4.GLP-1 受容体作動薬
1. 基本的事項
・小腸内に食物が流入すると、血中にインクレチン(GLP-1, GIP)が分泌される。GLP-1, GIPは膵 β 細胞に発現するそれぞれの受容体に結合し、cAMP 上昇を介してインスリン分泌顆粒の開口放出を増幅させる。
・インクレチンは血中に存在するdipeptidyl peptidase-4 (DPP-4) によってすみやかに不活性化される。DPP-4は、インクレチン
・GLP-1受容体作動薬は、天然型 GLP-1 をもとにアミノ酸置換やアシル酸付加によって
DPP-4による不活性化を受けにくくしたペプチド製剤(エキセ
・ペプチド製剤なので、基本的にはインスリンと同様に皮下注射で
・2021/2 から経口 GLP-1 受容体作動薬であるリベルサス®(セマグルチド)が国内で発売さ
・アメリカ糖尿病学会の Standards Medical Care in Diabetes 2020 では、心血管疾患の既往があるまたはリスクが高い患者,腎症また
・GLP-1受容体作動薬推奨の根拠となっている臨床試験は、L
・LEADER試験では、心血管疾患のリスクが高い2型糖尿病患
・SUSTAIN-6 試験では、心血管疾患のリスクが高い2型糖尿病患者を対象として
・REWIND試験では、心血管疾患のリスクが高い2型糖尿病患
・国内の臨床試験では、リラグルチド(0.9 mg)はHbA1c -1.74%(6カ月後)と強力な血糖降下作用を示した。
・単独では低血糖起こしにくく、体重を増やさない(欧米の臨床試
・胃排泄の抑制作用もあり、比較的多い副作用として消化器症状が
・薬価は非常に高い(512円/日(ビクトーザⓇ, トルリシティⓇ )+ 自己注射管理料)。