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オセロと二人零和有限確定完全情報ゲーム
文化・芸術
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2020年10月31日
オセロゲームはボードゲーム研究家・長谷川五郎氏によって開発されて1973年にツクダから発売された。19世紀にイギリスで開発されたリバーシに依拠しているかどうかの議論があるがここでは触れない。
オセロは運の要素がなく、2人のプレイヤーが互いに知恵を絞って実力だけを頼りに勝敗を決する。ゲームのルールは極めてシンプルだが、多数の戦術が生み出されている。「覚えるのに一分、極めるのに一生」というのキャッチフレーズがまさに当てはまる。
オセロは世界的に普及しており、2015年時点で世界36の国と地域に連盟があり、世界競技人口は約6億人と推計されているそうだ。ルールがシンプルで比較的短時間でプレーできるので老若男女問わず愛好者が多い。またひっくり返す様を「オセロのように」と表現することも多く、日常的にも浸透している。
世界選手権も1977年から実施されている (残念ながら2020年は中止)。2018年のオセロ選手権で当時11歳の福地啓介君が優勝しプラハから帰国する際に搭乗したANA機の機長は従前の最年少記録保持者の谷田邦彦氏 (1982年に15歳で優勝) で、谷田氏が機内アナウンスで福地君を称え自己紹介をしたエピソードは広く紹介された。
さて、オセロはゲーム理論において「二人零和有限確定完全情報ゲーム」に分類される。
二人零和有限確定完全情報ゲーム
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E4%BA%BA%E9%9B%B6%E5%92%8C%E6%9C%89%E9%99%90%E7%A2%BA%E5%AE%9A%E5%AE%8C%E5%85%A8%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0
二人零和有限確定完全情報ゲーム (ふたり ゼロわ (or れいわ) ゆうげん かくてい かんぜんじょうほう ゲーム) は、ゲーム理論によるゲームの分類の一つ。
二人:プレイヤーの数が二人
零和:プレイヤー間の利害が完全に対立し、一方のプレイヤーが利得を得ると、それと同量の損害が他方のプレイヤーに降りかかる
有限:ゲームが必ず有限の手番で終了する
確定:サイコロのようなランダムな要素が存在しない
完全情報:全ての情報が両方のプレイヤーに公開されている という特徴を満たすゲームのことである
二人零和有限確定完全情報ゲームの特徴は、理論上は完全な先読みが可能であり、双方のプレーヤーが最善手を指せば、必ず先手必勝か後手必勝か引き分けかが決まるという点である。実際には選択肢が多くなると完全な先読みを人間が行う事は困難であるため、ゲームとして成立する。
囲碁、将棋、チェス、五目並べなどのボードゲームがこれにあたるが、囲碁は対局者が合意しないと無限に継続したり、将棋・チェスは千日手の扱いが定かでなかったりするので、厳密には該当しない。
小学生の時に誰もが遊んだ三目並べ(○×ゲーム)で、慣れたプレーヤー同士だと後手がミスをしない限り絶対に引き分けになることを知っている方は上記の特徴の意味がよく理解できると思う。
オセロの複雑性 (
ゲーム木
複雑性) はおよそ10の58乗とのことだ。有限ではあるが、果てしない数字だ。
理論上は双方が最善手ならば先手必勝・後手必勝・引き分けのいずれかの結論が下せるはずだが、2019年時点では未だにコンピュータによる完全解析はされていない。しかし、盤面を4×4に縮小したオセロでは3対13で後手の必勝、盤面を6×6に縮小したオセロでは16対20で後手の必勝ということがわかっており、8×8のオセロは最善進行で引き分けになる可能性が高いと予想されているそうだ。経験的にオセロの引き分け (32対32) の確率は数%と思われるので、これはとても興味深い。
オセロはシンプルなルールがコンピュータのプログラミングに適しているため、これまで数々のコンピュータ・プログラムが開発されてきた。そしてその実力は人間をはるかに上回っており、世界チャンピオンでもコンピュータオセロには敵わない。逆に多くのプレーヤーがコンピュータオセロを研究に活用するようになり、オセロ戦術が大きく進歩している。
ちなみに一般的なプレーヤー (けっこう強いと思う) がコンピュータオセロソフトの24手読みと対戦すると以下のような感じだ。
個人的には毎年の世界オセロ選手権で (ではなくてもいいが公式の大会として)、コンピュータオセロソフト部門を新設し、各社のオセロソフトが競う場があると面白いと思う。話題にもなるし、公式な認定となることでコンピュータオセロソフトの開発にさらに磨きがかかり、オセロを通じてAIの進化が促進されるように思う。
そして、その決勝戦が引き分けになった時は、二人零和有限確定完全情報ゲーム・オセロの完全解析が達成されたということになるのではないだろうか。
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