス戦以降ストレートが力強くなり、6月3日の取材で「去年の感覚に近いものが出てきたので、自信を持って次の登板に臨めるんじゃないかなと思います」と話し、2日後の6月5日の巨人戦では8回を1失点に抑え、投球内容も安定してきた。
現在のストレートについては「ストレートが一番イマイチですね」とバッサリ。7月12日の西武戦では150キロ超えのストレートが20球あったが、7回を無失点に抑えた前回登板の7月19日のオリックス戦は、150キロを超えたストレートはわずかに3球だった。ストレートのスピードについて、「風が強い日はあまりスピードが出ない。僕のイメージはそうなので、そこまで気にせずに投げていました」と話した。
ストレートは納得いっていないが、「変化球がすごく良くなってきています」と手応え。「西武の時は打たれて、結果は良くなかったですけど、そこまで悲観することなく1週間データを見て配球を考えて前回良かったので、しっかりコミュニケーションをとって次に繋げたいと思います」。
前回登板のオリックス戦では、0-0の初回二死一塁で杉本裕太郎を2ストライクから空振り三振に仕留めたインコースのシンカー系のフォーク、3-0の6回二死走者なしで来田涼斗を3ボール2ストライクから空振り三振に仕留めたインコースのスライダー系フォークが非常に良かった。
種市本人も「どちらの三振もデータ的にすごく良かったですし、軌道も浮かずにそのまままっすぐ軌道で落ちていたので、あれを続けられるようにしたいと思います」と納得のいくフォークが投げられた。その一方で、「毎回打たれる時は、(7回)若月さんとか初回の廣岡さんのボールも浮いているなと思いながら、センターからの映像を見ていたので、それはやらないように気をつけたいと思います」と反省した。
スライダーは、初回先頭の廣岡大志に1ボールから投じた2球目の131キロのスライダーの軌道がいつもと違うように見えた。「そうですね、初回に関しては変化球を確かめながら投げる部分が多いので、軌道が変わったりしますけど、スライダーも左バッターに使うように意識できたのが良かったかなと思います」。
その中でも、0-0の5回二死走者なしで太田椋に2ボールから空振りを奪った3球目の逆曲がりの133キロスライダーが良かった。「そうですね、そもそもスライダーを曲げようと思って投げていないので、理想的にはああいう曲がり方が一番良いんですけど僕的には。縦スラみたいなイメージで投げられるように。(5回)廣岡選手の三振も三振を取りましたけど、もうちょっと縦に落とせれば良いかなと思います」。
スライダーでいうと、西武戦はスライダーの割合が少なかったが、オリックス戦では割合が多かった。
「あれぐらいの割合で良いかなと思います。いつもまっすぐが50%くらい投げるので、今回は40%切っていた。基本バッターはまっすぐを待っていると僕は思っているので、ああいうカウントの取り方がベストかなと。カーブで入ったり、カーブで取れたら大体手を出してくるイメージはないので、僕の球種的に。まっすぐ、フォークというふうになるので。1回軌道的に1回外れるようなボールを投げられるようにしたいなと思います」。
オリックス戦は3回まで61球を投げながらも、4回からの4イニングは15球以内に抑えるなど、7試合連続で100球以上投げているが、1試合あたりの球数も少なくなってきている。
「そうですね、僕的にはカウントの作り方が一番大事だと思っていますし、2ストライク追い込んだら、長打率が僕の場合、グンと下がるので、ノーストライク、1ストライクのまっすぐの通しどころというか、変化球でどうカウントを作るかが僕の中で大事になってくるかなと思っています」。
いよいよオールスター明け初登板を迎える。「正直前半戦は情けないピッチング、自分が納得のいくピッチングがほぼほぼできなかったので、その中で後半戦はやっぱりちゃんとローテーションに回らないといけないと思いますし、長いイニングを投げないといけない責任があるので、歳も歳ですし。勝ちの確率が上がるようなピッチングができるように頑張りたいと思います」。カードの初戦、週頭の火曜日、1イニングでも長く、1つでも三振を多く奪い、そして1つでも多く勝ち星を挙げることが求められる。オールスター明けは登板した全試合で勝つつもりで投げてほしい。
取材・文=岩下雄太
(ベースボールキング)
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≪7/29≫
無情の雨となった。北九州で行われた7月17日のホークス戦。試合は六回表にマリーンズが4点を奪い勝ち越しに成功するものの攻撃途中で雨が強まり、中断。結局、雨が弱まることはなく、審判から降雨コールドが宣告された。この結果、ゲームとしては規定により六回表の攻撃が成立せず。五回を終わって2-2の同点までが公式記録として残った。
ベンチで頭を抱え、天を仰いでいたのはプロ2年目の上田希由翔内野手。六回には右翼へ勝ち越しの2ランを放っていた。これが記念すべきプロ初本塁打のはずだった。マリーンズベンチは大いに沸いたが喜びもつかの間、夏の雨がメモリアルアーチを幻に変えてしまった。普通であれば、なかなか心の整理がつかない状況も上田は気丈に振る舞った。試合後、メディアに取り囲まれ、幻の一本の感想を聞かれると「いろいろな人の記憶には残ったと思うので、いいかなと思います」と前を向いた。プロ初本塁打が降雨コールドで公式記録から消えたのはプロ野球史上初。確かに話題となり、記憶には残された。不運と嘆くのではなく、起きたことをプラスに捉えることができる人間力が背番号「10」にはあった。
「みんなが思ってくれているほど、ボクは引きずっていなかった。ボクは元々、良かったことはすぐに忘れてしまうタイプ。悪かったことはいつまでも覚えていますけどね。そういう意味では終わったこととして特に考えることはなかったです」と上田はその時の心境を語った。
北九州は上田にとっては思い出深い土地だ。母親が小倉出身。自身も球場から、ほど近い病院で生まれたと聞いていた。子供の時は夏休みなどに家族で帰省した楽しい思い出も残る。この日は祖父もスタンド観戦。幻とはなったが、一時は勝ち越しとなるホームランを目の前で見せることができた。自然現象はどうすることもできない。いつまでも嘆くことなく1軍のスタメンで打っている元気な姿を祖父の前で見せたこと。そしてこの日、話題になったこと。記録には残らないにしても1軍公式戦で痛烈な打球を打つことができたことを喜ぶことにした。
上田はその2日後、本拠地ZOZOマリンスタジアムに戻ってのバファローズ戦で3安打1打点。お立ち台に上がった。すぐに気持ちを切り替え、前を向いた男に幸運の女神はほほえんだ。ヒーローになることができた。
プロ野球は後半戦に入った。戦いは熾烈(しれつ)を極める。上田は「しっかりとコンスタントに結果を出していかないといけない立場。毎日、しっかりと振り返りながら、やっていきたい。まだ、試合に出させてもらっている感じ。結果を出すことで頼られる存在になりたい。今は同じ年の選手とか自分よりも若い選手が活躍している。負けてはいられない。しっかりとアピールしてチームに欠かせない戦力になりたい」と気持ちを込める。2023年ドラフト1位でチームの主軸候補として大きな期待を背負って入団したスラッガー。メモリアルアーチを記録する日もきっと、そう遠くはないはずだ。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)
(千葉日報)
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