月光浴

月が綺麗だったので書いてみました。






『月光浴』
ベランダに立って、月を見上げる。
今夜は月が綺麗だ。
薄く曇っているのでほかの星は目をよく凝らさないと見えない。

遠くの方で街の音がする。眠らない街――そんなフレーズが頭をよぎる。
それでも、目を閉じると風のささやきが聞こえてきた。

今何をしているの、と訊かれたら
月光浴、と答えるだろう。
月の光を浴びながらぼんやりしている。それだけ。
明るい月は鮮やかな影を作り出している。

私、これでよかったんだよね。
悩まなくてもいいんだよね。
苦しまなくてもいいんだよね。
月に問いかけても答えるはずもなく。
ただ静かに私を照らしていた。

こんな時に電話をする相手も
抱きしめてくれる人もいないけど
少なくとも、元気にしてるかな……と気になる人は何人かいる。
それはそれで幸せなことなんだと思う。
同じ空の下には地震と津波の影響でまだ苦しんでる人がいるのだから――

ふわり、と誰かの気配がして振り返った。
月に照らされた自分の影が映るばかりで誰もいない。――当たり前か。


月見酒、飲みたいな。
月見酒飲みながらいろんな話をしたいです。萌えの話とか（笑）
ということでまた女子会できたらいいなあ……。

冴え渡った月は何も言わない。
私は詩人じゃないから。
私には何もない……

チャイコフスキーの交響曲第5番第2楽章吹きたくなりました。どっかのオケでオーボエ募集してないかな。あとブラ1は再挑戦したいしキャンディード序曲とクルミ割り、まほでし、6声のリチェルカーレは私の夢。練習しないとなあ。
いいリードを買って月とセッションしたい。博雅のように。



テラスで月を眺める青少年の姿が目に浮かぶ。
手を伸ばしかけて、ふっと笑って目を閉じる。
考えたのは、彼の想い人だろうか？

――あいしてる

小さな声で彼がつぶやいた。




私はそのイメージを大切に抱きしめながら、もう一度月に問う。

―――これで、よかったのかな？


月は冷たく冴えたほほえみをみせるだけで何も言わない。

答えなどはない。
自分で決めるだけだ。
そして、……それが答えなのだ。












良き夢を。