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地理講義   

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109.地中海性気候Cs  アテネはBSか パースはCs

2013年11月10日 | 地理講義

アテネの気候
地中海性気候からステップ気候に変更になったようである。

 

 

 

 

ケッペンの判定式による。r=388.1    t=17.7    20t=354
3×3.6<62.9だから夏乾季(s型)。   
20t<r  であるから、地中海性気候となる。
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ケッペンの判定式による。r=375.3    t=18.8    20t=376  
20t> r  であるから、地中海性気候にならない。 
新しい気候統計による区分では、アテネは地中海性気候からステップ気候になる。
しかし、理科年表記載の経緯度から観測点を地図に示すと、下図のようになり、BSは海上の観測結果になる。
標高も、理科年表1993年版は107m、2013年版は28mである。
場所も標高も違う観測点ならば、年降水量が0.7mmの差でCsからBSになることはあり得ることだが、統計の継続性から正しいと考えていいのか。
また、緯度・経度に印刷ミスがあったのか、なかったのか。観測点の高度変更はあったのか、なかったのか。
これらを確認して、気候区分の変更が妥当か否かを判断するのが正しい気候区分であろう。現在は暫定、しかも?付きである。
2013年の観測値も、アテネオリンピックのために気象台は移転しているので、アテネの古いデータによる地中海性気候Csも?。



オリーブ
地中海沿岸ではオリーブの栽培が盛んである。生産量世界第1位はスペイン、第2位イタリア、第3位がギリシャである。オリーブ油には80%程度のオレイン酸が含まれ、健康によいとされる。しかし、ひまわり油・紅花油もオレイン酸含有率は80%であり、オレイン産に限っては、オリーブ油が特に多くはない。オレイン酸はコルステロールの酸化をおさえて動脈硬化の予防になるとされる。
オリーブ栽培は、紀元前からギリシャ人によって地中海沿岸地域に拡大された。地中海性気候はオリーブ成熟期の夏に雨量が少なく、果実の成熟には最適である。ギリシャの土地は石灰岩質で、夏にはほとんど雨が降らない。オリーブ栽培に適した地域である。地下水にはミネラルが豊富である。この自然条件は2000年前から変わらず、高品質のオリーブが生産されてきた。

ぶどう 
日本のぶどうは、収穫時期は梅雨・台風などの雨季と一致するので、収穫直前前のぶどうが腐敗したり、病害虫の標的になったりし、品質・数量が安定しない。ぶどう棚は、ぶどうの雨季対策である。
ギリシャは夏に乾燥し、大豆・とうもろこしのように、ぶどうは地面から上に向かって育つ。各地の風・土壌・栽培技術の違いにより、味・風味・色に微妙な差がある。多様なギリシャワインを、貿易政策の都合上、ギリシャ政府は1971年にワイン法を制定して、4種類に格付けした。
オパプ(O.P.A.P.) - 高品質のワイン(古代ギリシャからの伝統的製法)
オペ(O.P.E.) - 高品質の口ワイン(ぶどうの原産地明示。甘口)
トピコス・イノス - ヴァン・ド・ペイ(地ワイン)
エピトラペジオス・イノス - テーブルワイン(日常消費用ワイン)


サンフランシスコの地中海性気候Cs 

サンフランシスコは夏に乾季となる。この気候は地中海性気候だけである。地中海という局所的な名称だが、中央アジア、南北アメリカ、アフリカ、オセアニアにも地中海性気候は存在する。それで温帯冬季多雨気候とか、温帯夏季乾燥気候と言われることもある。各地の地中海性気候の成因には、各地域特有の理由があり、統一的な説明ができない。
サンフランシスコは北緯37度46分、ほぼ仙台市・山形市の緯度である。カリフォルニアの沿岸を南下する寒流カリフォルニア海流の影響を受け、4~10月の気温が低く、降水量は少ない。海水温が低いため、夏には霧が発生し、日射がさえぎられて、気温も低い。
しかし、年中カリフォルニア海流の影響を受けているのではない。冬には暖流ダビッドソン海流の影響を受け、降水量が多くなるし、気温も下がらない。
50年前までは、サンフランシスコ近郊では灌漑による米栽培が盛んであった。都市の人口増あ加とともに都市用水の消費量が増え、米栽培用の灌漑用水が不足するようになった。灌漑用水を大量に使う米栽培から、乾燥に強い野菜・果樹栽培が増加している。

※ 夏は寒流カリフォルニア海流により晴天低温。冬は暖流ダビッドソン海流により温暖。


※ ダビッドソン海流は深さ200以下の暖流だが、冬(11~4月)は海水表層を北上。


パースの地中海性気候Cs
オーストラリアの南西部の
パースは人口150万人、地中海性気候Csの都市である。夏は乾燥、冬は雨季である。夏は2月が最も暖かい。これまでの最高気温は1991年2月の46.2℃である。夏は大抵、現地の人が「フリーマントルの医者」と呼ぶ南西からの海風が吹いて、気温の上昇をおさえている。冬の寒さは厳しくなく、雨が多い。
人口増加と生活スタイルの変化により、これまでのダムからの送水だけではパース市民の生活用水不足が、深刻な問題になっている。庭の芝生や家庭菜園にスプリンクラーで散水することを禁止した。海水の淡水化プラントを導入稼働させても、不足状態は解消できず、市の水管理部門では、地下水の利用やダムの新設などの対策を検討している。

パースの地中海式農業
郊外には数haの小規模農家が、オレンジ・レモン・プラムなど、夏の乾燥に強い作物を多種類栽培している。
付加価値を高め、パースのマーケットで高く売るため、肥料・農薬の使用量を最低限におさえた有機栽培が盛んである。
さらに都心から遠くなると、10~20haのぶどう栽培農家がある。ワイン加工場を併設している。観光農場を経営する農家は、ワイン加工場以外にレストラン・直売所なども併設する。いずれも家族労働で間に合う程度の経営規模である。オーストラリアは広大であり、全国市場とするような農業は、パースでは行われていない。

 


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