昔乙女たちの裁縫教室

TANAKA師匠の教室に通う昔乙女の 教室レポートと裁縫日記

5月3日 古布の話

2023-05-03 | 古布と遊ぶ
破れ、穴が開き、色が変わり、おかしなにおいを放つ・・・
再利用は不可能に見える布が、古布の大半です。

ところが世の中には数寄者がいて、これを珍重、
魔術師のごとく、あの手この手を使い、
衣類やバッグなどに化けさせるのです。
ぼろ布であればあるほど良い、などと言って。

不思議なのは、そのあの手この手を使って化けた古布の作品が
何とも不思議な魅力を放ち、人々を虜にすることです。
昔乙女もそうでした。

あちこち継当てされたスカートを颯爽と着こなす女性が
シンデレラ姫のように素敵だったり
どこにでもいそうな爺さんの
肩にかかったポシェットに、昭和のお店とおぼしき
屋号や電話番号が織られていたりすると
えらく魅力的な紳士に見えたりします。

ぼろすぎて雑巾にもならないような穴だらけの布が
リバティーよりも高価と知ったときは、ひっくり返りそうになりました。
めったに入手できないからなのか、とても高い!

ところが、まだらに色あせた藍染の布に初めて触れたとき、
瞬く間にその魅力に取りつかれてしまいました。
ぼろ布を丁寧にほどき、時間をかけて洗って干し、
アイロンを当てると、藍染の濃淡が輝きだします。
この輝きはいったい何なのだ!

色、風合い、何よりも、同じものは存在しないという稀少価値。
さらに、刺し子や継ぎ当てを施し、縫製を加えて
どこにもなかった一点ものの作品が生まれてくるのです。

刺し子を施した雑巾にも使えない木綿の古布が
帽子に化けたときなど、もう感動を通り越します。

まさに「古布に魅せられて」状態です。
あと何年作れるのかわからないけど、
死ぬまで古布の世界から足抜けできないかもしれない、
などと考えるこの頃です。

次回古布展は6月18日(日)です。
出品者たちの自信作が並びます。
ぜひ作品を手にとってご覧ください。

10時半からはシニアエイジファッションショーも予定しています。
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