ワイヤーアンテナ用カプラー(リモート機能付き)の作成
以前にワイヤーアンテナ用カプラー(3.5~29MHz用)を作成し、現在も使用している。
ブログ(2014/03/25)に掲載済み アドレス↓
http://blog.goo.ne.jp/mutotusiroku/d/20140325
カプラー(リモート機能付き)の作成
現在使用中のこのカプラーは、トランシーバーのすぐそばに置いてSWRの良好なポイントを探す操作を行うためトランスミッタのすぐ脇に置くので、アンテナ線がカプラーから直接戸外に伸びている。
ワイヤーアンテナ(26m長)は一度垂直に8mほど立ち上げてから水平に張っているが、敷地面積が狭いため水平ワイヤーアンテナ用部は10mくらいしか張れない。
その先はポールから下方向下げてるので、縦コの字状態の形状で運用している。
更に放射効率が良くなるように、このアンテナの張り方を改善したいと思っていた
カプラーの作成
このカプラーの作成のスタートは、先日、昔の職場仲間のお花見会(千鳥ヶ淵)が開催されたとき、折角、都心に行くのだからと家を早めに出て秋葉原街を歩いてみた。
そのとき、1kw耐圧のロータリーバリコンと12接点2回路のロータリースイッチを見つけたので購入した。
これがあれば、リモートタイプのカプラーが可能になるので作ることにした。
写真1(全体像)
ケース
いつもの課題だが、手ごろなケースがない。
DIY店に行ったら、良さそうなサイズの工具箱を見つけたので購入し、これに組み込むことにした。(W200×D140×H80)
後でアルミ製タッパを見つけたので、シールド効果も考慮しアルミ製タッパのケースに切り替えた。(W206×D156×H78)
最初のケースとバラックのカプラ
コイル
コイルの大きさは、ケースの大きさに直結する。VP30の塩ビ管が丁度よいのでこれを使用し、自在プッシュを使い1.2mmの裸銅線を30T巻いて同調コイルを作り、また、被覆線を4T巻いてローデングコイル作成した。
バリコン
バリコンは、おなじみの2連バリコンでも良いが、バリコンの左右でストップするので、遊星ギアを使いたいので先日購入したロータリーバリコンの150Pを使用した。
バリコン用モーター
遊星ギアードモータを使用、電圧6V、左右逆転は極性変換で行う。
バンド切り替え用スイッチ
ロータリースイッチは12接点、2回路を使用した。
1回路側はバンド切り替えタップ線用とした。
2回路側は、コントロール部にバンド位置を示すLED表示の切り替えに使用した。
ロータリースイッチ用のモーター
タミヤ製のおもちゃの電動カー用のギアドライブモーター(回転比 1 対400)を使用した。
部品の配置
限られたスペースを生かすため、コイルに対しバリコンとロータリースイッチは直角となる配置とした。
問題点1
バリコンの取り付けでは、バリコンの回転シャフトが長すぎるためケースに収まらないので、2cmほどカットしカップリングでつないだ。
バリコンのシャフト遊星ギアモーターの軸の太さはほぼ同じ直径だったので、カップリングで簡単につなげられた。
問題点2
しかし、ロータリースイッチ側は、簡単ではなかった。
まず、ロータリースイッチは回転止めがあるため、ノンストップでロータリーできるようにしなければならないので、ストップ用の爪を折りノンストップとした。
また、タミヤ製のギアモーターの軸は細いため、カップリングではズルズルで止まらないため、そのままでの使用はできない。
軸を太くするよう薄い銅版を巻きつけ太くなるよう工作をし、カップリングに巧く収めスムーズに回るようした。(これには時間がかかった。)
問題点3
コントロール部との接続する線をどうするか悩んだ。
多芯線のケーブルは、DIYでは簡単に手に入らないので、ランケーブル8芯を売っていたので使うことにした。
これだと、バリコンコントロール用モータに2芯、バンド切り替え用モーターに2芯、バンド位置表示用のLEDの共通アースに1芯使うと、残りは3芯しかないので、3バンドしか表せない。
これでは、ロータリースイッチの位置が分かりにくいので、アースに500Ωを入れて3端子分を増やした。
問題点4
バンド位置表
7.0M 緑色LEDの暗点灯(500Ω付加)
7.1M 緑色LEDの明点灯
18M 黄色LEDの暗点灯(500Ω付加)
21M 黄色LEDの明点灯
24M 赤色LEDの暗点灯(500Ω付加)
28,29M赤色LEDの明点灯
10M、14Mは非表示でよいことにした。
ケープル接続用コネクタ
カプラー側は、アンテナポールに取り付けることから防水を意識して、マイク接続用に購入したコネクタ8ピンを使うことにした。
戸外に常時取り付けて使用時には、コネクタを装着後に自己融着テープを巻いて防水する。
また、コントロール部側に8ピンコネクタをつけると、大きくてゴツイのでランケープルモジュラーを使うことにした。
この着想はよいのだが、モジュラージャック(受け側)の部品が売ってない。秋葉原かネットででも購入しないと実現しない。
そこで、2NDに古いLANボードのジャンクがないか聞いたら2個あったのでもらってそれを取り外し活用することにした。
組み立て
ベース版は、素麺の箱を活用した。
コイルのタップ位置の決定
コイルのピッチを変えれば可能だが、残念だが3.5MHzはあきらめた。
問題だったのは21Mの良好なポイントが取れないことだった。
コイルの裏側に、最良ポイントがあるらしく、そこまでタップ線を延ばすとSWR値がおちてしまい決め切れなかった。
できれば、バリコンの位置がどのバンドでも中点で取りたい。
そうすれば、ロータリースイッチで回転させて、その位置から最良位置への微調整ですむからだがそれはなかなか難しい。
コイルをVP40の塩ビ管に切り替えたら、7から29MHzまで良好にswrの良いポイントが取れた。
しかし、VP40だと大きすぎてケースへの収容ができないのであきらめた。
再度、新しいコイルをVP30塩ビ管に巻いて作り、丁寧にタップ位置をピックアップした結果、7~29Mの良好なポイントの抽出ができたので、このコイルを用いて組み上げた。
?コントロール部
コントロール部は、できるだけ可愛らしく作ることにした。
バッテリーは単3電池を4本用いたが、バッテリーケースが横4本のものしかなく、ケース(ELPA H35×W65×D100)に収めるには、横2列2段のものが必要だった。
スイッチは、トグルスイッチ2個、モーメンタリースイッチ2個を使った。
LEDは、バリコン操作、ロータリーSW操作用に赤LED2個
バンド位置表示用に、赤色、黄色、緑色の3個を使用した。
コントロールケーブル取り込み口には、ジャンクのモジュラージャックを使用した。
コントロール部の写真
大失敗
全部の部品の組み上げが終わり、実際にコントロール部とつないで、各バンドのチューニングを実行した。
概ね旨く動作したが、7MHzの緑LEDの点灯が、ロータリースイッチのバンドアップの時は良いが、バンドダウンで不点灯だった。
原因を調べるため、切り分け試験をした結果、モジュラーコードの3番と5番の8ピンプラグへの取り付け誤りをしていた。
これに気づくまで、部品の取り外し、取り付けを繰り返したため、だいぶ時間を費やした。
ピン誤りを修正し、全テスト完了した。
このカプラーの成果(組み立て後に更新した局で( )表記以外のRSは59)
7MHz
埼玉、栃木、千葉、釧路、稲敷、神奈川、愛知、兵庫×2、東金、小笠原、新潟、京都、静岡、山梨、立川、大阪、広島、三宅島、新潟、福岡(55)
18MHz
小笠原(57)、熊本、熊本(57)、愛媛、福岡、北海道×2、岡山、大分
21MHz
沖縄(54)、佐賀
24Mz
北海道・石狩、北海道・釧路、岐阜
28Mz、29MHzはバンド内が開けてなく交信実績はまだない。
カプラの各バンドでのSWR(ワイヤーアンテナ26m長:現役のアンテナ使用)
本カプラのSWR値
7001MHzで 1.01
7.198MHzで 1.1
18.161MHzで 1.1
21.160MHzで 1.1
24.950MHzで 1.1
28.528MHzで 1.1
29.362MHzで 1.15
工夫
モーターの速度では、ロータリーSW用が早かったので50Ωを噛ませスピードをダウンした。
課題
ギアドライブモーターの音が大きい。
いずれ、遊星ギアのモーターに取り替える。
アンテナ水平に張った際の効果
現在の縦コの字から、水平部を長くする。
取り付け用部材の取り付けの検討と取り付け未済なのでアルミ板を加工して取り付ける。
今後の取り組み
このカプラーはリモートコントロール機能つきなので外付け可能であるから、これを用いてアンテナ線の水平張りを実験する。?
アンテナ線の水平張りでの性能確認が楽しみである。