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Toshiが行く

日記や趣味、エッセイなどで描く日々

背比べ

2020年05月25日 05時06分51秒 | エッセイ
            けむる菊池渓谷


      菊池渓谷は阿蘇外輪山の北西部、標高500~800㍍の間に位置し、
      約1193haの広大な〝憩いの森〟。菊池川の源をなし、
      うっそうとした天然広葉樹で覆われている。
      その間を縫って流れる淡水は、大小さまざまな瀬と渕と滝をつくり、
      その変化に富む渓流と美しい森林が織りなす四季折々の姿は絶景。
                               (2018年11月撮影)

    ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  

ああ、ついに、この孫娘にも抜かれてしまったか。
高校3年生の孫娘と背中合わせに立ってみた。
案の定だ。この子の母親、僕の次女だが、彼女が
「どれどれ、ほとんど変わらないね。髪の分だけ、この子が高くなったかな」
背比べをそう判定した。おまけに、お尻の高さが全然違う。
それは足の長さを意味しているわけで、これは完敗である。
これで最下位が確定してしまった。

    「血筋」だとか「血のつながり」だとか、それを実感することもよくある。
    僕の場合だと、下戸であること、それに足指が巻き爪であること、
    これらは間違いなく父親の血を継いだものだと思っている。
    それに加えて背丈もそうだろう。
    若い頃は、生まれ育った家庭ではいちばん背が高かった。
    とは言っても、せいぜい165㌢に過ぎなかったが……
    つまり小柄な体格の血筋だったのだ。

つい先日、病院に行った際測ったところ161.4㌢しかなかった。
あの頃から3㌢以上縮んだわけで、ますます小さくなっている。
一方、妻の家系は比較的背が高い。特に義母がそうで、
4人の娘たちのうち長姉と一番下の妻がその血を受け継いだようだ。
その妻は若い頃より2㌢縮んだというが、すでに70を超える年齢ながら163㌢ある。
同じ年代の人たちと一緒にいるところを見ると、確かに大柄だ。
あくまで背の高さの話だが……僕は妻から少しばかり見下ろされていることになる。
           
    さて、2人の娘を見てみよう。背が高いか低いか、
    これは見栄えに大きく影響する。
    やはり、高ければ格好が良いに違いなく、それに越したことはない。
    その観点に立てば、娘は2人とも幸運だったと言える。
    間違いなく母親の血を引いている。

まず長女だが、ほぼ170㌢あり、すらりとした体型だ。
さらに、その母親の血をそっくり引いたと思えるのが、その娘、
つまり孫娘で、母親よりさらに高いから170㌢を超えていることになる。
加えて、その弟は184㌢の長身だ。母の血を立派すぎるほど受け継いでいる。
この孫息子に対すると、自然と見上げるような格好になってしまう。
婿殿も170㌢の半ばはありそうだから、
4人全員が揃うと、部屋がいかにも狭い。

    最初に紹介した次女。彼女も167㌢だから、
    女性にしてはやはり大きい方だ。
    そして、その一人娘が先の高校3年生の孫娘だ。
    家族が全員集合すると、これまでこの爺さんと高校3年生の孫娘が
    激しい最下位争いをしてきた。
    とは言っても、こちらはこれ以上伸びる可能性ゼロ。
    対する孫娘は、成長可能性たっぷりであり、爺さんを追い上げる一方だ。
    そして背中合わせに立ち、ついにその日がきたと観念した。
    孫娘に抜かれ、僕が家族の中でいちばんのチビとなってしまったのだ。
    「大きくなったな」と喜ぶ一方で、何となく悔しくもある。 

ここで我が家族の背丈ランキングを見てみよう。
1位 孫息子 184㌢   大学3年生。中学入学時は爺さんの顎ほどだった。
2位 孫娘  170㌢超  1位の姉。社交ダンスで長身がひと際光る。
3位 長女  約170㌢  1、2位の母。
4位 次女  167㌢    高校3年生の孫娘の母。
5位 ばぁば 163㌢   3㌢ほど縮んだとか。
6位 孫娘  162㌢?  ついにじぃじを抜き去っていった。
7位 じぃじ 161.4㌢   とほほ、ついに最下位確定だ。

                
    子や孫の成長を見ながら、縮んでいく爺さん、婆さん。
    これも世の習いではある。