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自然災害と公的支援

2018年09月08日 | 日記
自然災害と公的支援について

今年は7月に西日本豪雨や台風21号、9月6日の北海道震度7の地震など、自然災害が続けて発生しております。
今回のような、地震や津波、暴風、大雨による洪水など、大規模な自然災害によって経済的な被害を受けた場合、公的な支援は期待できるのでしょうか。

 まず行われる支援としては、「災害救助法」による 1.避難所、応急仮設住宅の設置、2.食品、飲料水の給与、3.被服、寝具等の給与、4.医療、助産、5.被災者の救出、6.住宅の応急修理、7.学用品の給与、8.埋葬、9.死体の捜索及び処理、10.住居またはその周辺の土石等の障害物の除去、があります。
これらにかかる経費は、国と都道府県が負担することになっています。避難所で配られる食糧や水、毛布などの支援については、お金の心配をしなくていいのです。


 
死亡、重度の障害状態になった場合の支援

不運にも身体への被害があった場合、「災害弔慰金の支給等に関する法律」により「災害弔慰金」や「災害障害見舞金」が支援の役割を果たします。
「1市町村において住居が5世帯以上滅失した」「都道府県内において災害救助法が適用された市町村が1以上ある」などの大きな自然災害に見舞われた場合に適用され、死亡の場合には「災害弔慰金」、両眼失明・両上肢ひじ関節以上切断・常時要介護状態など心身に重度の障害が残った場合には「災害障害見舞金」が支給されます。

 支給額は市町村(特別区を含む)条例の定める金額で、「災害弔慰金」については生計維持者の死亡の場合は上限が500万円、その他の家族の死亡の場合は250万円となっています。
受けとれる人は、配偶者、子ども、父母、孫、祖父母。そのいずれもいない場合にかぎり、同居あるいは生計を同じくしていた兄弟姉妹も認められます。
「災害障害見舞金」の支給額は、生計維持者の場合は上限が250万円、その他の家族の場合は125万円。重度の障害になった本人が受け取れます。

住宅の支援は小額 

家が倒壊した、土砂に埋まった、水没したなど住まいに被害があった場合の公的支援制度には、「被災者生活再建支援制度」があります。
「1市町村で10世帯以上の住宅全壊被害が発生」「1都道府県で100世帯以上の住宅全壊被害が発生」などの災害の場合が対象です。

 その災害により、1.住宅が「全壊」した世帯、2.住宅が半壊または住宅の敷地に被害が生じ、その住宅をやむを得ず解体した世帯、3.災害による危険な状態が継続し、住宅に居住不能な状態が長期間継続している世帯、4.住宅が半壊し、大規模な補修を行わなければ居住することが困難な世帯(大規模半壊世帯)に、支援金が支給されます。

 支援金には、「住宅の被害程度に応じて支給する支援金(基礎支援金)」と、「住宅の再建方法に応じて支給する支援金(加算支援金)」があり、その合計がもらえます。
 ただし、それほど金額は大きくなく、「基礎支援金」が50万円(大規模半壊)か100万円(全壊、解体、長期避難)、「加算支援金」が50万円(公営住宅以外の賃借)、100万円(補修)、200万円(建設・購入)となっています。つまり、家が全壊して建て直す場合であっても、受け取れるのは最大で300万円ということ。家を再建するにはとても足りません。

 家や家財などの私的財産を守るのは自己責任の範疇で、公的な支援はそぐわないとされているため、家を再建できるような給付は期待できません。
 自己責任で守るには、どうしても建物と家財の損害を補償する「火災保険」、「地震保険」への加入が不可欠です。「火災保険」は火災だけでなく、水災や暴風の災害などもカバーすることも忘れないようにしましょう。