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ドル円等のトレンド分析(2022年12月31日)

 毎週土曜日に行っている個人的なトレンド確認用の分析の12月31日分。12月5日から12月30日の動きをまとめている。


分析結果と各ペア動きのまとめ

 まずは、毎週のトレンド分析のサマリ部分だけを以下に載せておく(見方の説明は2020年2月3日のブログ記事参照)。




 各通貨ペアの日足チャートは以下の通り。 


 出所:セントラル短資FX|為替チャート一覧(https://www.central-tanshifx.com/market/chart/) 


 ドル円12月5日の米ISM非製造業景況指数が予想外に上昇したため136円台後半まで戻し、その後も強含みの推移で137円台に載せた。12月9日には米PPIも予想を上回る伸びを示したが137円台後半止まりで、12月13日の米コアCPIが過去1年余りで最も低い伸びだったため一時134円台半ばまで3円幅で急落した。

 12月15日にFRBは予想通り0.5%利上げしたが、金利の予測中央値が来年末に5.1%と9月時点での予測から引き上げられたため、ドル円は138.1円台まで上げた。その後は小動きを続けていたが、12月21日に日銀がYCCの10年債の金利変動幅の上限を+0.25%から+0.5%に引き上げたため、一時130.5円台までの急減な円高となった。

 その後はじり高で134.5円近くまで戻したが、日銀が次回会合で物価見通しを上方修正するのではないかという懸念で年末に向けて130.7円台まで急落し、131.1円台で終了した。

 前回のトレンド分析の記事で「月足でも長大陰線で下げてきており、今回の円安の大相場は終了した可能性が高くなってきた」と書いたが、日銀の動きもあったので、今回の円安の大相場は終了したと思う。来年の為替見通しが多くの専門家から出されているが、基本は円高方向で下は120~125円、上は高くても145円というのが多かった。


 ユーロドルは12月15日にECBが0.5%利上げして$1.073台を付けた。しかし、予想通りだっため上値は追わず$1.057台まで小幅に反落した。チャート的には、12月1日に完全に上抜けした200日移動平均線のサポートを試すような動きになるかなと思っていたが、大幅利上げ継続の期待感が強く、浅い調整に留まっている。

 12月17日時点のトレンド分析では週足以上の分析でも陽転し、21日移動平均線を下回らない動きを続け、年末は$1.070で終了した。

 ユーロ円はドル円の影響の方が大きく、12月15日に146.7円台まで戻したが、12月20日には一時138.8円割れまで急落した。その後、142.9円台まで戻したものの、年末に急落して140.3円台で終了した。



各国の動きとニュース

 まずは米国関連。
 12月5日に米ISM非製造業景況指数が発表された。予想外に上昇していてドルは強含みとなった。



 12月9日に米PPIが発表され、11月は予想上回る伸びだった。



 12月13日に米CPIが発表された。予想7.3%に対して7.1%、たったの0.2%だが2か月連続で予想を下回った。コアCPIが過去1年余りで最も低い伸びだったため、金利先高感が低下してドル円は3円幅で急落した。



 12月15日にFRBは予想通り0.5%利上げした。金利の予測中央値では来年末に5.1%、24年に4.1%に低下との見通しが示され、いずれも9月時点での予測から引き上げられた。 その後の会見で、パウエル議長は「なお道のり残る」とし、利上げは終了に近づいてはいないとの見解を示したので、ドルは一時138円台に戻した。



 続いて欧州関連で1つだけ。
 12月15日にECBは0.5%利上げした。上げ幅は予想通りだったが、ラガルド総裁が「一定期間の0.5ポイント利上げ継続を見込むべきだ」と述べたため、 大幅利上げ継続の期待が残った。



 続いて日本関連。
 12月20日に日銀が長期金利の変動幅の上限を0.5%に引き上げた。これまでの日銀総裁の頑なな姿勢から今回も無風だと思われていたため、ドル円は7円近い急落となった。


 日銀は利上げではないというスタンスだが、変動幅の上限が上がって10年債の金利が上がったため、事実上の利上げとみなされた。

 12月26日の講演で日銀総裁は、政策修正は出口の一歩ではない、YCC下で緩和継続だと改めて述べている。



 実際に日本国債のイールドカーブを確認してみた。下図の左は12月21日に確認してツイートした時のもので、10年債の金利が0.25%ほど上がり、1か月前に比べてイールドカーブの歪みがましになっていた。



 右は本日確認したイールドカーブで、10年債の金利がへこんでまた歪んできていた。金融機関がわざわざ金利の低い10年債を狙って買うとも思えないので、日銀が買い入れで抑え込んだのかもしれない。不自然なことを続けると反動が大きくなる気もするのだが。


 最後に今後の為替見通しに関するコラム等を3つ。
 今年、円はビッグショートだったが、来年は劇的に円高にUターンするという見方。ほとんどの市場関係者はこの見方になっている。



 日銀ショックで円独歩高になったが、日米金利差の縮小の程度に比べて円高になり過ぎているし、貿易赤字が膨張していて実需の円売りが大きいし、日銀の国債購入増による円の価値への懸念があるので、円売りの構図も考えられるという指摘がある。



 ドル円相場の状況整理と市場関係者の2023年円相場見通しのまとめは以下の記事辺りがよくまとまっている。




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