株式の配当金は再投資に回して複利運用すべきだ。小口の資金になるので盆栽投資にもちょうどよい。
6月は配当金の季節
3月決算の会社が多く、その決算に基づく配当金は6月になると口座に入り始める(株式数比例配分方式の場合)。配当金が入る日にちは結構ばらけるが、取締役会決議で配当金額を決められる会社は早目で、株主総会での議決が必要な会社は遅い。
私の場合、年間受取配当金は今や100万円を超えるようになっているが、会社の決算期によってばらけ、中間配当金と期末配当金で分かれ、メイン口座とサブ口座で分かれる。その結果、保有株式の額も少ないサブ口座の方は、たまに確認すると数万円とかいうレベルになっていることが多い。その金額が、逆に盆栽投資にはちょうどよい。
配当金は再投資に回すべし
今は低金利過ぎて意味はないが、普通の貯金でも複利の効果は絶大だ。いわゆる、利子が利子を呼ぶというやつだ。サラ金で金を借りて破綻する場合の逆だと思えばわかりやすい。複利の効果を表す「72の法則」は有名なので、資金運用に関心のある人は知っているだろう。
72の法則: 72÷想定金利=元本が2倍になる概算年数
年利7.2%なら約10年で2倍になるが、年利0.72%なら約100年もかかるということになる。みずほ銀行の1年定期預金の金利は0.002%だ。複利運用しても2倍になるのに3万6千年もかかる計算になる。3万6千年も遡れば旧石器時代の前半だ。縄文時代が始まったのは1万6千年ほど前だ。お金を増やすための選択肢としては、現在の金利水準では銀行預金なんかはあり得ない。
株式配当金の場合、決まった利回りが得られる訳ではないが、複利運用の効果があるのは一緒だ。配当金を受け取ってお小遣いとして使うのも悪くはないが、資産運用を考えるならば再投資に回すべきだ。
値上がりをあまり期待できない銘柄でも、社会に必要な会社で一定の需要のある事業をしていれば、安定性は高く配当金も安定しやすい。配当金での複利運用に重点を置くなら、高配当株、連続増配株への投資はいいと思う。
配当金を再投資した銘柄
株式配当金は同じ会社に再投資する必要はまったくないので、その時点で手ごろな銘柄を買えばいい。6月にサブ口座の配当金で買った2銘柄を紹介しておきたい。
ERIホールディングス
この銘柄は、2020年のNISA枠の購入銘柄として以前紹介した。銘柄紹介部分を再掲すると以下の通り。
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ERI HDは、一般にはなじみの少ない会社だが、建築基準法に基づく確認検査業務や住宅性能評価の最大手だ。今期の業績落ち込みを反映して株価は半年ほど低迷を続けているが、中古住宅でも検査して販売するような動きもあり、継続的な需要はあると思っている。当面、増配はしそうにないが、配当もいいので拾っておいて4桁狙いで待つ感じかな。
-----(再掲終了)
2020年1月に765円で200株買っているが、当時の予想1株配当は30円で3.9%の配当利回りだった。しかし、コロナ禍による住宅着工の遅れなどによって業績が落ち始め、20年5月期配当は27円と少し減配、21年5月期配当は15円と大幅減配になってしまった。今期業績は回復傾向にあるが、四季報によれば22年5月期配当10~20円となっている。しかし、21年5月期配当は10円の予想が15円となったので、22年5月期配当20円はあるだろうと思っている。
600円で買えば3.3%の配当利回りという目論見だ。
ERI HDに関しては、6月に入って幾つかニュースがあり、ツイートしたので、記録として貼っておく。
ERI HDの正式なお知らせは以下。
結局、株価は往って来いになった。ちょうど配当による資金があったし、ERI HDに意識がいっていたので、100株 595円で買ってみた。
6月15日に21年5月期の業績予想の上方修正と配当の増額が発表された。それを受けて、ERI HDは急騰した。
ERI HDの正式なお知らせは以下。
ERI HDの日足チャートを以下に示すが、株価は持続力がなく、長い上ヒゲをつけてすぐ反落してきている。それでも下値は知れているし、中長期では上向くだろうと思っている。
ERI HDの日足チャート(2020年6月~本日)
タカラレーベン
この銘柄は、2021年のNISA枠の購入銘柄として以前紹介した。銘柄紹介部分を再掲すると以下の通り。
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タカラレーベンは、一次取得者中心にマンション分譲を行っている会社でご存じ方も多いだろう。リートやインフラファンドの組成も行っていて、なかなか展開力のある会社だ。
既に1,000株以上持っており、株主優待のお米券を5kg分もらっている。コロナ禍でも不動産市況は悪くなく、配当利回りもいいので割安だと思う。
既に1,000株以上持っており、株主優待のお米券を5kg分もらっている。コロナ禍でも不動産市況は悪くなく、配当利回りもいいので割安だと思う。
-----(再掲終了)
2021年1月に310円で400株買っている。21年3月期配当は14円に減配されているが、それでも4.5%の配当利回りだ。22年3月期も営業益は続落だが、減損特損が消え、1株益は少し伸び、配当は維持の見通しとなっている。
タカラレーベンの日足チャートを以下に示すが、今期見通しが冴えないので、株価は軟調になっている。業績がさらに悪くなることはないと思うので、配当狙いで昨日(6月24日)200株 332円で買っておいた。この株価だと、4.2%の配当利回りになる。
タカラレーベンの日足チャート(2020年6月~本日)
元々持っていた1,000株は長期保有のつもりであるが、株価が今後大きく上げてコロナ前の500円に到達したなら、今回買った分は売ってもいいかなとも思っている。
ERI HDの方も同様に大きく上げることがあったら、機動的に売ってもいいかなと思っている。小口で買い足した分は、ちょっと売るのもやりやすい。また、少しでも売っておくと、上げてきたときに売りたくなる気持ちを満足させられるので、その面でもいい。
【2021.7.14追記】
7月13日にERI HDは2021年5月期決算短信〔日本基準〕(連結)を発表した。
2021年5月期は6月15日に業績予想の上方修正と配当の増額が発表されていたので予想通りであったが、同時に発表された2022年5月期の連結業績予想は非常によく、営業利益が95.9%増、経常利益が74.1%増、純利益が85.9%増だった。
2022年5月期の配当予想も30円と倍増した。上で「22年5月期配当20円はあるだろうと思っている」と書いたが、うれしい見込み違いだった。配当金の再投資で595円で買った分の配当利回りは5%になる見込みになった。
決算結果や今期見通しに関する説明は、2021年5月期決算説明資料にある。
顧客の事業活動は回復基調、2021年4月の省エネ適合義務の対象拡大を業績向上のけん引役として増収増益を目指すということで期待も高い。
この結果を受けて、7月14日のERI HDの株価は後場に入ってもストップ高買い気配のままだ。私は以下のツイートをした。さらなる上昇を期待したい。
マネックススカウターでERI HDの売上高と営業利益の推移(2022年5月期業績予想反映済)を確認すると、以下のようになっている。
利益水準が2019年当時に戻るならば、株価も当時の1,000円絡みに戻すと考えてもいいだろう。1,000円に到達したら、特定口座で持っている分の内、100株だけは記念売するつもりだ。NISA分は最高値圏の1,200円到達を待ちたいと思っている。
【2021.7.31追記】
タカラレーベンの株主優待は、実施済みの2021年3月期分をもって廃止されることになった。株主への公平性と、5月発表の中期経営計画で配当性向を5%引き上げていて配当による還元を優先するからという理由。株主優待は元々おまけと思っているし 、配当水準が現状以上であれは文句はないレベルだけど。株主優待目当ての投資家からの売りが出て少しは下げそう。通期業績見通しや配当見込みに変更はないが、第一四半期決算は赤字拡大だったし。
2021年7月30日 株主優待制度の廃止に関するお知らせ
2021年7月30日 2022年3月期 第1四半期決算短信