某歯科医の独り言

日ごろ感じる事を素直に書いてみました。

子供に対する歯みがき時の安全対策~歯ブラシ事故から子供たちを守るために~

2020-02-24 13:31:35 | Weblog
表題は日本歯科医師会雑誌2020年2月号に早川龍先生が寄稿された論文の題名です。
この論文を読んで私が若い時に勤めていた病院で歯みがき事故の事例を体験したことを思い出しました。

2歳のお子さんが歯ブラシを喉に刺してその後発熱と食事が取れないと来院されました。
診察すると左咽頭部が腫脹していました。その時は歯ブラシを刺した箇所にそっとゾンデを挿入すると大量の排膿があって抗生剤を処方して幸い事無きを得ましたが、歯ブラシ事故は時として死亡事故に繋がります。

このような事故を起こさない安全対策が早川先生の論文に記されていましたので皆様にご紹介します。

・ 事故の危険性が高い3歳半までは、安全対策を施された歯ブラシを選ぶようにする。
・ 安全対策を施された歯ブラシを使用する場合でも保護者が必ず見守る。
・ 子供が使用する歯ブラシは安全性を重視し、保護者が仕上げみがきで使用する歯ブラシと使い分けをする。
・ 歯みがきは床に座って行う(歯みがきをする時には動き回らせず、ぶつかったり、転倒を防止する。)
・ 歯みがきを行う場所、生活環境を見直し、子供に対する事故のリスクを低減させる。(踏み台、ソファー、椅子などの不安定な場所で歯みがきをしない、洗面台に届かない時には、うがいをする時だけ踏み台を使用し、歯ブラシを置いてから踏み台に乗る)。
・ 歯ブラシだけでなく、箸やフォークなど、喉突きの危険性のある日用品にも注意する。

又、東京都作成の「乳幼児の歯みがき中の喉突き事故に注意!」のリーフレットも是非ご覧ください。
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