体育実践の足跡
2007年8月。体育全国セミナーで模擬授業を行った。タイトルは,「車椅子の子
も一緒に楽しめる長縄遊びと自閉症の子もリラックスするヨガストレッチ」である。
特別支援教育の提案授業である。年度当初からずっと頭の中に起き,考え続けた。構
想ができてからは,様々な本を読み,そして模擬授業をしながら思考した。
(1) 授業の意図
「車椅子の生徒も一緒に楽しめる体育の授業をしたい」。そこから始めた縄跳び遊び
である。国の進めるインクルージョンにより,特別支援学校には知的障害の校種を問
わず肢体不自由の子も入学してくる。4月から学校教育法も一部改正され,小・中学
校にも肢体不自由の子,また,発達障害のある子が入学する傾向はますます加速して
いる。通常学級に車椅子の子や知的障害の子がいた場合,分かりやすい流れと配慮が
必要となる。そのひとつの提案である。
(2) 授業の解説
見本を見せます。
長縄の前に並んだら,まずこの一声である。本来であれば,
・縄でいろいろな動きをさせます。
・その縄を跳んだりくぐったりします。
・跳んだらコーンの外側を回ってもとの位置に戻ります。
・車椅子の子も参加するのでぶつからないように気をつけてください。
・車椅子の子はコーンの内側を通ってください。
といったことを説明したくなる。しかし,多くを説明すると子ども達は分からなくな
るのは必然である。
発達障害の子がいる場合,まず,見本を見せることで大部分を伝える。そして,必
要なことは,一時一事で伝えればよいのである。
スモールステップで進める
縄の動きを少しずつ変えていく。
① 止めた縄をゆっくり歩いて越える。
② 縄を少し上に上げて止める。
(跳び越える)
③ 腰の高さに縄を上げる。
(くぐり抜ける)
④ 床にこすらせ小さく横に揺らす。
(小さなへびの動き:跳び越える)
⑤ 大きく横に揺らす。
(大きなへびの動き:跳び越える)
⑥ 小さく縦に揺らす。
(小さなへびの動き:跳び越える)
⑦ 大きく縦に揺らす。
(大きなへびの動き:跳び越える)
⑧ 小さい波を作る。(跳び越える)
⑨ 大きい波を作る。(跳び越える)
易から難へ(スリルのあるものへ)
少しここで難易度を上げ,「縄抜け」を行う。長縄を大きくぐるぐる回して跳び越え
るのではなく,くぐって進むだけである。特別支援学校の場合,回す縄を跳んで抜け
ることができるのは,クラスの3分の1程度である。ましてや車椅子の子はできない。
しかし,縄抜けなら全員ができる。そしてやってみるとかなりスリルがあり楽しい。
ただし,ここで気をつけなければならないのは,「縄を子どもの顔にぶつけない」と
いうことである。知的障害の重い子や,車椅子の子は一度いやな経験をすると,次は
なかなかやろうとしないことが起こりうる。ここは回し手の配慮が必要なところであ
る。
かかわりを作る
一人ずつくぐり抜けたあとは,二人ずつくぐり抜ける。または,手をつなぐ。これで
さらに楽しさが増す。
特別支援学校の小学3・4年の合同体育で行ったときには,「縄抜け」が始まるとみ
な一気に動きが加速した。車椅子の子も大はしゃぎである。いろんな子と手をつない
でくぐり抜ける子も現れた。
2007年8月。体育全国セミナーで模擬授業を行った。タイトルは,「車椅子の子
も一緒に楽しめる長縄遊びと自閉症の子もリラックスするヨガストレッチ」である。
特別支援教育の提案授業である。年度当初からずっと頭の中に起き,考え続けた。構
想ができてからは,様々な本を読み,そして模擬授業をしながら思考した。
(1) 授業の意図
「車椅子の生徒も一緒に楽しめる体育の授業をしたい」。そこから始めた縄跳び遊び
である。国の進めるインクルージョンにより,特別支援学校には知的障害の校種を問
わず肢体不自由の子も入学してくる。4月から学校教育法も一部改正され,小・中学
校にも肢体不自由の子,また,発達障害のある子が入学する傾向はますます加速して
いる。通常学級に車椅子の子や知的障害の子がいた場合,分かりやすい流れと配慮が
必要となる。そのひとつの提案である。
(2) 授業の解説
見本を見せます。
長縄の前に並んだら,まずこの一声である。本来であれば,
・縄でいろいろな動きをさせます。
・その縄を跳んだりくぐったりします。
・跳んだらコーンの外側を回ってもとの位置に戻ります。
・車椅子の子も参加するのでぶつからないように気をつけてください。
・車椅子の子はコーンの内側を通ってください。
といったことを説明したくなる。しかし,多くを説明すると子ども達は分からなくな
るのは必然である。
発達障害の子がいる場合,まず,見本を見せることで大部分を伝える。そして,必
要なことは,一時一事で伝えればよいのである。
スモールステップで進める
縄の動きを少しずつ変えていく。
① 止めた縄をゆっくり歩いて越える。
② 縄を少し上に上げて止める。
(跳び越える)
③ 腰の高さに縄を上げる。
(くぐり抜ける)
④ 床にこすらせ小さく横に揺らす。
(小さなへびの動き:跳び越える)
⑤ 大きく横に揺らす。
(大きなへびの動き:跳び越える)
⑥ 小さく縦に揺らす。
(小さなへびの動き:跳び越える)
⑦ 大きく縦に揺らす。
(大きなへびの動き:跳び越える)
⑧ 小さい波を作る。(跳び越える)
⑨ 大きい波を作る。(跳び越える)
易から難へ(スリルのあるものへ)
少しここで難易度を上げ,「縄抜け」を行う。長縄を大きくぐるぐる回して跳び越え
るのではなく,くぐって進むだけである。特別支援学校の場合,回す縄を跳んで抜け
ることができるのは,クラスの3分の1程度である。ましてや車椅子の子はできない。
しかし,縄抜けなら全員ができる。そしてやってみるとかなりスリルがあり楽しい。
ただし,ここで気をつけなければならないのは,「縄を子どもの顔にぶつけない」と
いうことである。知的障害の重い子や,車椅子の子は一度いやな経験をすると,次は
なかなかやろうとしないことが起こりうる。ここは回し手の配慮が必要なところであ
る。
かかわりを作る
一人ずつくぐり抜けたあとは,二人ずつくぐり抜ける。または,手をつなぐ。これで
さらに楽しさが増す。
特別支援学校の小学3・4年の合同体育で行ったときには,「縄抜け」が始まるとみ
な一気に動きが加速した。車椅子の子も大はしゃぎである。いろんな子と手をつない
でくぐり抜ける子も現れた。
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