ツイッターをチョロチョロしていて見つけた記事が気になった。
タイトルは「マスコミが在日特権に関する最重要機密を大暴露!!!!!在日韓国人と反日左翼の大嘘が日本中に拡散され大発狂!!!!!!」となっている。
なんと!
このブログ「ホンマかいな在日特権?」は「在日特権など存在しないよ」という趣旨で書いている。
「在日特権」が実在し、暴露されたのであれば、大変な事ではないか!
こりゃ一大事だ! 猫のブラッシングなどしている場合ではない!
という事で膝の上にいた猫を床に置いてから記事を読んでみる。記事はヘイトスピーチに反対する団体「のりこえねっと」の声明である。
以下
ヘイトスピーチとレイシズムを国際的な連携で乗り越えようと、9月25日、「のりこえねっと」という組織が発足した。
共同代表20人、賛同者は200人を超えるという。呼びかけ責任者の辛淑玉氏によると、
もっと早くこのような動きが出てきてしかるべきだったとのことだ
▼辛氏のいうとおり、このような動きが具体化したのは遅い気もする。だが、これまでの諸般の状況を勘案すれば、
決してそうともいいきれない。共同代表の20人は最も勇気のいる行為をした。
在日韓国人も陰で批判・批評するばかりでなく、具体的な行動を起こすべきだ
▼特に民団は宣言・綱領の中で組織の性格を「生活者団体」と規定している。
また韓日両国の親善活動に寄与することも明らかにしている。それならば、
今はいわれなき誹謗・中傷に立ち向かうべきではないのか。グローバル化した21世紀に、
公々然として在日韓国人や在日外国人が攻撃対象になっているのに、何の対策も打たないのは理解しがたい
▼在日韓国人が獲得した数々の権利のほとんどは、日本政府から一方的に与えられたものではない。
1世中心の過去の民団が、長い年月をかけて理論整備をし、
法的・人的連携を各地域で地道に構築した結果として得たものだ
▼本国政府に陳情するのも結構だが、まずは当人たちが懸命に課題に対応し、努力することが優先だ。
「のりこえねっと」の活動で、世界の趨勢は、私たちの訴えが正しいと認めるということを証明してもらいたい。
そして、日本国での法制化に結びつけてほしい。
↑
ここまで。これを読んで愛国者様たちは「やはり在日特権は存在した!」とお祭り状態になっているのだ。
で…
一体どこに在日特権に関する文が?
どこ? どこなの?
暴露された最重要機密ってどれ?
え、どれ? どれが最重要機密なの?
もしかしたら特殊なメガネでもかけないと見えないようになってんのかな?
あ、さては全裸にならんと見えない仕掛けがあるのだな! よぉし…
やっぱりダメか…
どこ? どこ?
おかしいなぁと思って、あちこち探した末、記事下に書かれたコメントを読んでやっとわかった。
記事中の「在日韓国人が獲得した数々の権利のほとんどは、日本政府から一方的に与えられたものではない。 1世中心の過去の民団が、長い年月をかけて理論整備をし、 法的・人的連携を各地域で地道に構築した結果として得たものだ 」という文の「獲得した数々の権利」ってのが在日特権の事を指しているというのだ!
ありゃりゃ…
こりゃまた…
何と言っていいか…
まぁ、ハムスターより大きな脳を持っている人であれば、ここで言う権利という物が「日本で生活するうえで差別されないための権利」である事はすぐに分るよね。
例えば、外国人登録済証明書への指紋押捺問題とか、年金加入問題とか、賃貸住宅への入居差別問題についてなんかだよね(解決されていない事も多いけど)。在日コリアンが国体に出場できるようになったのもこのような働きかけの成果だった。
昔、日本で最も人口の多い外国人が韓国・朝鮮人だったから、民団・総連の働きの結果、他の国籍の外国人が恩恵を受ける事になった事例も多いはずだ。
しかし、一部の方はハムスターよりも脳が小さめなのか、この文を読んで「在日特権は存在した」と大騒ぎしていらっしゃる…。
彼らにとっては「権利」=「特権」な訳です。
こまったもんです…。
これって、運動会で自分と同じスタートラインに立っている人に対して「お前、俺と同じスタートラインだなんてずるいぞ。お前はもっと後からスタートしないと不平等だ」と言っているようなもの。
君たちの大好きな「武士道精神」とか「大和魂」ってのはどこ行っちゃったのかしらね?
まぁ、つまり彼らはマイノリティがマジョリティと同じスタートラインに立つことを「特権」だと思っているわけだ。
やれやれ…
多くのまともな方々が「どうがこのお祭り騒ぎが海外メディアにばれて日本が世界各国からバカにされませんように」と祈っている事でしょう…。
でもね、今回の騒ぎは「のりこえねっと」の人が悪いと思う。
ちゃんと、トノサマガエル程度の脳みそしか持たない人が読んでも理解できる文章を書いてあげなきゃいけませんよっ!
カブトムシとかにも分るように書かなきゃ!
主にそういう人が読んで反応しているんだからさ。
つくづく思うのは、存在しない在日特権なる物が、愛国者様にとってはとても大切な物だという事実だ。
彼らは時に捏造し、時に誤解し、時に日本語を歪め、時に拡大解釈までしてでも「在日特権」にしがみつく。
そのしがみつきっぷりと言ったら「樹液を吸っている時のオスのノコギリクワガタ」のレベルを遥かに超え、もはや「磯遊びで見つけたフジツボとかカメノテ」の域に達していると言っても過言ではないだろう。
彼らに「在日特権など存在しないよ」と説明してあげると、どこかからコピペした文を貼りつけて反論してくるが、それらは全て「特権」などではなく、「不正」だったり「在日以外の多くの人に認められた権利」だったり「噂話」だったりする。それ以上の物ではない。
安田浩一氏や有田芳生氏も同じ苦労をされているが、彼らが理解する気配は一向にない。
彼らにとっての「在日特権」とはカルト教団の教義と同じなんだろう。
教義が崩壊すれば、カルト教団の信者は自らを否定しなければならなくなり行き場を失う。
「在日特権」もまた同じだ。
だから、在日特権がなくなって困るのは在日コリアンではなく、いわゆるネット右翼と呼ばれる愛国者様たちなのである。
たとえデマであっても、国籍を唯一のアイデンティティにする人にとっては自己を肯定化する唯一のツールなのであろう。
乳離れする子にはおしゃぶりが必要な場合がある。彼らにも何かおしゃぶりの様な物があればいいんだけどねぇ。
エセ愛国ってのは知性がなくても簡単にしがみつけるから、つくづく性質が悪い。