磁界ループアンテナ第6号機の作成 jh1agl
昨年の暮れに磁界ループアンテナ3号機が不調になり、一月の強風でバリコンケースが破壊(紫外線の影響でタッパがパリパリに割れた)してから早、半年になった。
ケースの手頃なもの、バリコンを電動モーター制御のためのスピードの程よいものを手に入れようと心がけていたが、なかなか手に入らなかった。
しかし、アンテナがないとオンエア意欲も削がれてしまうのでまた作ることにした。
仕様
仕様周波数 7MHz ~ 29MHz
円周 3m
直径 96cm
周波数・SWR調整 電動モータによりバリコンの可変で調整
給電点 、バリコン部 防水加工
前3号機の機能を再現させる
バリコンコントロール時の操作性を向上する
モーターの選択
壊れた磁界ループ3号機で使っていたモーターは、高回転のマブチモータにウォームギヤをつけて、スピードを落としていたが、調整時にはどうしてもオーバードライブとなり、回転方向を二度、三度とし直さないと、SWRの良好なポイントに合わせられなかった。
今までは、調整経験でそれを克服してきたが、再作成機では是非これを改善しようと思った。
初めに、秋月で購入したパルスモーターを用いてみた。
これだと、オーバードライブは無くなるだろうと思ったが、結果は巧くいかなかった。
理由は、PICでスピード調整が出来るようにボリュームが付いているが、この最低速度でも結構スピードが速くこのままでは使えなかった。
コンデンサーの容量を変えることで遅く出来ると書いてあったが、この方法だけでは私が欲しいスピードには落ちなかった。
また、パルスモーターでは9Vから12Vの電源供給になるが、通電時にモーターがロックされ、通電を切るとロックが解除される仕組みであるため省エネを意識し不採用とした。
次に、タミヤの4速クランクギヤセット(5204 : 1)を使って実験してみた。
スピードは程よいが、ギヤのギャップ(余裕)が大きく、逆回転時すぐに反応しない(空回りがある)ことが分かり不採用とした。
結局、今までに作成してきたチューニング用機器の休眠器のものをいろいろ実験してみて、その中から遊星ギヤモーターを使う事にした。
スピードは、1500 : 1で6Vで動作させた場合はの回転速度は私の欲しいスピードであった。
しかし、バリコンの低エッジから高エッジまでの必要時間を計ったら、6V電源で約80秒かかった。
18MHzから29MHzなら移動巾が狭いのでそれほど問題ないが、7MHzから29MHzに移動するとなると時間がかかりすぎるので、そのスピードをもっと速くないと実用上不都合だ。
そこで、電源を12Vにしてみたら約30秒であった。これなら耐えられるので、微調整時は6V、高速移動の時は12Vと制御ボック側で切り替えて使えるようにすることにした。
決定スピード (バリコンの低エッジから高エッジまで移動時間)
6Vで操作 約80秒
12Vで操作 約30秒
バリコンケースとSWRマッチイング部
遊星ギヤモーターを使って2連バリコンを使う方法だと、バリコンの低エッジ、高エッジで止める方法を考慮しなければならないため電源制御回路が複雑になる。
それを避けるため、バリコンとモーターの間に、6:1のボールドライブを挿入しバリコンエッジに行った場合は空回りする方法で避けることにした。
そのため、バリコンエッジ到着を表示するためマイクロスイッチを低エッジと高エッジにつけて、バリコンシャフトに回転バーを取り付け、マイクロスイッチがオンになったら赤LEDを表示させる方法とした。
しかし、バリコン・ボールドライブ・シャフトカプラー・遊星ギヤモーターと全長が18cmと長くなり、欲しい大きさのケースが無かった。
DIYでアクリルサンデー社のアクリルケースを見つけた。
大きさは、10cm(横) × 20cm(縦) × 4.5cm(高さ) ケース厚み4mm で、使おうとしている部材が巧く治まり厚さもあり、実際に組み立てたら丁度良い大きさだった。
ループ
ループの材料は銅パイプで、DIY店でガス用銅管8mmφを購入し用いた。
販売時に、3m長の物があったのでそれを使う事にした。
3号機作成時は2m40cmにカットし一度作ったが、7MHzにチューニングが取れなかったので、再度パイプを継ぎ足した経緯があるので今回は3mそのままで作成することにした。
給電部
3号機の時は、硬質塩化ビニルの箱を使ったが、腰が弱かったので今回は、elfaの5cm×7.3cm×3cmのケースを使う事にした。
この給電はガンママッチとし、ループ部とこのホット部を囲うことにより、雨水の浸入を避けることにした。
そのため、あらかじめ銅パイプの通る穴を開けておき、その穴に銅管を通しループの中点まで送り込んだ。
ポール
前3号機の時は塩ビ管VP16を使ったが、やはり重みからポールが弓形に歪んだので、今回は塩ビ管VP20を使って強化した。
コントロール部
前3号機のものを改造し、ハイスピード用に12Vの取り込みと、HIGHーLOW切り替えスイッチを追加した。
これにより、周波数の切り替えのスピード化が計ることもできSWRの調整がし易くなった。
調整
調整は、21MHzでSWRの一番良い状態を確認し、その時のガンママッチ給電線の左位置をマーキングし、そこを中心に7MHzと29MHzの双方が一番SWRの良い場所を探し固定した。
最高周波数
最低周波数
7MHz
18MHZ
21MHz
24MHz
28MHz
29MHZ
調整中に室内アンテナ状態で交信した局 (JH1AGLのリグがある1階から)
工作・調整は一階のリグ横でおこなった。
室内アンテナ状態ではあったが、よく聞こえる局にお声がけしたら応答して頂けた。
7MHz
長野、浜松、群馬、大阪市、岐阜市、千葉、兵庫、広島、境市、札幌、大阪市、兵庫、札幌、埼玉、大阪、兵庫、広島、千葉、岐阜×2、新潟
18MHz
新潟、宮城、熊本、テニアン(オーバーシー)、滋賀
21MHz
香川
24MHz
北海道遠軽、愛媛
調整中にお声がけし交信頂きました局長さま、ありがとうございました。
各局さま、このアンテナをベランダに設置し声を出しますので聞こえておりましたらよろしくお願いします。
このアンテナで、前3号機と同様に、多くのオーバーシー局とも交信出来ることを期待しオンエアしたいと思います。
(旧3号機の交信記録)
http://blog.goo.ne.jp/mutotusiroku/e/ba599dc3a348c196bddee70f6c73bef5
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