●それでも地球は回ってる

■かつて同人誌作ったり宇宙ネタに小躍りしてた輩の、3年サイト放置後の、無趣味無活動な日々のぐだぐだ与太話あれこれ

「かささぎ」という曲を聴いて

2008年03月29日 | 腐女子発言

去年の11月ごろだったか、NHKで【海峡】というドラマをやった(3回放映)。
朝鮮人男性と日本人女性の引き裂かれた純愛を、戦中戦後を通して書いたもので、
たしか実際にモデルになった方がいたはず。
あらすじは→こちら


自分は予告で見た時点で、流れてたのが「さだまさし」の歌だったからと
いう理由だけで見る!と決めた(さだFANな己)
しかし本放送当時は1回目しか見れなかった。
しかも、一話目は何をしてたのか忘れましたが、途中の内容が思い出せない・・・
(寝落ちしてたんかな・・・)
気付いたら、主人公の知子さんが日本に引き揚げる船の上に居て、
俊仁さんが波止場で叫んでいたという場面になってた。



その時に流れるのが、まっさんの『かささぎ』という曲。




歌の題名の「かささぎ」という鳥は、中国や韓国では、
七夕の織姫彦星の橋の役目をする鳥で、
このドラマでも、朝鮮人の男性が「かささぎ」のブローチを、
日本人女性にプレゼントするのですが、
まだ恋心を伝える前に、七夕の話をしながら、
この鳥は小さな鳥なので海峡を渡る力はないんだと、
彼女に伝える場面があって、
その時点で、既にこの愛の終わり方が示唆されていて。


この後二人は再会と別離を繰り返し、
遂には結ばれないけれども、再会は果たすという結末。



第一回目で既に結末が運命付けられてるので、
この歌が逆にとてもとても切なくて、泣いてしまった。
(普段から、まっさんの歌を聞けばほとんど泣いてるけど)
 





そして今日、再放送の最終話(第三回目)を見ました。
時代や二人を取り巻く人々の思惑が、二人をすれ違わせて、
結局お互いは別々の伴侶を得て、
末期癌で先が長くない朝鮮人男性(以下朴さん)が知子さんに手紙を書き、
それを読んで迷った末に、知子さんも色々な想いと決別する為に釜山へ渡り、
今生の別れをするんだけど、
お互いの事情が分かった二人の最後の邂逅場面で、
何度も密航してまで、日本に渡ろうとした朴さんだったけれど、
彼女から送られた数々の手紙を隠していた自分の母の事や、
日本の植民地だった頃、日本人憲兵だった事もあり、スパイ容疑で収監されたりしてる内に、
彼女に会いに行く事は、彼女の迷惑になるんじゃないかと考え始めて、
「愛だけがすべてだとは言っても、愛だけで出来る事は多くはない」
そう思うようになり、
その内に朝鮮戦争に召集され、帰った時には既に母は死に、
そんな時に、彼女の「結婚します」の手紙を読んで、日本に行く事を諦めたという。





永遠の愛を誓って、民族や国境の壁も乗り越えていけると思っていたはずで。
だけれども、そうする事が出来なかったのは、その人達の想いが弱かったからじゃなく、
抗えないものが、越えられなかったものが、二人の間には横たわっていただけで。







最後の最後に、知子さんが「会いに来て本当によかった」と言い、
そして「お願いがあります」と彼に伝える。
それは、








「もう二度と私の夢に出てこないで」









かつて愛した、きっとほどなくしてこの世を去るその人にそう言って。
彼も「分かりました」と言って。





二人を繋いでいたかささぎのブローチの想い出を語る場面でも、
今までこのブローチを握り締めて生きてきたけれど、
握り締めすぎちゃったと。
もうそろそろ開放してやらなければ可哀想ですと。





自分が相手の重荷に、辛いだけの想い出になってはいないか。
けれどその悲しかった過去から解き放たれ、
想いとは裏腹に、自分が相手を縛ってしまっていた、
傷つけ傷つけられたその過去を解放して、訣別しなくては・・・
そこまではまだ自分も理解出来たけれど、
この最後のセリフでもう号泣です・・・・・・




逢いたくて逢いたくて でも逢えなかった
その辛さだけは今も消せないという事
死にゆく人に対しては、とても残酷なように聞こえるけど、
でもそれこそが彼女の今の本心なんだろうから・・・
どれほど寂しくて逢いたかったか、
でも逢えなかった、叶えられなかった心の痛みを表したその言葉が、
どれよりも一番、二人のやりきれない切ない有り様を伝えていて。
そして、それを彼は一体どんな想いで聞き、
「分かった」と言ったんだろうか。








  星空には 精一杯かささぎが羽をひろげ
  織り姫と彦星の海峡に橋を架けた
  けれどあなたと私のためには
  舞い降りてくれなかったね かささぎ



  切なくて 切なくて 切なくて空を見上げながら
  愛しくて 愛しくて 愛しくて今も胸が痛む
  
  
  憧れて 憧れて 憧れた あなたを想いながら
  諦めて 諦めた あの 時の流れに











で、何でそんなに泣けたかというと。
勿論このドラマの行く末とか曲のドラマチックな所とか、
理由は多々あるけれど、
17歳のあの子と重なってしまって号泣したのが多分本当の理由。







不思議なもので、あの映画公開から既にこの夏で4年になるのに、
そして最近ではまったく作品を描いてないのに、
それでも。
自分なりのハイデ観・・・あの子の在り方に近しいと思えるものには
未だに涙しております。
(【篤姫】の尚五郎さんはいまの所、その最たるもの)






きっとあの子も、
憧れて 憧れて 憧れた「その人」を
諦めて 諦めて 諦めたんだろうから………







「手放す」というキーワードと「無名戦士の詩」が自分のハイデ観のすべてですが、
今回のこの『かささぎ』も凄かった・・・・・・
それ抜きにしても、機会があったら一度聴いてみて欲しい曲です。




 









本日はちょい腐女子発言な記事であります。
本来はそういう方面のブログだったはずなんだけど…
まあいいか・・・・・・・・・



 

 

 


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