
浪花劇団 浪花新之介
4月17日(日)PM12:00~3:15 梅南座
40分前劇場入り。
聞こえてくるお客さまの声。日曜日やから元気なのか。
「さあ、西成の奥へ来ましたよ。おばちゃんたちのピーチクパーチクようしゃべってはりまっせ。70代おばちゃん二人。近所の人のこと世話話。
「うちも一回いったんや、おもしろなんのなかったわ」「あのおばはん、前いったらええのに」「あんな前でようみいひをわ」「からだ、わるしたんかな」「きのう、きとったで」「朝日、いこうとしたら。時代劇やったらあかん。あんなんあかん」「ここはおもしろみがある」「オーエス満員やって」 次から次へおわりなし。ちなみに会話はみんな聞こえたのをかいてます。会話ではないですが、会話になってます。
日曜日にそこそこ入っている。大入りでますかな。
第1部 お芝居 特選通し狂言「忠臣蔵外伝 48人目の男 潮田又乃丞 妻子の別れ」85分
あいだに中休憩を入れて、気合い入った芝居。
忠臣蔵は有名な話。江戸時代中期、元禄14年3月14日(西暦1701年4月21日)、江戸城内の松の廊下にて赤穂藩藩主浅野長矩が、高家肝煎・吉良義央に切りつけた刃傷沙汰に端を発する。松の廊下事件では、加害者とされた浅野は、即刻切腹となり、被害者とされた吉良はおとがめなしとされた。その結果を理不尽きわまりなしとして、赤穂藩とりつぶしになった気配の武士(もののふ)たちが仇をうつ話。
その理不尽な下々たちの仇討ち話をさらに、お話しにして、赤穂浪士四十七士に入れなかった男をたて、さらに涙を誘う。潮田又乃丞にも仇討ちの密書がくる。そのときかとばかりではあるが、妻には知らせず、まだ、幼いわが子、又乃介と最期であろう湯屋へいく。そこに見張りでもある山本に密書を見つけられ、あげくの果ては妻のおさよをおどし、自分の言いなりになれといわれしたがう。返ってきた妻から離縁を言われ、憮然ながらも怒りのなかで三下り半をつきつけた又乃丞。残されたわが子に捨て置くこともできず、我が子に武士の生きざまとして、切腹を問うと、父上のお役たつならばと、幼いながら、腹をきる。前半線。実際、小学生で役者でもあるタイガー一心が素直に一生懸命に腹切り、我が父に首跳ねられる。その切ない物語はたどたどしければ、たどたどしいほどこちらの涙を誘う。
後半は離縁して山本についたおさよは実は密書を取り返すために、山本にきりつけていのちかくごで小刀できりつけ、返り討ちに会いながらも密書をとりかえす。そこに出くわす又乃丞。憎まれ口を叩き出ていった妻は実は内助の誉れだったのだ。許せぬ思いでいると仇討ちをかぎつけた武士たちが潰しにかかろうとくる。切って切って切りまくる又乃丞。だが、やがては力つきき、切られ、夫婦共々いのち、散るとき、吉良への仇討ちの勝ちどきが聞こえてくるのだった。涙、涙、涙と拍手のうちの終幕。
第2部 舞踊ショー
芝居に気合いが入ったゆえか、軽やかにのりよい舞踊ショー。にこやかさがついつい湧いてくる。ほのぼのわいわい、浪花でんがな。
大入りでした。